◆9月定例会活動レポートです!(一般質問より:健康・福祉のまちづくり【その2】)
【9月議会での一般質問テーマ:健康・福祉のまちづくりについて】
8月に公表された、国立がん研究センターによる、国内初の「防げたはずのがんについての金銭的負担・推計調査」によれば、予防可能なリスク要因によるがんの経済的負担が【約1兆240億円】と積算され、がん対策の推進が、経済的な側面からも大変重要であることが明らかとなりました。
これまでの治療法の確立や早期発見技術の向上で対策が進み、今や、がんは「治る病気」として、仕事を続けながら継続的に治療を受け、生活されるなどということも珍しいことではなくなりました。
その一方で今般、一部のがんにおいては、早期発見・早期治療が道半ばのものがあります。その一つ「すい臓がん」に視点をあててみました。きっかけは、ある市民の方から「仲の良かった友人がすい臓がんで亡くなってしまった。がんと分かってから本当にあっという間に亡くなってしまった」との、痛切なお気持ち、悲しみのお声を頂いていたことがあったためです。
それならば、早期発見について調査し、少しでもがん対策を前に進め、防げたはずのがんの征圧をめざし、一人でも多くの浦安市民に健康長寿でいただきたいと考え、質問に取り上げました。
【その2】がん対策について
【一瀬質問】浦安市民はどのようながんで亡くなられる件数が多いのかうかがう
【健康こども部長】千葉県衛生統計によれば、本市における部位別がん死亡件数は令和2年・3年ともに、1位が肺がん、2位がすい臓がん、3位が胃がんとなっている。
【一瀬質問】また、これらのがんで亡くなるケースにおいて、がん検診が市で行われているもの、行われていないものについてうかがう
【健康こども部長】本市におけるがん死亡件数上位3項目のうち、市が検診の対象としているものは、胃がん検診と肺がん検診であり、すい臓がんは現在対象としていない。
【一瀬質問】現時点ですい臓がんへの対応策は、発症から亡くなるまでの期間が短いことから「早期発見」が最も重要と聞いている。そこで、すい臓がんへの対策について市の見解をうかがう
【市長】国においては、「がん予防重点教育及びがん検診実施のための指針」により、有効ながん対策として、肺がん検診をはじめとする5つのがん検診を推奨してるが、すい臓がんの検診は早期発見のための検診が確立されていないこともあり、推奨していない。
このことを踏まえ本市としても、すい臓がん検診の実施は現在考えていないが「浦安市がん対策の推進に関する条例」に基づき、がんの特性に合わせた知識の普及や環境の整備、医療・福祉サービスの情報提供に努めるとともに、地域の中核となるがん診療連携拠点病院と連携するなど、がん対策を総合的に推進していきたい。
【一瀬質問】すい臓がんで亡くなる市民が上位3項目に入っているとの答弁で、医学界でもその効果的な対策が見込めていない状況であることは承知している。そこで、本市でもすい臓がんで亡くなる市民が、がんによる死亡数の上位を占めはじめている現状から、本市での対応の可能性を今後、探ってはどうかと考えるが、見解をうかがう
【健康こども部長】すい臓がんについては、早期発見が非常に困難とされており、現在、国内の医療機関等で研究が進められている。本市としては今後、国や県、他の市町村のすい臓がん対策の動向を注視しつつ、調査・研究してまいりたい。
【一瀬要望】先進市の事例として、すい臓がんの中核的役割を担える専門医の先生の存在、および地域のかかりつけ医との連携が大前提となり、先進市では早期発見プロジェクトが開始されている。
これは広島県 尾道市の医療機関が発祥で、尾道モデルといわれている。横浜市なども、すい臓がんの早期発見、治療をめざし「膵臓がん早期診断プロジェクト」を今年度から実施している。
すい臓がんで亡くなる市民が増加しているといった課題は、今回共有していただけたと思う。 ぜひとも今後、あらゆる可能性を探っていただき、市民の健康・長寿のため、さらなる調査・研究を要望する。
⬇JA尾道総合病院の膵がんプロジェクト
https://onomichi-gh.jp/cancer_med/pancreatic_cancer/
⬇横浜市の事例紹介【横浜市 膵臓がん早期診断プロジェクト】
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/iryo/gan/taisaku/20230427.html
※質疑内容と答弁は、趣旨を変えずに出来るだけ分かりやすい言葉に表現し直して掲載しています