■地方分権の試金石です!(豊中市・生活困窮者自立支援)
2)豊中市における生活困窮者自立支援の取り組み
2日目は大阪府豊中市へ。一人ひとりに、状況に応じた自立支援をされている取組について視察して参りました。
豊中市は、大阪府北部に位置し、大阪市の隣接都市。文教都市として約40万人の人口を誇る中核市です。
生活困窮者自立促進支援モデル事業(以下、モデル事業)は、もともと市で行っていた就労支援事業の経験を生かしながら、①出口を意識した相談支援②相談者の状況に応じたきめ細やかな支援メニューの開発と活用③内外の関係機関等と連携した迅速かつ適切な支援の実施④庁内の関係部局との連携による早期発見・早期支援の体制整備を念頭に、古くは平成15年度から取り組んできています。
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- 「就労困難者」とは
ハローワークなどの一般的な職業紹介を利用しても就労が実現できない人
自力では就職活動が出来ない人
何らかの支援が必要な人
具体的には、障がいを有する方、ひとり親家庭の親、高齢者、若者、在住外国人など
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- 相談の入口【就労支援センター】と、出口【無料紹介所】の開設
事業を開始して相談者が増えていく過程で、一般の求人情報だけでは十分な就労支援が出来ないことがわかってきました。
一般の求人では年齢・就業時間等が予め固定されており、その条件にかなわない限り、応募すら難しい状況でした。一方で、地域の求人情報は、ハローワークや求人雑誌に限られているわけではないと分かり、求人内容を細切れ(例えば半日労働や週3日労働の求人など)にした求人開拓を新規事業として立ち上げ、相談者の状況に応じたアプローチを開始。これが無料紹介所の始まりでした。現在では約3千社の企業情報、約800社から登録して頂き、毎年300~400社から求人をいただくまでに。
この事業の良かったことは、求人開拓のマッチングとともに、事業者側との関係が築かれているため、就労後のフォローアップ・定着支援まで行えるというものでした。地域密着型そのものです。
■新たな展開
また、相談者の増加は、新たな課題を生み出しました。
それは、就労困難者の中には複数の複雑な就労阻害要因を抱えているケースがあり、就労支援のみではなく幅広い支援を必要とする場合があります。そこで、以下それぞれの事業を開始。
(1) パーソナル・サポートモデル事業の実施(平成23年開始)
民間の人材である専門家によるチーム支援
社会福祉協議会のコミュニティーソーシャルワーカー(CSW)との連携
(2) くらし再建パーソナルサポートセンターの開設(平成25年開始)
生活保護に陥るまえの段階で早期にアプローチ。具体的には、税金滞納を管理する部門と連携し、早い段階で総合的な相談が出来るよう紹介し、くらしが崩れかけた市民にくらしの再建を図る取組。
これらの取組から、就労以外のニーズ(医療・介護・福祉等)でも相談ができ、相談者の求めていることの本質を聞き取り、適切に支援をしていく体制へと変革していきました。
この事業で最も肝要なところは「相談窓口で応対する相談員の力量」とのこと。ここでの聞き取り力が育成されていかない限り、上手くはいかない事業であると。限られた予算の中で、実に素晴らしい仕組みを構築・運営されていると、改めて感慨を深めることが出来ました。
最後に、ご担当者から「この事業を維持・発展させていくことが、そのまま地方創生(新たな雇用を生み出し・地域を活性化する、という意味)につながっていく」との信念に、深い感動を覚えました。必ずや、我が市の担当者にも伝えます!


