■会派視察です(その2)【雲南市の地域自主組織とコミュニティナース】
二日目の会派視察は島根県雲南市。日本の25年先の高齢化社会をいくと自ら説明をされ、人口は平成27年で39,059人、市の面積は何と553.4㎡!!
これは東京23区の面積の約9割。
平成16年に合併し、人口減少と高齢化のスピードは日本でも最速で進んできているとのこと。
この課題に真っ向から取り組んでいる行政と地域住民、そして「コミュニティナース」の方々の、熱く、また斬新的なお話しを伺ってまいりました。
*—————————*
■雲南市における地域自主組織について
【これまでの組織】
・地縁型組織:自治会、町内会
・目的型組織:消防団、営農組織、文化サークル
・属性型組織:PTA、女性グループ、高齢者の会
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
★概ね小学校区で広域的な地縁組織を結成し、上記の3分類をとりまとめるエリアごとの地域自主組織(小規模多機能自治)により、地域で出来ることは地域で解決していくこととしました。
住民自らの発意で発足し、平成19年度に市内全域で結成完了。市内全域で30組織が結成されました。
【活動拠点の整備】
地域自主組織が活動出来る拠点を、交流センターとして公民館等を転換し設置(平成22年)
※公設民営による運営(指定管理者制度の活用)、市内全域で30カ所
■全国各地とのネットワーク化
地域自主組織の法人化や人材育成など活動基盤の充実強化をはかり、住民主体の地域課題解決に向けた活動を推進。
つまり、全国各地の同じ課題を持った地域のそれぞれの課題とノウハウを共有し、今後の対応策を協議している場です。国への提言書とりまとめを行った結果、内閣府での有識者会議の設置・検討が開始されたとのこと。
→全国的な地域連携の取り組みとして展開
*—————————*
■コミュニティナースについて

【課題】地域医療の今
超高齢化で多くの患者
・いったん入院すると、介護力が脆弱で家に帰れない
・山間部ではアクセスが悪く、身体的にも通院が大変
・医療依存度が高く、家で看取る風土がない
地域の医療機能が脆弱化
・医師の高齢化と担い手不足から、診療所の閉鎖の危機
・人材不足と経営悪化で訪問看護ステーションの閉鎖の危機
地域の医療を一挙に担う
・過重業務・労働環境の悪化
・緊急搬送の増加
・スタッフの疲弊と人材不足
【今後】地域医療を盛り上げていくために
・若い看護師が活躍できる環境が必要
・病院以外の働く場所、家庭を持ちながらでも働ける「働き方改革」が必要
・医療分野だけでなく、教育・経済・政治すべて含めた持続可能な地域社会の創造が必要

★これからの地域医療★
■「治療する」ことを中心にした病院完結型の医療
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
■暮らしの中で病とともに歩む時代
「治し、支える医療」へ
・訪問看護師として地域に安心を届ける
・若手人材をつなぐ地域医療の魅力化、また施設を超えた連携の強化
・地域のニーズは何か?みんなで作る幸せなまちづくり
☆コミュニティナースのコンセプト☆
・地域住民の一番近い場所(地域の中)で
・日常的(中長期的)に住民と関わることで
・健康的なまちづくりに貢献する新しい医療人材
*—————————*
↓ 詳しくはこちらのサイトへ
【今回学んだこと】
雲南市の高齢化状況と地域自主組織の取り組みは、これからの日本の最先端を進んでいるものと認識しました。
一方で、今の日本の医療構造は「病を得てから看護師と出会う」という構造で、看護教育も病気になった人に接していく(療養)のを教えるのが前提です。看護師の資格も、看護学校の卒業も、病院へ行き・病を得た人たちとの接し方(これを「シック・ナーシング」と言うそうです)を習ったあとに、何も疑うこともなく病院へ就職していくことが前提となっています。
確かに今後の高齢化を考えれば、ますます病を得る高齢者は増えることが考えられますが、どこまでも「病院で・病を得たあとに」接することがいまは常識です。もし、健康寿命を延ばすことに重点を置くのであれば、もっと早い健康なときに、あるいは病を得た直後にその変化に気づき、寄り添っていくことが出来ないか。病気になる前から日常の暮らしの中で、医療と健康の専門家として生活現場の最前線に入っていけないか、ということが問題意識の始まりだったとのこと。
スウェーデンやフランス、オランダでは、訪問看護ステーションが充実しており、かつ在宅による看取りの比率が日本と比べても断然高い(全国訪問看護協会の資料「訪問看護アクションプラン2025」より)という結果が出ております。このコミュニティナースの取り組みが、在宅での看取りを、もっと日常のなかに常態化していくことが出来るのではないかと、明るい未来を見た気がしました。
今後、コミュニティナース育成プロジェクトが活性化し、「住み慣れた自宅で・最期まで住み続けられる地域づくり」の立役者となっていくことを期待します。

