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一宮市議会議員 しばた雄二 今日も元気で

議会における政策づくりのポイント

2025年10月29日

第4講義 中央大学教授 磯崎初仁先生
1. 政策の「多角的評価」と「代替案提示」の視点
単に首長提案の予算や条例を「チェック」するに留まらず、議会独自の視点を持つことが求められます。
政策の基礎的視点による評価:
「効率性」(コストパフォーマンスはどうか)
「公平性」(誰が利益を得て、誰が負担を負うのか)
「有効性」(目的を達成できるか)
「民主的妥当性」(市民の多様な意見を反映しているか)
といった公共政策の基本的な物差しで提案された政策を評価します。
代替案の提示:現状の課題解決のために、行政が提案した政策以外にどのような選択肢(代替案)があるのかを検討し、具体的に議論の場で提示できる能力が重要です。
2. 「条例」を通じた政策形成の実践
議会による政策立案の究極的な手段が「条例制定(議員提案)」です。
「立法事実」の明確化:条例を提案する際は、「なぜその条例が必要なのか」「どのような課題を解決したいのか」という**政策上の根拠(立法事実)**を明確に示すことが政策立案の出発点です。
「法務能力」の習得:政策を実現するためには、その内容が法令遵守しているか、他の条例との整合性が取れているか、文体や規定に不備がないかといった、政策法務の視点が必要です。
実効性の担保:理念的な条例だけでなく、具体的な手続きや罰則、予算措置など、政策が現場で実行され、成果を生むための条項を含めることが重要です。
3. 「調査機能」と「議会報告会」の活用
政策立案の裏付けとなる情報収集・分析と、市民との対話を強化します。
専門的・継続的な調査研究:特定の政策課題について、専門家や他自治体の事例を調査したり、住民意識調査を実施したりするなど、体系的かつ継続的な調査研究を行うことが、質の高い政策の基盤となります。
政策論点(アジェンダ)の共有:議会で議論すべき重要課題や政策論点を、議会報告会などを通じて住民と共有し、議論を深めることで、政策立案の正当性と実効性を高めます。
4. 議会運営の改革
政策立案に集中し、議論の質を高めるための議会内部の環境整備も重要です。
委員会機能の強化:実質的な政策議論は委員会で行われるため、委員会の審査時間、調査権限、専門的助言の活用などを強化し、議論の専門性と深さを増す必要があります。
「政策討論」の導入:単なる行政への「質問」ではなく、議員同士が政策の是非や代替案について**徹底的に意見を戦わせる「政策討論」**の場を設けることが、政策づくりの質的向上に不可欠です。

政治不信を打破するために。〜大山玲子教授の講演から学ぶ、議会改革の第一歩〜

2025年10月29日

10/29 第3講義 
駒澤大学名誉教授である大山玲子先生による大変貴重な第3講義「議会や制度の改革の第一歩」を受講いたしました。
「政治不信」「成り手不足」「議会不要論」。これらは、私たちが今直面している民主主義の危機を示す、あまりにも重い言葉です。議員の一員として、この危機にどう立ち向かうべきか、その答えを探るべく、深く学ばせていただきました。
1. 議会が失っている「多様性」と「信頼」
大山先生の講義で突きつけられたのは、今の地方議会が抱える構造的な課題です。
議会が市民の信頼を得られない原因は、主に以下の3点に集約されます。
代表性の欠如: 女性や若者、給与所得者など、多様な立場の方が意思決定の場にいない。
意見の未反映: 代表が選出されていても、市民の意見が政策決定に反映されていないと感じられている。
活動の不可視性: 議会が何をしているのか、市民の目に見えない。
これらの課題が、深刻ななり手不足と無投票当選の増加を招き、「住民から遠い議会」という悪循環を生み出しています。
2. 議会改革の鍵は「有権者の政治参加」
この悪循環を断ち切り、議会を真に再生させるための鍵は何でしょうか。
それは、多様な立場の意見を反映すること、そして多様な方が意思決定の場にいることを両立させることです。
しかし、その根幹にあるのは、私たち議員の努力だけではありません。それは、有権者一人ひとりが、この国やこの地域の未来をどのように創出していくかに関心を抱き、積極的に行動していただくことが最重要であると、強く認識いたしました。
有権者の方々が政治への関心を深め、積極的に行動してくださって初めて、多様な意見が議会に届き、結果として多様な立候補者が増え、意思決定の場に席を埋めていただける。この理想像こそ、私たちが目指すべき地点です。
3. 「理想像」を実現するための議員の決意
「現実は、そんな理想像をめざし、議員が率先して行動していることが必要」—大山先生の言葉を胸に刻み、私は以下の行動を強化していくことを決意いたしました。
1. 議会の「応答性」を強化する
議員同士の争点や討論を活発化させます。同じ会派、同じ属性の議員同士で「そうだね」と頷き合うだけでなく、異なる意見をぶつけ合い、深く掘り下げた議論を行うことが、議会の存在意義です。
そして、その議論の過程と結果を、ただ報告するだけでなく、デジタルツールなども活用しながら市民の皆様と「共有」していきます。議会が市民の意見にしっかりと「応答」している姿勢を明確にすることで、「議会は何をやっているかわからない」という不信感を払拭します。
2. 「多様な候補者」が生まれる土壌を作る
女性や若者など、今まで立候補をためらってきた方が一歩を踏み出せるよう、議会内の環境整備に率先して取り組みます。ハラスメント対策の徹底、子育てや仕事を両立できる活動環境の整備など、「多様性」を議会内に取り込むための具体的な行動を推進します。
4. 議員と共に未来を創るパートナーへ
議会改革、そしてこの地域の未来を創る取り組みは、私たち議員だけでは成し遂げられません。
「この国やこの地域の未来をどのように創出していくか」という問いは、私たち議員だけでなく、有権者一人ひとりへの問いでもあります。
ぜひ、私たちが活発化させる議会の議論に、積極的に目を向けてください。そして、ご自身の一票、そしてご意見という形で、この地域の未来を共に創るパートナーとして、行動にご参加ください。
議員一同、皆様の信頼に応えられるよう、この決意を胸に、率先して行動してまいります。

第25期 自治体政策講座 in 東京3を受講

2025年10月29日

第1講座 「監査する視点からのDX推進とは」
紺野 卓 日本大学商学部 教授
DX推進にともなう監査の重要性:紺野卓教授の研究から紺野教授の主要な研究テーマや論文(特に「地方創生SDGsと内部監査機能の必要性の研究-自治体DXの進展およびSDGs債の検討を通じて-」など)に基づき、DX推進期における監査の視点と重要性を整理します。1. 監査の役割:DXリスクへの対応とガバナンス強化DXは単なる業務のデジタル化ではなく、組織の変革を伴います。この変革期において、監査は新たなリスクに対応し、自治体のガバナンス(統治)を確保する上で決定的な役割を果たします。DX推進にともなう主なリスク監査による対応と重要性セキュリティ・プライバシーリスクデータ漏洩、システムダウン、サイバー攻撃などへの対策(技術的な統制)が適切かを確認し、住民の信頼を守る。透明性の低下AIやアルゴリズムの利用がブラックボックス化することで、意思決定過程の**アカウンタビリティ(説明責任)**が果たせるかをチェックする。投資の効率性多額の予算を投じるDX関連事業が、真に住民サービス向上や行政効率化に貢献しているか、費用対効果を検証する。法令・規定の遅れ新しいデジタル技術の利用に際し、既存の条例や規約が適切に対応できているかを検証する。2. 地方自治体における内部監査機能の必要性企業会計を専門とする教授は、特に地方公共団体(自治体)において、内部監査機能を強化することの重要性を指摘しています。これは、従来の監査委員による外部監査だけではカバーしきれない、DX時代の複雑なリスクに対応するためです。内部統制の評価と改善:地方自治法に基づき導入が進む内部統制制度(事務の適正を確保するための仕組み)の自己評価(評価報告書)は、その有効性が課題とされています。監査は、この内部統制がDX環境下で機能しているかを客観的に評価し、継続的な改善を促す役割を担います。「守り」から「攻め」への変革支援:内部監査は、単に不正を防ぐ「守り」だけでなく、DXやSDGsといった「攻め」の政策が、効率的かつ効果的に実行されているかを支援する機能として位置づけられます。具体的には、地方創生SDGsの達成目標とデジタル政策が結びついているかを検証し、政策実現をサポートします。3. 自治体議会が「監査の視点」を持つ意義自治体の意思決定機関である議会が、DX推進において監査の視点を持つことは、住民の主権と利益を守る上で不可欠です。予算執行のチェック:DX関連の予算案や事業計画に対し、「その投資が将来にわたって住民に最大のリターンをもたらすか」「リスク管理は十分か」という監査視点での質疑を行う。アカウンタビリティの確保:デジタル化された行政サービスやデータ利用について、住民への情報公開のあり方を常に問い、説明責任を徹底させる。DX推進のバランス:行政の効率化(内部)と住民サービスの向上(外部)というDXの二つの側面が、住民目線でバランス良く進められているかを監視する。紺野教授の研究は、DX時代において、監査が単なる過去のチェックではなく、自治体の未来と持続可能性(SDGs)を確保するための羅針盤であることを示唆しています。
第2講義 「コメを守れ・地域を守れ」
山田 正彦氏 弁護士・元農林水産大臣
オーガニック農業への第一歩:未来の食卓と地域を守るために
先日の元農林水産大臣・山田正彦先生の講演「コメを守れ・地域を守れ」をお聞きし、日本の食料、農業、そして未来の食卓について、皆さんと深く考える機会を得ました。
特に、私たちの関心を強く引いたのは、食料の安全保障と地域の活性化に深く関わるオーガニック農業の可能性です。
なぜ今、オーガニック農業なのか?
山田先生の講演では、食料自給率の課題や、農薬・化学物質が子どもたちの健康(特に発達障害との関連)に与える懸念など、目を背けられない現実が示されました。
しかし、同時に希望も見えました。それは、学校給食へのオーガニック食材の導入を推進する全国的な動きや、自治体レベルでの種子条例・給食条例の制定といった、地域から国を動かす具体的な取り組みです。
子どもたちの健康を守る:農薬や化学物質の使用を減らすことは、次世代の健康を守るための重要な一歩です。
地域の活性化と食の安全保障:地域の農家がオーガニックに取り組むことで、農地が守られ、環境負荷の少ない持続可能な農業が実現します。これは、輸入に頼らない、いざという時の食料安全保障にも直結します。
世界の潮流への対応:農水省も2050年までに有機農地を25%に引き上げる「みどりの食料システム戦略」を掲げており、この流れは不可逆的です。
オーガニック農業の「今」を調査し、発信へ
私たちは、この大きな時代の変化の中で、オーガニック農業が持つ可能性、そして私たちが地域でできることを深く掘り下げていきたいと考えています。
今後の調査テーマとして、
実現に向けた課題と成功事例:有機農業への転換を阻む要因と、それを乗り越えて成功している国内外の農家や自治体の事例。
地域での具体的なアクション:自治体条例、学校給食、消費者と生産者の連携など、地域レベルでオーガニックを広げる具体的な方法。
経済的な側面:有機農業のコスト、収益性、そして消費者が適正な価格でオーガニック食材を手に入れるための仕組み。
✨ 未来の食卓を「地域から」変える
「農家が食べていけないのは当たり前」という現状を変え、農家も消費者も安心できる持続可能な食料システムを構築することは可能です。そのカギの一つが、間違いなくオーガニック農業と、それを支える地域コミュニティの力です。
皆さんのご意見や地域での取り組み事例も、ぜひお寄せください!

モンゴル・ハーンを鑑賞‼️

2025年10月26日

「モンゴル・ハーン」のストーリーは、約2000年前のモンゴル帝国を舞台に、王位継承をめぐる陰謀と、すり替えられた2人の王子を中心に展開する壮大な物語です。王の血を引かない子が偽りの王子として戴冠され、王国が混乱と悲劇に見舞われる中で、真の王子が王座を奪還しようとする物語が描かれています。
ストーリーの概要
背景: 舞台は2000年前の古代モンゴル帝国です。
王位継承の争い: 支配者アルチュグ・ハーンの2人の王妃に王子が誕生しますが、一人は王の血を引かない不貞の子です。
陰謀と策略: 王の側近であるエグレグは、自分の子の正当性を守るため、王位を巡る決闘を操作し、二人の王子をこっそり入れ替えます。
偽りの戴冠: この策略により、偽りの王子が正統な後継者として戴冠し、王国は混乱に陥ります。
真実と復讐: 真の王子が王座を奪還しようとしますが、復讐に燃える男が立ちはだかります。
結末: 血塗られた権力闘争の果てに、誰が生き残るのかが物語の鍵となります。
特徴
歴史劇: この物語は、愛、裏切り、復讐、王権をめぐる壮大な叙事詩です。
フィクション: 実際の歴史ではなく、紀元前3世紀から紀元後1世紀にモンゴル高原に勢力を持っていた遊牧民族「フンヌ」をモデルにしたフィクションです。
モンゴル発の舞台: モンゴル発の舞台作品であり、モンゴルの伝統文化と現代的な演出が融合したスペクタクルな内容です。

心と心で結ぶ未来へ:第18回日中友好交流会議を終えて

2025年10月20日

心と心で結ぶ未来へ:第18回日中友好交流会議を終えて
10月19日・20日の2日間にわたり、茨城県日立市で開催されました「第18回日中友好交流会議」が無事閉幕いたしました。中国人民対外友好協会、中国日本友好協会の皆様50名超と、全国から集まった日本の友好協会の皆様123名が一堂に会し、大変有意義な時間を過ごすことができました。
皆様もご存知の通り、現在の日本と中国の関係は、尖閣諸島をめぐる問題や新型コロナウイルスの世界的な拡大後の対立の潮流など、厳しい局面にあります。国と国との関係は、国益や経済競争など多くの要素が絡み合い、良好な関係を維持することが難しい場合もあります。
しかし、今回の会議で改めて確信したのは、「民間交流」の持つ大きな力です。
会議では「地方都市間の新しい交流」を全体テーマに掲げ、
1.地域間相互連携
2. 継承と創新
3.若者の活躍
4.文化・スポーツ
の4つのテーマで分科会が開催され、各地の具体的な取り組み事例が紹介されました。
私たちは、国益や政治の壁を越え、心と心との繋がりを基盤とした民間交流であれば、「小粒かもしれませんが、多くの花を咲かせること」ができると信じています。
会議終了後に採択された「共同宣言」では、第二次世界大戦終結80周年という歴史的な節目に際し、過去を真摯に受け止め、平和で友好的な関係を次世代に引き継いでいくことの重要性が確認されました。また、「パンデミック後の交流の本格再開の機会を捉え、これまで以上に幅広く大規模な交流活動を通じて、直接的な体験を積み重ねていく必要がある」との認識で一致し、様々な地域や分野を越えた「体験型交流」の実践を推進していくことが宣言されています。
今回の会議は、まさにこの「体験型交流」の第一歩であり、新しい交流のあり方を模索し、将来の実践に向けた展望を共有する場となりました。
今日この日、日立市で出会ったすべての皆様とのご縁を大切にし、私たち一人ひとりが民間交流の担い手として、一層、日中間の和平と両国民の幸せのために尽力していくことを強く決意しています。
引き続き、皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。

戦後80年。平和への誓いを新たにした日 〜一宮市戦没者追悼式に参加して〜

2025年10月18日

 本日10月18日、一宮市において「平和祈念事業・一宮市戦没者追悼式」が挙行されました。14:00からの式典に参列し、戦後80年という節目の年に、改めて平和の尊さと、私たちが未来へつなぐべき使命について深く考える一日となりました。
 会場となった尾西信金ホール(一宮市木曽川文化会館)は、午後1時30分の開場から多くの方が訪れ、厳粛な雰囲気に包まれました。
 多くの犠牲の上に成り立つ「今」
式典は、開式に続き、参加者全員による黙とうから始まりました。静寂の中で目を閉じ、過去の戦争で命を落とされた方々に深く哀悼の意を表しました。
 私たちが享受している今日の発展と繁栄は、まさしく多くの尊い犠牲の上に成り立っているものです。この事実を深く自覚し、決して風化させてはならないという思いを新たにしました。
 式辞、追悼のことば、来賓あいさつ、そして献花と続いた式典は、私たち一人ひとりの心に「平和への誓い」を力強く刻みつけました。
未来へつなぐ平和のメッセージ
特に心打たれたのは、未来を担う世代からの発表でした。
 小中学生による「平和を考える作文」の表彰と朗読 純粋な目線で綴られた作文は、戦争の悲惨さ、そして平和な日常への感謝を鮮やかに描き出していました。ロビーに掲示された入賞作品も拝見しましたが、彼らの真剣な「平和を求める心」に深く感動しました。
 中学生未来リーダー育成塾沖縄宿泊学習の平和に関する報告 この報告は本当に素晴らしかったです。彼らは沖縄で、対馬丸の悲劇や、沖縄戦の激戦地である嘉数高地での出来事など、戦争の生々しい現実と向き合った経験を、真摯な言葉で語ってくれました。
 未来の偉大な青年である彼らが、戦争の悲惨さと傷ましさを肌で感じ、それを伝えることの必要性と重要性を痛感している姿に、胸が熱くなりました。彼らこそが、「平和の砦」を築く希望なのだと感じました。
人間の心に「平和の砦」を築く
戦後80年が経ちますが、戦争は究極的には「人間」が起こす惨禍です。
 今回、式典を通じて改めて考えたのは、「人間の心の中にいかに頑丈な平和の砦を築くか」ということです。
 裏切りや迫害、批判、中傷。社会には必ず存在するこうした逆境を乗り越え、たとえ最大の敵であっても味方に変えていくような、「強靭な包摂心」を私たち大人が鍛え、示すことが必要だと強く思いました。
 ロビーでは、原爆被災写真などのパネル展示も行われており、目を背けたくなるような現実が、改めて私たちに平和の貴さを訴えかけていました。
 この追悼式での深い学びと感動を胸に、私たちは決して過去を忘れず、平和な未来のために何ができるのかを考え続けなければなりません。
一宮市戦没者追悼式に関わられた全ての皆様に心より感謝申し上げます。

徳島県神山町 「地方創生の聖地」を視察

2025年10月16日

1. 視察概要
1.1 視察目的
本視察は、「地方創生の聖地」として知られる徳島県神山町が、深刻な過疎化に直面しながらも、「創造的過疎」の哲学を掲げ、どのようにして「社会増(人口増)」という奇跡的なV字回復を達成したのか、その戦略と実現メカニズムを深く学び、地方自治体や地域再生施策への応用可能性を探ることを目的とする。特に、NPO法人グリーンバレーによる戦略、IT企業誘致、若者の定住・関係人口の増加策について、集中的に調査した。
1. 神山町の現状と「創造的過疎」の哲学
1.1 深刻な過疎化の背景とデータ
神山町は、1955年のピーク時に約2万人を数えた住民が、視察時点(R7年3月1日)で4,623人と、4分の1以下に激減している。町の状況は、以下のデータが示す通り、極めて深刻な過疎地域である。
人口: 4,623人(R7年3月1日時点)
高齢化率: 52.3%(全国平均を大幅に上回る)
面積: 173.3k㎡、森林面積86%
主要産業は農林業(梅、しいたけ、すだちなど)であり、地理的にも山間地域である。この厳しい現実に対し、単なる「人口減少の食い止め」ではない、独自の哲学に基づく戦略が求められた。
1.2 「創造的過疎」の哲学
神山町の成功の鍵は、過疎の現実を否定するのではなく、「過疎を受け入れ、前向きに楽しむ」という独自の「創造的過疎」の哲学を確立した点にある。これは、「単に人口を増やす」ことを目指すのではなく、「町にとって必要な新しい価値を創造できる人」を意図的に誘致することに焦点を当てた、極めて戦略的なアプローチである。
この哲学は、認定NPO法人グリーンバレーの活動ミッションに明確に反映されており、「アート」「サテライトオフィス誘致」「移住・交流支援」など、多岐にわたる活動が有機的に連携している。その根底には、「よそ者の力」を積極的に触媒として活用し、地域の資源(空き家、自然、文化)に新しい価値を与え、地域住民との協働を通じて町全体をアップデートしていくという強い意志が存在する。
2. 「創造的過疎」を実現した戦略的基盤
神山町の奇跡的な展開は、単なるアイデアやブームで終わらず、明確な戦略とインフラ投資によって支えられている。
2.1 決定的な先行投資:光ファイバー網の整備
創造的過疎戦略の物理的な基盤となったのは、2000年代初頭に過疎地域としては異例の早さで完了した町全域への光ファイバー網(高速インターネット)の整備(2004年度)である。
この先行投資は、後に展開されるサテライトオフィス誘致戦略において決定的な競争優位性をもたらした。物理的な距離を情報通信技術で克服し、「働く場所を自由に選べる人々」(IT企業やクリエイティブ人材)を誘致するための大前提を築いたと言える。
2.2 「開かれた町」を創出したアート戦略
創造的過疎の思想を住民の意識レベルに浸透させるための初期戦略が、1999年に始まった「神山アーティスト・イン・レジデンス(KAIR)」である。
「よそ者」への免疫: KAIRは、国内外のアーティストを招聘し、一定期間滞在させることで、住民が「多様な価値観を持ったよそ者」と日常的に接し、交流する機会を提供した。
意識改革の触媒: これにより、地域社会に「よそ者のアイデアや視点を許容する」という心理的な土壌が醸成された。この「開かれた町」の土壌こそが、その後のサテライトオフィス誘致や移住者受け入れにおける住民側の心理的障壁を大幅に低減させることに成功した。アートは経済効果を生むというより、社会変革の触媒として機能したのである。
3. 関係人口創出と移住促進の具体的なメカニズム
光ファイバーとアートによる土壌整備を経て、神山町は「仕事」と「生活」を統合した具体的な移住・定住促進の仕組みを構築した。
3.1 サテライトオフィス誘致と「ワーク・イン・レジデンス」
サテライトオフィス誘致戦略は、神山町の社会増の直接的なエンジンである。
ターゲット選定の明確さ: 誘致のターゲットを「働く場所を自由に選べる人」(IT企業、デザイナー、クリエイターなど)に絞り込んだ。
「オフィス・イン神山」の設立(2010年): 廃校や空き家などの地域資源をリノベーションし、すぐに事業が開始できる環境(オフィス)を整備し提供した。
企業選定の基準: 単なる企業誘致数ではなく、地域社会との協働や交流に意欲的な企業を厳選し、町への定着と貢献を促した(例:アカツキ、さくらインターネット、LITALICOなど)。
ワーク・イン・レジデンス(2008年): KAIRを発展させ、働く場所を自由に選べる人々が一定期間地域に滞在し、働きながら生活を体験する仕組みを導入。これは「関係人口」を「移住予備軍」へとスムーズに移行させるための極めて重要なステップとなった。
3.2 空き家活用と「地域による職種の逆指名」
移住支援においては、NPOグリーンバレーが移住交流支援センターを受託し、空き家情報と移住希望者情報を公的に集約する体制(2007年)を整備し、ミスマッチを防ぐことに注力した。
中でも、神山町の移住支援の独自性を象徴するのが「地域が職種を逆指名する移住策」である。
戦略的募集: 「パン屋さん、開業しませんか?」「デザイナーさん、いらっしゃい!」といったように、町に足りない機能や将来的に必要となる職種の人材を、地域側から能動的に募集・指名するという手法を採用した。
質の高い移住者の確保: この手法により、単なる「田舎暮らし志向」ではない、地域の課題解決や新しい価値創造に貢献できるスキルを持った人材をピンポイントで確保することに成功した。これは、移住後の高い定着率と地域への貢献度につながっている。
4. 未来への投資:神山まるごと高専の役割
今回の視察では、個人的にご関心の高かった「神山まるごと高専」についての現地レクチャーが少なかったものの、事前資料で学習した内容に基づき、この高専が神山町の「創造的過疎」の次のフェーズにおいて果たす役割について考察する。
4.1 「自立的な未来創造」の担い手育成
神山まるごと高専(2023年開校)は、サテライトオフィス誘致で生み出した「仕事」と「人の流れ」を「持続可能な文化」へと昇華させるための、未来への決定的な投資と位置づけられる。
教育の理念: ミッションである「つくる人を、つくる。」の通り、テクノロジーとデザインを軸に、地域や社会の課題を自力で解決できる起業家精神を持った人材を育成することを目指している。これは、地域のIT・クリエイティブ産業と連携し、地域に未来の担い手を供給し続けるための重要なインフラとなる。
地域ブランドの強化: 高専の存在は、神山町が単なる「過疎からの復興地域」ではなく、「未来を創造する教育と仕事が集積する町」としてのブランドイメージを確固たるものにする。生徒・教職員は新たな「超・関係人口」となり、地域の学校や世代に刺激を与える。
4.2 独創的な資金調達モデル
事前学習で確認した高専の資金調達モデルは、地方における教育機関設立の資金課題に対する新しい解決策を示している。
基金運用益モデル: 設立・運営資金の調達において、企業や個人からの寄付を集め、その運用益で学校運営費や全学生の学費実質無償化を賄うという、持続性の高い手法を中核としている(例:宮田昇始スタートアップ基金など)。
企業版ふるさと納税の積極活用: 開校資金の補填手段として、企業版ふるさと納税を活用し、複数企業から資金を集めている。
これは、従来の公的資金依存ではない、民間の熱意と資金力を未来の教育に結集させる、神山町の自由な発想とネットワーク力を象徴している。現地レクチャーが少なかった分、この資金調達の独創性と教育哲学こそが、神山町の長期戦略の最も重要な要素の一つとして認識されるべきである。
5. 視察の総括と今後の示唆
5.1 視察総括:「熱意」と「戦略」の結合
14日の視察を通じて、神山町の「社会増」という奇跡は、以下の要素が段階的かつ有機的に結合した結果であることが明確に理解された。
哲学の確立: 「過疎」を単なる問題ではなく、「創造」のチャンスと捉える「創造的過疎」の哲学。
戦略的先行投資: IT企業誘致を見越した光ファイバー網の早期整備。
意識改革: アート(KAIR)を触媒とし、「よそ者」を受け入れる住民の心理的な土壌作り。
仕組み化: サテライトオフィスや職種の「逆指名」など、課題解決に直結する質の高い移住者を確保するための具体的な仕組み。
未来への投資: 神山まるごと高専による、地域が求める次世代の担い手の育成。
この成功は、住民の「熱」という土台の上に、NPOグリーンバレーという「実行部隊」が戦略的に仕掛けを施し、行政がインフラで支えるという、明確な役割分担によって達成されたと言える。
5.2 地方創生への応用可能性と今後の示唆
神山町の事例から、私たちが学ぶべきは、単なるIT誘致ではなく、地域の現状とポテンシャルを深く見極めた上での「哲学の確立」と「実行力の担保」である。
哲学の確立: 地方創生は人口増のみを目的とせず、「どのような町にしたいか」「どのような人材が必要か」を逆算して考える、「逆指名」の思想を持つべきである。
実行の担保: 神山町におけるNPOグリーンバレーのように、行政では手の届きにくい領域を担い、柔軟かつ迅速に戦略を実行できる民間のキーパーソン(と組織)の育成・支援が不可欠である。

乳がん撲滅へ!ピンクリボン街頭活動に参加しました

2025年10月12日

 こんにちは、しばた雄二です。 秋風が心地よい季節になりましたね
さて、先日「ピンクリボン街頭活動」に参加してきました! これは、乳がんの早期発見・早期治療の大切さを呼びかける啓発運動で、全国の公明党地方議員が地道に取り組んでいる活動です。
 乳がんは、女性特有のがんのひとつ。 でも、早く見つけて治療すれば、90%以上が治ると言われています。 それなのに、検診を受けていない方がまだまだ多いのが現状です。
だからこそ、こうした街頭での呼びかけが大切なんです。 「検診、受けてみようかな」 そんな小さな気づきが、大切な命を守るきっかけになります。
 街頭では、通りがかりの方にチラシをお渡ししながら、 「乳がん検診、受けていますか?」と声をかけさせていただきました。 皆さんの反応も温かく、「知らなかった」「ありがとう」と言ってくださる方もいて、励みになりました。
 地味な活動かもしれませんが、こうした一歩一歩が地域の安心につながると信じています。 これからも、命を守る取り組みをコツコツ続けていきます!
 ぜひ皆さんも、乳がん検診について考えてみてくださいね

音楽と映像が導く「地球のステージ<特別編>」:希望は自分の中に

2025年10月7日

本日、民音文化講演会で桑山紀彦氏による**『地球のステージ<特別編>』を観賞しました。今回の特別編は、今の世界情勢を深く見つめ、私たち一人ひとりの「生き方」**に問いかける、非常に示唆に富んだプログラムでした。
紛争の最前線から届く「生の叫び」と「希望」
今回の特別編では、特に南スーダン、ウクライナ、ガザという、緊迫した状況下にある人々の物語が深く描かれました。
• 南スーダン難民篤では、過酷な経験を経ても、表現活動を通して心のケアに取り組み、希望の歌声を響かせる人々の姿に胸を打たれました。
• ウクライナ篤では、突然日常を奪われ、平和であることの意味を改めて問われる現実。
• ガザ紛争とモハマッド篇では、深刻な人道危機の中、現地から日々の生活をレポートし、「日本とつながる」ことを生きる希望とする人々の姿が、遠い国の出来事ではないと強く訴えかけてきました。
映像と歌が伝えるのは、単なる悲劇ではなく、困難の中でも生きようとする人々のたくましさです。彼らが日常の幸せを奪われても、「諦めない心」を持って立ち向かう姿に、深く感動しました。
平和の種は「自分との闘い」の中に
そして、この特別編の核となるテーマが「自分との闘い篇〜平和の種は自分の中に〜」でした。
戦争や紛争は、確かに私たちの日常を脅かします。しかし、映像の最後で桑山氏が語りかけるのは、私たちが日々たくさんの選択をしながら生きているという事実です。
「何を選ぶかは自分次第。そのひとつひとつの選択が平和な世界を作る道へとつながっているのかもしれない。」
この言葉は、私たちが安易な分断や対立に流されず、自分の中にある弱さ、無関心、諦めと闘うことこそが、世界平和への第一歩であると教えてくれました。
戦争で本来の日常の幸せを奪われても、最後に残るのは自分自身との闘いです。諦めずにその闘いに勝ち続けることこそが、真の誉れであり、人としての強さなのだと痛感しました。
世界の平和を「我がこと」として
今回の講演会を通して、ガザやウクライナの状況を人ごとではなく我がこととして捉え直すことができました。
分断・対立を煽る傾向がある今だからこそ、私たち一人ひとりが世界の平和を諦めず、心に「希望」の二字を抱きしめて歩みを進めていかなければならない。そのための力を与えてくれるのが、このような音楽と映像がもたらす感動と共感の力です。
『地球のステージ』は、平和への確固たる意志を再認識させてくれる、魂を揺さぶる体験でした。この素晴らしさが、どうか多くの方に伝わりますように‼️
今日も元気で

令和6年度決算審査「総務委員会」報告:DX推進と「人が中心の社会」構築への決意

2025年10月6日

本日、一宮市議会の令和6年度決算審査「総務委員会」に臨みました。
主要施策成果報告書の総務に関する項目を詳細に読み込み、事前に用意した質問用紙の内容に基づき、執行部の皆様と白熱した議論を交わさせていただきました。
少子高齢化時代を乗り越える「個人」の資質力アップと「組織力」の強化を訴え、誰もが共通して直面する「少子高齢化時代」という厳しい時代にあって、一宮市役所が今後どのように事業を推進していくべきか、その方向性について強く提言を行いました。
私が特に重要視し、訴えたポイントは以下の二点です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を活かした徹底的な「省力化」の推進
部署を横断する「ネットワーク力」を発揮した組織力の醸成
限られた人員と財源の中で、市民サービスを維持・向上させていくためには、デジタル技術を最大限に活用した業務の効率化が不可欠です。また、縦割り行政の弊害を排し、情報とノウハウを共有し合える横断的な連携こそが、市民の皆様のニーズに素早く対応できる真の組織力に繋がります。
「真の人間主義」に基づく、人が中心の社会へ
厳しい時代だからこそ、私たちは手段と目的を見失ってはなりません。
私が提言の根底に置いているのは、「真の人間主義」に基づく「人が中心の社会」を構築したいという強い信念です。
DXによる効率化や組織力の強化は、決して行政のためのものではなく、市民お一人おひとりの生活を豊かにし、幸福を実現するための手段であるべきです。
この大切な目的を胸に、一宮市の未来のため、さらに一層の努力を重ねてまいる決意を固めました。
今後とも、皆様のご意見を市政に反映できるよう、誠心誠意取り組んでまいります。

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