特定非営利活動法人MOVEから障がい者支援の現状と課題を伺いました
4/17(金)、市内のMOVE様を訪問して、障がい者福祉の現状と課題についてお聞きしました。
特定非営利活動法人MOVE様は、療育の文化を市内に浸透させ、障がい者とその家族の方々が悲しみに浸り込まずに希望と未来が開かれることを強く期待して、この事業を始めました。
多岐にわたる支援を実施されており、その実績が高く特に障がい者相談支援も一宮市から委託を受けています。
また、児童発達支援、児童デイサービスを行っている事業者も多数見学に来られてMOVEの療育の仕方を学ばれています。
今回、MOVE様が感じている「障がい者福祉の現状と課題」を学びに話を伺いました。
内容は概要を下記のように要約しました。
1. 障害児支援(放課後等デイサービス・児童発達支援)の現状と課題
• 事業所による利用者の選別: * 行動障害がある児童や、送迎を含む対応が困難な児
童が受け入れを断られるケースがある一方で、手のかからない児童が優先的に受け
入れられるといった「事業所による利用者の選択」が起きています 。
• 「預かり」への偏重と支援の質の低下: * 本来の目的である「療育」ではなく、保
護者の就労支援のための「預け先」として利用されている実態があります 。
事業所の支援方針が不明確で、ただ遊ばせているだけ、テレビを見せているだけと
いった質の低いサービスが課題視されています 。
• 人材不足と育成の困難: * 指導員不足により職員の入れ替わりが激しく、支援の質
が担保されない、継続的な支援が難しい状況です 。
• 重度障害児の居場所不足: * 特別支援学校に通う重度の児童を受け入れる事業所が
不足しており、18歳以降の進路(生活介護など)も定員超過で受け入れ先がない
「行き場のない」状況が生まれています 。
• 学童保育(児童クラブ)との兼ね合い: * 障害児が学童保育を利用できないため放
課後等デイサービスに流れている側面があり、学童保育の基盤充実(支援員の配置
など)による役割分担が必要とされています 。
2. 就労支援の現状と課題
• 就労選択支援の導入: * 2024年10月から「就労選択支援」が開始されました。これ
までの「直感」による進路決定ではなく、アセスメント(評価)を通じて本人の能
力を数値化し、適切な進路(A型・B型・一般就労など)を判断する仕組みが重要
視されています 。
• モチベーションと自己負担の矛盾: * 働いて対価を得ることに喜びを感じている利
用者に対し、収入が増えるほど福祉サービスの利用料(自己負担)が増える仕組み
が、働く意欲を削ぐ要因となっている懸念があります 。
• 安定的な仕事の確保: * 大阪の清掃事業の事例を参考に、行政からの仕事の一括受
注など、就労支援の場を安定させるためのバックアップ体制が求められています 。
3. 相談支援・移動支援の現状と課題
• 相談支援の質の向上と報酬体系: * 相談支援員の単価が低く、計画作成に追われて
十分なモニタリング(現場訪問)ができていない実態があります 。
• セルフプラン(本人・家族が作成)の比率が高く、適切なサービス利用に繋がって
いないケースがあるため、相談員の増員と報酬の改善が必要です 。
• 移動支援(ガイドヘルパー)の不足: * ヘルパーの不足と高齢化により、受け入れ先
が見つからず外出が困難な状況です 。
「公共交通機関の利用必須」や「余暇(映画やゲームセンターなど)の付き添い時
間が加算対象外になる」といった運用の硬直化が、利用者の社会参加を阻んでいま
す 。
4. 行政・制度面への提言
• 現場視点の欠如: * 行政の運営指導が「書類チェック」に終始しており、数十年の
活動でも職員が現場の支援風景を見に来たことがないといった「実態との乖離」が
指摘されています 。
• 財政コントロールと利用者本位のバランス: * 予算枠(財政コントロール)に縛ら
れ、現場から上がった課題が計画に反映されていないという批判があります 。
「地域活動支援センター」の設置数不足(一宮市内に1カ所のみ)や、サービスの
柔軟な運用(通勤・通学への移動支援の適用など)が求められています 。

