■「いのち」を守る施策 -自殺防止対策の強化に向けて-
4月も半ばとなり、今年は少し早い桜の開花だったため、キレイに散ってもうすぐ新緑の季節。もう過ぎてしまった3月は、実は最も自殺者が多い月であり、「自殺対策強化月間」に位置づけられています。多くの悩みを抱えているにも関わらず、なかなかSOSを上げられない人びとに対し、いち早く支援の手を差し伸べることが必要です。
我が国の年間の自殺者数は7年連続で減少しています。しかし、よく考えてみると、これは毎年の年間自殺者数が減っているだけで、例えば2000年から昨年まで、18年間で累計50万人(!)もの方々が自殺で亡くなっている実態があります。千葉県でいえば市川市クラスのまちが一つ、18年間で丸ごとなくなった計算。。
以前もレポートしましたが、主要7か国の中でも、我が国の「自殺率」は最も高い数値となっています。特に深刻なのが若い方々の世代で、厚生労働省の2017年版自殺対策白書によると日本では2015年、15歳から39歳の年代で死因の第1位が自殺となっています。
https://www.komei.or.jp/km/ichise-kenji/?p=3459
一人の命が失われることの重さは言うまでもなく、家族や周りの人の悲しみや、生活上の影響も計り知れません。まさに非常事態として課題認識を持つべきと考えます。公明党もかねてより国会の場で様々取り上げてまいりました。
そのようなことから、以前よりお話しをお聞きしたいと思っていた、NPO法人ライフリンクの清水康之さんの公開講座に参加してまいりました。以下の内容は、その際に配布されたテキストやお話しの内容から要約して報告します。
高校生の心と体の健康に関する調査概要
公開講座でお話しいただいた中に、高校生の世界の青少年との国際比較がありました。日本とアメリカ、中国、韓国の4カ国で例示されている内容の特徴は、とにかく日本の高校生は自己肯定感が他国より著しく低いということでした。
http://www.niye.go.jp/kanri/upload/editor/126/File/gaiyou.pdf

この要因はさまざま考えられると思いますが、これも実は、年齢を重ねていくたびに自己肯定感が奪われてしまうような環境になってしまっているのではないか、とお話しを聞いているなかで問題意識を持ちました。
具体的な施策として
すでに具体化されている取り組み例で、24時間の全国統一ダイヤルなど子どものいじめ相談体制の充実や、本日の公開講座を主催されたチャイルドライン東京ネットワークなど、18歳までの子どもの専用電話として子どもたちの気持ちに寄り添い、その思いを大切にしながら、どうしたらいいかを共に考える人々の取り組みがあります。
↓千葉県はこちら
http://chiba.gekijou.org/?page_id=100
また、学校現場で困難やストレスへの対処方法を身に付ける「SOSの出し方教育」などは、今回の自殺対策基本法の一部を改正する法律に盛り込まれました。
文部科学省・厚生労働省それぞれから地方自治体に通知がされ、年に一回そのための授業を行うことを努力義務として課せられるようになりました。東京都ではすでに都の教育委員会ホームページでも掲載し、「自分を大切に 友達を大切に」と呼びかけ、ぜひ鑑賞いただきたい素晴らしいDVDも教育委員会で持ち合わせているとのこと。
さらに、授業をつとめる講師も、地域の窓口として「保健師」が子どもたちにとっては適任であると推奨もしているとのこと。これは、地域の第三者によるつながり・きっかけを持つことで、保健師からは子どもを通じて世帯への支援としていき、子どもからすれば学校でもなく、家庭でもなく、顔見知りの大人とは違ったまた別の人間関係から、いざというときに駆け込める先を作っておける(SOSを出せる)といった利点もあるそうです。
またこれとは別に、若者の自殺を防ぐ取り組みとして、厚生労働省はLINEなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した相談事業を開始しており、専門家による無料相談を行っています。
https://www.komei.or.jp/news/detail/20180317_27626
今回の公開講座に参加して特に思ったことは、自殺を考える子どもたちの「居場所がない」ことでした。それはさまざまな要因から生命空間を狭められ、窒息しそうな世界に生きている、ということ。地域などに居場所がない若者たちはSNSに「漂って」いる、というくらい、自分の居場所を求めて漂流していると想像しました。
生き心地のよい社会へ
・自殺は、あらゆる社会問題が最も深刻化した末に起きている。
・自殺に対応できる地域の取り組み、力は、他のあらゆる社会問題に対しても有効に機能するはず。
今日参加した公開講座のライフリンクの考えとして、この2つが心に残ったので紹介いたします。今日の参加者には高校生もいらっしゃり、最後に「自己肯定感を上げるには?」と質問。それに対し清水康之さんは「大人って捨てたもんじゃない、と思ってもらえること、そういう社会にしていくこと」「生き心地のよい社会をつくっていくこと」と答えておりました。TV・雑誌等を見ていると、その逆に【こういう大人になりたくない】というケースがあまりにも多く見受けられることが、子どもたち・若者たちに申し訳ない限りです。それは政界においても同じで、人としてがっかりさせられることが多い。だからこそ、自分は公明党議員として常に自らを省みる習慣を持ち続けたい。何のため・誰のための議員をつとめるのか考え続けたい。
子ども・若者たちの環境は大人社会の反映であると考えます。人間が人間らしく生きるために、生きづらさを抱えた人たちが、生き心地を良くするための福祉施策として、今回の学びをこれからの議員活動、議会活動に生かして参ります。



