■オンライン講習会です!【弱者を生みださない社会へ】
昨日、オンラインで公明党の議員研修会に参加しました。
財政論とともに、これからどのような社会のあり方が求められるのか。
慶應義塾大学の井手英策教授より、熱い講義を頂きました。
「日本財政 転換の指針」に始まり、
「18歳からの格差論」
「分断社会を終わらせる」
「分断社会ニッポン」
「未来の再建」
「ソーシャルワーカー」など、井手英策教授の書籍は
公明党会派の本棚に置かれていたことをきっかけに、初当選以来乱読を重ねてきました。
井手英策教授とは直接、面会の機会はありませんが、年齢が同世代、九州出身、10代にひとり親家庭で生活されてきたことなど、自分と共通する点が多く、親近感を持って読ませて頂いております。
それ以上に、今の社会のほころびに対する明確な指針および方策を持たれていることに、強い触発を受けてきました。
そして、公明党議員として初当選させて頂いてから「福祉のあり方とは、社会的に弱い立場の人たちの本当の味方とは」と、悩みながら議員活動に取り組んできて、現時点では自分にとってこれがもっともしっくりとくる「社会のゴール」だと実感しています。
【弱者を助ける社会から、弱者を生み出さない社会へ】
痛みと希望を分かち合う、そのための消費税(まんべんなく誰もが負担する)の基本的考え方
→幼い子どもも、障がいがある方も、外国人でも、たとえ多重債務や前科があっても、認知症で生活していても、どんな場合であっても消費税は均一に負担する義務がある。
ただしその分、何かあったときの後ろだてとして、サービスで誰もが支えてもらえる社会。そういう基礎的な行政からのサービスを提供することで「今も、そしてこれからも、老後も絶対安心の社会」をつくる。
★取られる税→分かち合いの税、みんなで支え合う税という発想
【講義の問題提起1】
社会福祉のあり方として、実際におこなった事例「コロナ禍における特別定額給付金ひとり10万円」その成果はどうか?
◆現金給付:その時かぎり、全員へ配布
◆ベーシックサービス:必要とする人に必要なだけ(ただしサービスを受ける必要のない人も、いざという時の保険として誰もが受けられるしくみ)弱者だけを救済するのではなく、全ての人を何らかの受益者に
→どちらがより普遍的なサービスとして、最小のコストで最大の効果が出せ、かつ持続可能性を保ち得るか?
【講義の問題提起2】
ソーシャルワークとは?
暮らしの課題に取り組み、幸福や健康といったウェルビーング(SDGsの目標3にある「すべての人に健康と福祉を(Good Health and Well-Being)」)を高めるべく、人びとやさまざまな構造に働きかける(ここが大事)
◆その際に、求められるのは「福祉・教育・コミュニティ政策」の連携
→職員のための総合窓口=福祉・教育・コミュニティ担当部局との情報共有→議員はここと連携して活動
居場所などの「施設」を作って終わりではなく、そこに当事者が活用できるようにするための制度化が何より重要。そのためコミュニティ政策の連携が必要(孤立防止のため)。
◆サービスプロバイダー(行政サービス提供者)からプラットフォームビルダー(公共私間の新しい協力関係を構築する土台・場(プラットフォーム)をつくる役割(ビルダー))への発想の転換が必要
→ただしその場合、財源をどこから捻出するのか、財源の議論とプラットフォームビルダーの具現化は、切っても切り離せない(同時に検討の必要性あり)
※当日行われた講義内容を、私自身の個人的な所感で端的にまとめていますので、予めご了承下さい。
実際の井手英策教授の講習会の内容は、以下の公明新聞記事をぜひご覧下さい。
結びとして:所感
今回の講義では、政権与党で実現した全所得階層の幼児教育・保育の無償化(所得制限なし)、低所得層の大学無償化など、歴史を先取りした無償化政策として高く評価を頂きました。
そして、井手英策教授が持たれている分かち合いの考え方と、ご自身の実体験から以下のことを教わりました。
ローマ人の言葉では、『生きる』ということと『人々の間にある』ということ、あるいは『死ぬ』ということと『人びとの間にあることをやめる』ということは同義語として用いられた」
(ハンナ・アーレント『人間の条件』)
サービスを提供するだけでは不十分で、そこに人間が生きていくためのコミュニティを構築し、人同士の循環(ふれあいの場)を生み出していかなければならない、そう痛切に感じました。まさしく誰ひとり取り残さない社会をつくることが、福祉の最大化。
井手英策教授が提唱する「ベーシックサービス」の根本思想である、分かち合い・みんなで支え合う租税のあり方。弱者だけを救済するのではなく、全ての人を何らかの受益者にするしくみで、租税負担をする制度。石井幹事長が2020年10月の衆院代表質問で初めてお訴えしたように、公明党は弱者を生みださない社会へしっかり検討を進めてまいります。
■(党勉強会)人間の尊厳を守る社会へ/慶応義塾大学経済学部 井手英策教授の講演から(要旨) 公明新聞2022年8月25日付け記事より引用)