■委員会視察です(その2)!【西宮市の被災者支援システム】
2)人と防災未来センター・西宮市の被災者支援システム
2日目は兵庫県神戸市と西宮市。神戸市にある人と防災未来センターで館内見学、また西宮市の被災者支援システムについて視察して参りました。
【人と防災未来センター】
人と防災未来センターは国の支援を得て平成14年4月に兵庫県が設置し、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構が運営を行っている施設です。阪神・淡路大震災の経験を語り継ぎ、その教訓を未来に生かすことを通じて、災害文化の形成、地域防災力の向上、防災政策の開発支援を図り、安全・安心な市民協働・減災社会の実現に貢献することをミッションとしており、「減災社会の実現」と「いのちの大切さ」「共に生きることの素晴らしさ」を世界へ、そして未来へと発信している機構です。
・展示
・資料収集・保存
・災害対策・専門職員の育成
・実践的な防災研究と若手防災専門家の育成
・災害対応の現地支援
・交流・ネットワーク
主にこれら6つのコアを主体に、例えば災害における体験と教訓を語り継ぐ有志の方々もいらっしゃいました。災害の風化を防ぐとともに、災害大国・日本の防災・減災対策の発信に取り組まれています。
■心に残ったこと
1)阪神・淡路大震災クラスの地震がおきたときの民家、ビルや高速道路、商店街、さまざまな建物の倒壊状況、被害度合いをシミュレーション映像でリアルに紹介するコーナー
2)実際に震災で家族を亡くされた方々の当日の状況をルポし、その後の人生の歩みを紹介するコーナー
これらを拝見すると、震災の生なましい恐怖と、震災は未だ終わっていないということが痛感させられます。と同時に、少しでも減災出来ないか、また、被災された方々の心に寄り添う施策を打てないか、真剣に考えずにはおれない気持ちになります。
【被災者支援システム】
被災者支援システムの原点は、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災に遡ります。当時、西宮市庁舎も大きな被害を受けましたが、わずかに被災を免れたメインフレームとその提供ベンダー、また担当職員自らが被災者を支援するシステムを驚異的な速さで構築することで、被災者、復旧・復興支援業務に大きな力を発揮しました。それは、住民基本台帳に基づいた被災者の氏名・住所等の基本情報から、被災状況全般(被災者台帳)を管理するシステムで成り立っており、世帯ごとの履歴管理を行うことで、その後の支援制度やり災証明書、義援金手続きなどにもつなげていくことが出来ました。
これらを全て紙ベースの台帳で行われていたとしたら、膨大な業務量と混乱とで、当時の状況はさらに深刻になっていたと思われるくらい、西宮市の経験は貴重であり、また混乱時ほど情報の一元管理とデータ化による共有の仕組みは必須であると考えさせられました。
そこで、以下の問いかけを、今回の地方公共団体情報システム機構のお話のなかで問題意識として受けとめました。
- 大規模な災害や事故が発生したとき、地方公共団体は何をなすべきか?
たとえ役所の施設や機能が損なわれても、被災者である住民の保護、生活支援を速やかに実施しなければなりません。住民の安全がまず最も優先される事項であり、新たな災害が起きるたびに、改めて地方公共団体に問い直されています。
- 情報の収集・集約・共有のためのシステム化こそが最重要ポイント
災害発生直後、被災者を直ちに救護・支援していくためには、被災者に関する各種の最新情報を迅速に収集・整理・集約していかねばなりません。また、災害からの復興は長期間にわたる業務とならざるを得ません。そのためには被災者に関する各種の情報をシステム化することにより、庁内外で情報共有できる仕組みづくりが不可欠です。
浦安市は東日本大震災で死者こそ出ませんでしたが、液状化による甚大な被害が出た地域です。液状化で被災をした市民の被災者支援対応では、システムとしてどうだったのか、今後どのようにすべきか、という問題意識を持つことができました。
特に本年、新庁舎が竣工され、この新庁舎を中心としたBCP(事業継続計画)を予め策定し、自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、市の事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とする施策が必要です。
今回の視察は、これからの取り組みに多くのきっかけを頂くことができ、関係者の皆さまには深く感謝しております。また、被災者システム全国サポートセンター(運営主体:西宮市情報センター)による今後の活躍をお祈り申し上げます。

