総務委員会視察概要 3日目(1/22)仙台市 DX推進計画について
説明:仙台市まちづくり政策局 行政デジタル推進課
仙台市では、人口減少や職員確保の困難化、市民ニーズの多様化、自然災害や感染症対応など、行政を取り巻く環境の変化を背景に、安定的かつ質の高い行政サービスを提供するため「DX推進計画」を策定し、フルデジタルの市役所の実現を目指している。
この計画の基本理念は、デジタル技術を活用しつつも「人を中心とした行政運営」を進める点にあり、デジタルで代替できる業務は効率化し、その分の人的リソースを政策立案や、丁寧な対応が求められる市民サービスへ振り向けることを重視している。
⭕️計画の期間とロードマップ
DX推進計画は令和6年度から令和8年度までの3年間を「集中改革期間」と位置づけ、窓口サービスの見直し、業務効率化、DX人材の確保・育成など、フルデジタル市役所の基盤整備を集中的に実施する。その後、令和12年度までを「高度化期間」とし、段階的に取り組みを発展させていく構想である。
⭕️主な取組内容
① 窓口サービスの改革
「書かない窓口」を導入し、マイナンバーカードを活用して申請書を自動作成する仕組みを区役所5か所に導入。来庁前にスマートフォンで入力し、来庁後は印刷のみで済む仕組みも整備されている。
また、転入手続きなどの実体験調査を行い、従来90~100分以上かかっていた手続きを、より短時間で完結できるよう改善を進めている。
② オンライン手続きの拡充
申請件数の多い100手続きを対象に、令和8年度までのオンライン化を目標としており、すでに45手続きがオンライン対応済み。専門部署(BPR推進課)が各課を伴走支援し、業務改善と一体でオンライン化を進めている。
③ 庁内業務のデジタルシフト・ペーパーレス化
電子決裁の原則化、職員用モバイル端末の更新、会議資料の完全デジタル化などを進め、印刷用紙の購入量を計画期間中に50%削減する目標を掲げている。令和6年度時点で10%削減を達成し、令和7年度現時点では40%削減を達成している。
④ 業務集約による効率化
障害福祉関連事務や証明書発行事務、給与事務など、定型業務を集約する「事務センター化」を進め、区役所や各部署の負担軽減と業務の標準化を図っている。
⑤ データ利活用とオープンデータ推進
市が保有するデータをオープンデータとして公開し、民間や地域による活用を促進。人口動態や人流データの可視化、公共交通データの活用、イベント時の人流分析など、まちづくりや地域経済に生かされている。
⑥ 誰一人取り残さないデジタル化
デジタルに不慣れな方や高齢者、外国人、市民の多様な状況に配慮し、区役所で「もりのみやこスマホ相談室」を開設。デジタルで生まれた余力を対面支援に充てることも重要な柱としている。
⑦ DX人材の確保・育成
市長を補佐するCDO補佐官(日本銀行)、民間企業(NTT東日本)からの専門人材派遣、情報アドバイザーの活用など外部人材を積極的に登用。
また、情報職の新設や、全職員向けDX研修、業務改善型研修、デジタルスキルの「見える化」にも取り組んでいる。
⭐️視察を通じて
仙台市のDX推進は、単なるICT導入ではなく、業務改革・人材育成・市民サービス向上を一体で進める実践的な行政改革であることが確認できた。
市民の声を改善につなげる「デジタル改善目安箱」など、現場発の改革を重視する姿勢も特徴的であり、今後の本市のDX政策を検討する上で、多くの示唆を得る視察となった。

