佐藤一橋大大学院教授が地方交付税制度について解説 問題点やその要因と今後の方向を明示

県議会公明党・県民会議は12月15日、神戸市内で定例の研修会を開き、佐藤主光・一橋大学大学院教授が地方公務員制度について講演しました。


まず、地方交付税について、地方公共団体間における財政力の格差解消への財政調整機能と国税5税の一定割合等の財源保証機能を持っていることなど仕組みや概要を説明し、「財政調整機能と財源保障機能を混在させていることがさまざまな議論が出てくる要因になっている」と強調しました。
次に、現行制度をめぐる批判派と擁護派の両方の論点を紹介し「普通交付税の交付額は、基準財政需要額から基準財政収入額を引いて算出される財政不足額に応じて交付される。基準財政需要額を算出する際の補正係数が算定を複雑にしている」と指摘し、他の問題点にもふれました。
また、複雑な算定のため、総務大臣主催の地方分権21世紀ビジョン懇談会から人口と面積を基本として算定する新型交付税が提案された経緯とそれに対する全国知事会からの意見などを解説しました。
最後に佐藤教授は「目的や成果にあいまいなところがあり、原資を負担する納税者への説明責任が果たせない。その機能を財政調整に特化するなど整理していく必要がある」と今後のあり方の方向を示しました。
平成24年度当初予算編成に対し知事に申し入れ
着実な県政運営の推進や医療・福祉の充実を提言
県議会公明党・県民会議は、11月14日に平成24年度当初予算編成に対する知事への申し入れを行いました。
その中で、公明党・県民会議として「県民の生活を守る」を根本に据え、県が抱える諸問題に真正面から取り組み、県民の皆さんが安心して暮らせる社会の実現を目指していることを強調。また、具体的には東日本大震災へのさらなる支援と所要の取り組みをはじめ行財政構造改革の推進、少子化対策、高齢者対策の充実、医師不足の解消、中小企業支援など山積する諸課題の解決に全力で取り組むことを明記しています。
これらの観点から平成24年度の政策検討にあたり、特に重要と思われる7分野18項目の重点要望に加え、各部局別にも具体的な100項目の政策を申し入れました。



特に重要な事項の概要は次の通りです。
● さらなる経済対策の充実と雇用の確保
デフレ不況に追い討ちをかけるように歴史的な円高が続き、我が国の経済は深刻な状態に陥っている。本県でも中小零細企業を中心に厳しい状況が続いており、制度融資や信用保証の要件緩和など経済対策の一層の充実が不可欠である。
あわせて、先日発表のあったパナソニック尼崎工場の一部生産停止に加え、西宮のアサヒビール、伊丹の雪印乳業など阪神間で撤退表明する企業が相次ぎ雇用に大きな不安が生じていることから、緊急雇用就業機会創出事業等の基金事業の継続や若者の就業機会の拡大を図る必要がある。
● 防災体制の整備促進
関西広域連合とも連携し、東南海・南海地震や3連動地震等に対する備えを進める必要がある。また、本県における市町の防災行政無線の整備状況は全国でも45位であり、整備に向けた支援を急ぐ必要がある。
あわせて、原子力発電所にかかる防災対策についても、国の防災指針の見直しの検討結果を踏まえ、原発事故にかかる防災計画の見直しも必要である。
● 県全域へのドクターヘリの導入促進
現在、県北部にはドクターヘリが導入されており、阪神地域も消防防災ヘリを活用することで一定の役割を果たしている。また、淡路地域では徳島県が広域医療の一環としてドクターヘリの導入を検討している。
ドクターヘリは平時の救急医療のみならず、災害時にも大きな力を発揮するものであり、残された播磨地域においても早急にドクターヘリを導入し、県全域をカバーできる体制を構築しなければならない。
中野県立大准教授が公務員制度改革について解説
課題を指摘し今後のあり方を探る

県議会公明党・県民会議は10月27日、神戸市内で定例の研修会を開き、中野雅至・兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科准教授が公務員制度改革の動向について講演しました。

まず、公務員制度改革が求められる社会的背景や公務員制度改革のこれまでの経緯を説明しました。次に中野氏は「大学卒業程度の公務員志望者は、国家公務員試験に合格すると省庁ごとの面接試験で省庁ごとに採用され、試験の種類や能力に応じて昇進していく。しかし、限られたポストに入れなかった人材は民間企業や地方の出先機関などに行くか、独立行政委員会などいわゆる天下りへと至る」と組織構造を解説した上で「一つのポストに長期間とどまるケースが増えており、それも天下りなどの遠因になっている」と付け加えました。

また、自身の経験を踏まえながら「現公務員制度の中でも特に改善が求められているのが、各省庁間での強固なセクショナリズムだ。人事労務管理・給与などは各省庁統一・一律で、国家公務員という意識よりも所属省庁の一員としての意識が強い」と実態を解説。
さらに、日本と外国の公務員制度の違いを比較。アメリカは数千人の政治任用職がおり、政治家と官僚の二層構造となっていることやイギリスでは政治任用は少なく政治家と官僚の補完としてアドバイザー的な役割を担っていることを紹介。韓国は幹部候補の3分の1が民間から採用されるが、日本は資格任用制が徹底されており民間からの中途採用や政治任用はほとんど行われていないとの特徴を示しました。
公務員の人事評価については、民間企業での営業成績のように公務員の業務は数値化しにくい面があることや組織全体のレベルアップにつながる評価の必要性を強調しました。
最後に、官民の人材流動化の推進が急務であることを述べ「民間から各省に人材を受け入れるとともに、活発に行き来できる環境整備を推進していくべきである。官民の垣根を低くした幅広い官民交流の流れが求められていく」と今後の改革に期待しました。
このあとの懇談では、公務員の人事評価のあり方、公務員給与や首長の退職金などについて意見交換しました。
谷井いさお県議が、9月30日第310回県議会で一般質問に立ちました。ドクターカーの導入など地域医療の向上に関する質問をはじめ安全で住み良い住環境の実現に向け、地元尼崎が抱えるさまざまな課題について県の考えや取り組む姿勢を厳しくただしました。<上記の写真をクリックすると一般質問の録画が流れます。>
第310回(平成23年9月)定例県議会 一般質問 谷井いさお
質問項目
- 県立病院へのドクターカーの導入について
- 医療人材の養成・確保について
- 住民出資による太陽光発電事業などの再生可能エネルギー導入の促進について
- 交通事故被害者への支援の充実について
- 災害時に備えた警察官の装備の充実について
- 県営住宅への避難者受け入れに伴うペット飼育について
- 地域猫対策と猫の殺処分減少対策について
質問・答弁のダイジェスト
1.県立病院へのドクターカーの導入について
- 谷井議員
- 県内の5病院にドクターカーが導入されており、県立病院では2ヵ所。県民ニーズが高いが、県内東部エリアには導入されていない。そこで、平成26年度に完成予定の県立尼崎病院と同塚口病院を統合再編する新病院に導入してはどうか。
- 前田病院事業管理者
- 整備中の尼崎病院・塚口病院の統合新病院に救命救急センターを設置しER方の救急医療を提供していくこととしており、地域の救急患者の救命率のさらなる向上を図っていくためにはドクターカーの配備が必要。今後、スタッフの確保・養成に努めるとともに、ドクターカーの出動基準等の運用方法や連携方策について地元消防機関と調整を図るなど導入に向けての検討を進める。
2.医療人材の養成・確保について
- 谷井県議
- 本県も医師確保対策について積極的に取り組んでいるが、さらなる強化が求められている。県地域医療再生計画(案)では、医療人材養成・派遣の拠点として地域医療活性化センターの整備が掲げられている。現在検討されている同センター案では、運営主体が県と神戸大学のみで構成されているが、本県でも県・市町・大学・医師会などの医療関係機関が一体となって医療人材の養成・確保に取り組めるセンターを創設すべきである。
- 井戸知事
- 地域医療活性化センターについては、神戸大学との協同事業として平成23年度の地域医療再生計画において国に申請している。医局機能を持ち医師確保対策の諸事業を実施する施設として整備する。地域医療活性化センターを発足後、運営には神戸大学のほか公立病院を持つ市町や兵庫医科大学などの大学、医師会等へ参画を働きかけ全県的な医局機能も付加した組織としていきたい。
3.住民出資による太陽光発電事業などの再生可能エネルギー導入の促進について
- 谷井県議
- 本年、住民出資型太陽光発電導入方策検討会設置を決定し、8月に淡路島で第1回目の検討会が開催された。今後、成功させるには、出資する住民をいかにして募るかにかかっている。そのためには、出資金がどの施設で、どのように使われ、どのような効果があったのかがわかる仕組みが重要である。また、企業立地にあわせて太陽光発電所を立地することも重要だ。例えば、尼崎のフェニックス用地の利用計画において、緑地などを活用して太陽光や風力発電設備などを設置しフェニックスへ進出する企業に対して電力の一部を供給するなど環境にやさしい企業集積地としてアピールできるのではないか。このように幅広く県民参加、また企業参加を促す制度に拡充する考えは。
- 井戸知事
- 検討会では、出資者の範囲といった課題のほかに事業主体、出資形態、配当方法、設置場所、事務コストの低減など新たな仕組みづくりに向けた課題について検討していく。今年度中にもモデル事業を取りまとめ、来年度の淡路島での事業実施につなげ、その成果をふまえて全県に展開していきたい。フェニックス用地については、企業立地の促進につながる可能性も期待できるので、現在庁内関係課によるプロジェクトチームにおいてメガソーラー誘致もその一つとして検討している。
4.交通事故被害者への支援の充実について
- 谷井県議
- 交通事故被害者の中には当初の診断では数週間で直るはずの症状が長引く事例があり「脳脊髄液減少症」という疾患が起こりうるとの報告がある。本県でもホームページによる紹介や診療可能な医療機関名の公表など周知に努めているが、県民にはあまり知られていないのが実情だ。「脳脊髄液減少症」のように交通事故に起因する可能性のある疾患について、警察官が正確な知識を身につけるとともに、被害者から脳脊髄液減少症に関する相談を受けた場合には、窓口を案内するなど適切な交通事故被害者支援に努める必要があると考えるが所見を伺う。
- 倉田県警本部長
- 県警では、交通事故捜査に携わる交通警察官を対象とした教養において、民間の犯罪被害者等早期支援団体である「NPO法人ひょうご被害者支援センター」の職員による講義を聴講させ、交通事故の後遺症に苦しんでおられる方々や遺族に対する被害者支援の大切さなどを理解させており今後も必要な指導、教養を行いたい。また、交通事故被害者から「脳脊髄液減少症」等に関する相談を受理した場合は、県のホームページを活用し相談窓口を教示するなど、適切な被害者支援に努める。
7.地域猫対策と猫の殺処分減少対策について
- 谷井県議
- 人と猫との共生に向けた住民と民間団体及び行政が協力していく「共生モデルプラン」を早期に作成し、住民の合意形成に向けて各市町及び県が連携して「モデル地域」を早期に指定すべきである。また、なかなか減少できない猫の殺処分数の対策も合わせて講じていく必要があり、そのためにも譲渡数の向上への創意工夫が必要だ。地域猫対策と猫の殺処分減少対策についてどのような対策を講じていくのか。
- 久保健康福祉部長
- 飼い主のいる猫に関しては、飼養者を対象とした講習会を行うなど不妊処置や家屋内飼養の積極的な啓発を行うことが重要。また、飼い主のいない猫については他の自治体で実施されている地域猫活動などが参考になると考えており、取り組み事例の調査分析を行っている。殺処分減少対策としては、猫の譲渡数を増やす必要があり、従来の個人への譲渡に加え新たに不妊処置や家屋内飼養など県で定める用件を遵守できる団体への譲渡も行っていく。
- <再質問による答弁>
- 井戸知事
- 地域猫については不妊手術が前提となるので、これについては動物愛護センターでも不妊手術について検討していくという方向だ。
- 久保健康福祉部長
- 愛護センターでの不妊手術については、まずその地域猫への取り組みに関して地元の自治会の合意形成が大事。ここの部分の合意形成を得ることが一番大きな問題ではないかと考えている。合意が得られてなおかつ、地域のほうから不妊手術の要請があれば積極的に考えていきたい。








