2025年日本中部地方訪中団交流会(主催:中華人民共和国駐名古屋総領事館)
本日(12/21)、ホテルオークラレストラン名古屋 桃花林「光の間」にて、交流会が開催されました。
1部は小島康誉先生の講演と各青年交流団の報告
2部は懇親会
⭕️小島康誉氏 講演概要
佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表であり、中国新疆ウイグル自治区人民政府文化顧問を務める小島康誉氏は、長年にわたる中国研究と現地調査の経験をもとに、新疆ウイグル自治区の歴史・文化・発展の歩みについて講演されました。
新疆ウイグル自治区は中国国土の約6分の1を占め、古来よりシルクロードの要衝として東西文化が交わる重要な地域です。1955年の自治区成立から70年を迎え、交通インフラ、都市整備、教育、医療、産業などが大きく発展してきました。鉄道や空港網の整備、砂漠の緑化、再生可能エネルギーの導入など、現在も変化と発展が続いています。
小島氏は、発掘調査や学術交流を通じて明らかになった古代文明の価値を紹介するとともに、文化遺産を尊重しながら人材育成や地域支援を進める取り組みの重要性を強調されました。こうした地道な交流が、相互理解と信頼関係の礎になると述べられました。
現在、日中関係は必ずしも平坦ではありません。しかし小島氏は、「隣国の歴史や文化を正しく知り、尊敬し合うことが、未来の安定と友好につながる」と語られました。政治や外交の枠を超え、人と人、文化と文化の交流を積み重ねることこそが、日中双方にとって大切であるというメッセージが強く印象に残る講演でした。
⭕️日中友好大学訪中団の報告
2025年11月、青年訪中団は約6日間の日程で中国を訪問しました。参加者が現地で目の当たりにしたのは、想像をはるかに超えるスピードで進む中国社会の現在と未来の姿でした。
北京では、街中を走るレベル4の無人自動運転タクシーや、高速鉄道の快適性、没入型デジタル映像など、最先端技術がすでに日常に溶け込んでいる現状を体感しました。アリババ本社では、都市全体の暮らしを支えるデータ活用の仕組みを学び、地域や社会の未来を考える上で大きな示唆を得ました。
一方で、今回の訪問で最も意義深かったのは、中国社会科学院の研究者との意見交換です。人口減少や少子高齢化、クリーンエネルギーへの転換など、日中両国が共通して直面する課題について率直な議論が交わされました。報道だけでは見えにくい中国側の考え方や背景を直接聞くことで、多角的に物事を捉える重要性を実感しました。
また、雲南省では少数民族が共に暮らす地域や小学校を訪問し、多文化共生が日常として根付いている姿を学びました。初めての海外、初めての中国という参加者も多く、不安を抱きながらの出発でしたが、現地の人々の温かさや細やかな配慮に触れ、持っていた先入観が大きく変わったとの声が多く聞かれました。
学生一人ひとりが「自分の目で見て、肌で感じること」の大切さを実感し、人と人との直接の交流こそが相互理解を深める確かな力になると確認できた訪中でした。今回の経験は、参加者にとって将来にわたる大きな財産であり、今後の日中友好と地域交流を考える上で貴重な一歩となりました。
三重県の大学生・高校生による訪中団は、中国の歴史、文化、そして現代社会を学ぶことを目的に中国を訪問しました。参加者の多くにとって初めての海外、初めての中国であり、出発前は不安や緊張もありましたが、現地での体験を通じて大きな学びと成長を得る訪問となりました。
現地では、大学や学校の視察、学生同士の交流、街並みや文化施設の見学を行い、中国の若者たちが将来への希望や目標を持ち、熱心に学んでいる姿に強い刺激を受けました。言葉や文化の違いがある中でも、同世代同士の交流は自然に広がり、笑顔やジェスチャーを通じて心が通じ合う場面が多く見られました。
また、中国の都市の規模や発展のスピード、公共交通の利便性、デジタル技術が生活に根付いている様子に驚くと同時に、日本との共通点や違いについて考える貴重な機会となりました。歴史的建造物と近代的な都市景観が共存する姿から、中国が伝統を大切にしながら発展していることも実感しました。
今回の訪中を通じて、参加した学生たちは「報道やイメージだけで国を判断するのではなく、自分の目で見て、直接話すことの大切さ」を学びました。隣国である中国を正しく知り、互いの文化や考え方を尊重することが、将来の日中関係を築く第一歩であると感じたとの声が多く聞かれました。
この訪問で得た経験は、学生一人ひとりにとってかけがえのない財産であり、今後、地域や社会、国際交流の場で生かされていくことが期待されます。
⭕️青年交流訪中団報告を受けて
岡崎 温氏・川村範行氏 感想
各青年交流訪中団の報告を受け、日中友好協会副会長の岡崎温氏、日中関係学会副会長の川村範行氏から、それぞれ貴重な感想が述べられました。
岡崎氏は、現在の日中関係が厳しい状況にある中で、このような交流の場が設けられたこと自体に深い感謝と敬意を表されました。自身も1980~90年代に小島康誉氏の案内で新疆ウイグル自治区を訪れた経験を振り返り、今回の映像や報告から、現地が当時とは比べものにならないほど発展していることに強い驚きを示されました。日本の報道だけでは伝わらない現実があることを指摘し、今後も実際に現地を訪れ、理解を深めることの重要性を強調されました。青年たちが多くの成果と気づきを持ち帰ったことを高く評価し、草の根交流こそが日中関係を支える力になると期待を寄せられました。
続いて川村氏は、日中関係が対立的な局面にある今だからこそ、世代や立場を超えて交流できる今回の場が極めて貴重であると述べられました。特に若い世代が「百聞は一見にしかず」の言葉どおり、自分の目で中国を見て、肌で感じた体験の意義を強調されました。自身の記者経験を踏まえ、日本の中国報道には偏りや一面的な見方が少なくないと指摘し、若者たちが実体験をもとに周囲へ伝えていく役割を担ってほしいと訴えられました。
また川村氏は、日中関係学会としても、現在の対立状況を憂慮し、両国政府に関係改善を求める声明を発表してきたことに触れ、理性的で冷静な声を社会に広げていくことの重要性を語られました。小島康誉氏の長年にわたる文化・学術交流の功績にも敬意を示し、今回の青年交流を通じて、将来の日中関係の「架け橋」となる人材が育つことへの大きな期待を述べられました。
お二人の言葉からは、政治情勢に左右されない人と人との交流、そして若い世代の役割への強い信頼と希望が感じられ、交流会全体を締めくくるにふさわしいメッセージとなりました。
2部 懇親会
中国駐名古屋総領事 楊嫻氏 開催挨拶
楊嫻・中国駐名古屋総領事は、本交流会の開催にあたり、主催者および関係者への感謝を述べるとともに、青年世代を中心とした日中交流が着実に続けられていることを高く評価されました。参加者の報告から、中国を実際に訪れ、自分の目で見て体験した率直な感想が語られたことに、深い意義を感じていると述べられました。
総領事は、現在の日中関係が決して容易ではない状況にあることに触れつつも、こうした時代だからこそ、草の根の交流や青年交流が一層重要になると強調されました。報道や先入観だけではなく、実際の交流を通じて相互理解を深めることが、両国関係の安定と発展につながるとの考えを示されました。
また、1972年の日中国交正常化に言及し、その原点には相互尊重と対話の精神があったことを改めて確認する必要があると述べられました。特に名古屋は、過去にスポーツ交流などを通じて国際交流の歴史を築いてきた都市であり、日中友好の流れの中で重要な役割を果たしてきたことを紹介されました。
楊総領事は、若い世代が今回の訪中や交流で得た体験を、ぜひ周囲の人々に伝え、日中の架け橋となってほしいと期待を寄せられました。歴史を正しく振り返り、理性的で冷静な対話を積み重ねていくことが、未来志向の日中関係を築く力になるとし、今後も交流と協力を進めていきたいとの意欲を表明され、挨拶を締めくくられました。








