■セミナー参加【2020年新春座談会・社会保障改革の展望とこれからの医療・介護】
17日の昼に、千代田区の霞ヶ関そばにあるイイノホールで行われた「社会保障改革の展望とこれからの医療・介護」セミナーに参加してまいりました。第一部の基調講演では、現役厚生労働事務次官の鈴木俊彦氏から「社会保障改革の課題と展望 ~2040年を見据えて~」を講演。第二部の座談会では慶應義塾大学名誉教授の田中滋先生を中心に6名の演者が登壇されました。
【基調講演】
- 人口構造と社会構造の変化(2015~2025~2040年の各地域の高齢化の状況)
75歳以上の人口は、多くの都道府県で2025年頃までは急速に上昇、その後の上昇は緩やかで、2030年頃をピークに減少。
2015年から10年間の伸びの全国合計は、1.32倍。埼玉県・千葉県では1.5倍を超える。
- 全世代型社会保障の読み解き方
年齢階層別の人口の増加率は、団塊の世代が全員75歳以上となる2025年に向けて高齢者人口が急速に増加した後、高齢者人口の増加は緩やかになる。
→2040年をめざし、それまでの安定状態に行く前の2022~2024年が「最後の峠」となる後期高齢者が大幅に増加。ここに向けた医療の給付と負担が争点。検討の際は、医療の今後のあるべき絵姿を描き、そのために必要な給付と負担についての議論をすべき。
- 当面の主な論点 ~ 医療・介護政策を中心に ~
今後の経済財政諮問会議の検討課題として、2019年度からの3年間を基盤強化期間としている。この次の新たな改革期間が「最後の峠」の始まる年と重なる。
→2022年度予算で打ち出される予算が大きなポイントとなる(またはその前年夏ごろの「骨太の方針2021」までに、次期(集中)改革期間の設定、財源のあり方の再検討が具体的に示されてくる)
- 社会保障改革「次の一手」を考える ~ 地域共生社会の実現に向けて ~
【視点1】今後の社会経済構造の変化を見通した総合的な取り組み
「格差・貧困」解消に向け、特に留意すべきは子どもの貧困と高齢低所得者の増大
年金・医療・介護を通じた低所得者支援の強化
住まいも含め、生活保障という視点にたった支援の枠組みの構築
【視点2】地域共生社会の構築
制度があって人があるのではなく、人があって制度がある
国民生活を支えてきた各種制度・サービスが機能不全に陥らないよう手を打つ
各制度の縦割りを超えたシステムの構築(全世代・全対象型の地域包括支援)
【視点3】国民が共有できる理念の形成「社会保障は国民の共有財産」
格差の拡大や固定化を防ぎ、外国人との共生も踏まえた社会・国民の理念の形成
■参加した所感:
2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、それに向けた高齢者施策を国として進めてきました。その最後のヤマが目前となり、新たに2040年を展望した改革が急務ということを国レベルで危機感をもって取り組んでいることが実感できました。特に社会保障と租税による国民負担率を国際比較で行うことや、それに財政赤字対国民所得比を加える、潜在的な国民負担率などの視点は、各国の特徴が出ていて斬新的でした。例えばスウェーデンは税負担率が50%を超えていたり(日本は25.4%)、フランスでは社会保障負担率や租税負担率、財政赤字対国民所得比がそれぞれでまんべんなく負担され、社会保障を手厚く・皆でまんべんなく負担する、という考え方で支えています。これらの負担のあり方は国で議論を進めながら、地方ではいかに地域共生社会を地域住民と作り出して、安全安心で豊かな高齢社会を作り出していけるかがキーだと感じました。
今回うかがったお話は、主に高齢者福祉分野ですが、自宅の近所に障がい者向けの複合福祉施設が建設中で、来年度には完成予定です。
この地区は市の福祉ゾーンに指定されており、隣接している総合福祉センター・老人福祉センター・小学校・保育所があります。そしてこのたび浦安市内の郵便局とで、地域の一層の活性化と市民サービス向上をめざす包括的な連携協定が提携されると聞いており、隣接する中央郵便局も対象となりました。この地域に存在するそれぞれの組織が縦割りを超えた連携の仕組みづくりをすすめることで、浦安市版・地域共生社会のモデルケースとなりうるよう期待します。行政の関わり方や地域ケア会議(安全・安心会議?)的なものを検討し始めるきっかけとして参ります。とともに、今回のセミナーで得られた知見を地元でどのように活用できるか知恵を絞りたいと思います。




