■会派視察です(その1)【出雲市の老老介護支援事業】
2/2に会派視察で島根県出雲市を訪れました。過去、平成の大合併で、2市4町が統合(平成17年)。その後、平成23年にも菱川町と合併、今は65歳以上の高齢者が平成28年3月末時点で28.6%を占めています。
なお、人口は同時期で174,957人となっておりますが、市の面積は何と624.13k㎡!!
つまり、浦安市・市川市・松戸市・船橋市・流山市・野田市・我孫子市・八千代市・鎌ヶ谷市・白井市を足した面積と同じくらいの広範な地域を一つの自治体組織でカバーしています。その広大なエリアに度肝を抜かれました。。
一方で、その医療と介護の資源においては、島根大学医学部、同付属病院、県立中央病院、出雲市総合医療センター、県立大学出雲キャンパス、トリニティカレッジ出雲医療福祉専門学校、出雲医療看護専門学校などの医療機関、医療福祉系の教育機関が集積しており、島根県内でも医師数、看護師数、診療所や訪問看護ステーション数、施設数など、大変充実している地域ということです。

出雲市における地域包括ケアのイメージ【重層的ケア】
■出雲市
出雲市全域に対する政策形成、施策の調整
↑↑↑ 以下の3機関における課題から政策形成へ ↑↑↑
■あんしん支援センター
地域ケア会議、ケアマネジャー支援、高齢者虐待対応など、旧自治体の単位で対応(7地域)
■介護サービス事業所
サービス基盤の整備など、中学校区(15校区)←この広さで、、、
■地区社会福祉協議会
見守り、生きがい活動、介護予防など、コミュニティセンター単位(43地区)
厚生労働省の推奨により、どの地方自治体でも行われていますが、これだけの広域をカバーするには『医療と介護の豊富な資源』とともに、生活上のハンディキャップがある高齢者、つまり『老老介護をされているお宅』や、『単身の高齢者世帯で要介護者のお宅』に対する支援も必要、とあらためて感じました。
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そこで、一通り説明が終了してから問いかけた質問が
「平成22年から施行された老老介護支援事業だが、どういった経緯から始まったのか」
ということでした。
なお、その回答は「市長の選挙公約」ということでしたが、、その先見性に敬服します。
当時、出雲市では高齢化率は平成22年で25.3%、高齢者のみの世帯は17.7%で、単身の高齢者世帯で要介護者の方や、高齢者夫婦の一方が介護をしている世帯が増えてきており、そこからくる課題をいち早く聞き入れて当時の市長が取り入れたということでした。
このことから高齢者のみの世帯という視点でも今後、人口比率から把握をしていく必要性があるのではないかと問題意識を持ちました。
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- 老老介護支援事業について -
■目的:介護する側もされる側も65歳以上という「老老介護世帯」や、重度の要介護状態の独り暮らしの高齢者の日常生活支援および介護負担の軽減を図る
■事業開始:平成22年10月より開始。本事業の対象世帯に「出雲市老老介護生活支援サービス利用券」を給付し、そのサービス利用券を利用していただくことにより、介護する側の高齢者の介護負担を減らすとともに、介護される側にとっても住み慣れた自宅での生活を継続してもらう
1)給付対象
①世帯員全員が、65歳以上である
②世帯員に要介護3以上の人がいる
③住民税非課税世帯である
※ただし、施設サービス利用や長期入院等のため実際に老老介護状態にない世帯を除く
2)給付内容:生活支援サービス券
1ヶ月あたり3,000円分(500円✕6枚)支給
※老老介護の事業年度は7月~翌年6月で、1年分72枚を一括支給
※サービス券には有効期限がある。理由は、要介護者は死亡・施設入所・入院等の可能性が高く、1年未満で半数近くが資格喪失となっている実態があり、随時利用し介護負担の軽減をしてもらいたいため
3)サービス内容:介護保険対象外のサービス
①家事に関する支援
ア)調理
イ)食料品・生活必需品の買物
ウ)衣類の洗濯及び補修
エ)住居等の掃除及び整理整頓
オ)ごみ収集所までのゴミ出し及びリサイクルステーションへの再生紙等の搬入
カ)家屋周辺の草取り・草刈、庭木の剪定及び花木の水やり
キ)その他必要な家事等
②家屋の修繕等に関する支援
ア)障子・襖の張替え
イ)屋内外の簡単な修繕
ウ)その他必要な修繕等
③通院介助等に関する支援
ア)通院・入退院時等の介助(運賃は除く。)
イ)その他必要な介助等
※利用が多い順に、
1)屋内修繕(障子や襖の張替え・建具や屋内の小修繕など)
2)庭木の管理(剪定)
3)草取り
4)屋外修繕
5)掃除
6)通院介助(薬の受け取り含む)
という実績状況でした
4)事業者指定
指定事業者:30事業者(平成29年1月現在)
※このうち、中心的な稼働をあげているのが、公益社団法人出雲市シルバー人材センターとのことでした
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【今回学んだこと】
老老介護支援事業において提供されるサービス、つまり高齢者の身の回りの簡易的な作業は、シルバー人材センターを中心に取り組まれているというところに、今後のヒントがあると感じました。
右の出雲市全人口ピラミッド(平成28年12月時点)から分かるとおり、65才~69才の人口集団が突出しているなかで、定年退職後にも、新たな自分の生きがい活動として活躍いただくという考えが定着し、かつ高齢者が高齢者を支える文化が自然と出来上がっていることに感銘を受けました。
今後、浦安市でも進んでいく高齢化において、今回のケーススタディを活かしていきたいと思います。

