加藤県立大学教授が地域経済のあり方について講演
  これからの兵庫のグローバル戦略を考察

 県議会公明党県民会議は、定例の研修会を2月18日、神戸市内で開催。加藤恵正県立大学教授が「グローバル・シフトと地域経済―兵庫からのグローバル戦略」をテーマに講演し、世界経済の現状や他国での対策、今後の兵庫経済のあり方などに関して説明しました。


 まず、現在各国とも技術革新に力を入れており、特にシンガポールは国を挙げて取り組み急速な伸びを見せ、中国の技術革新の伸び率は日本の2倍となっている現状をデータで紹介。それに比べ日本はこれまで、世界のイノベーションのエンジンとなってきたが今は明らかに遅れをとっている状態であることを説明しました。

 また、各国の豊かさについて「1人当たりのGDPは、中国は2050年には日本と並び、韓国は同年にはアメリカを追い抜き、日本の2倍になる見通しだ。日本は少子高齢化だから仕方ないと対策を講じなければ取り残され、早急な政策転換が必要」と指摘しました。

 次に、地域再生の例として2005年にハリケーン・カトリーナによって甚大な被害を受けた米国・ニューオリンズの取り組みを紹介。「起業アイデアのコンペ・事業家支援をしていくアイデアビレッジや問題の分析・解決策のコンペを行うプロペアを立ち上げ、その結果、全米から多くの起業家が集まり、各々事業化している。さらに、NPOが起業家と市民の交流の機会を設け、地域の価値観や情報を共有。そのことも魅力となって住み続ける人が増え経済の活性化につながっている」と起業経済の重要性を強調しました。

 また、グローバル化が進む中で、対国内直接投資が重要で介護や農業の分野は輸出産業となる可能性があり、イノベーション・産業革新が図れれば大きく広がっていく可能性があることを示しました。また、兵庫県に関して「起業経済地域になる可能性があり、その際に
▼マイクロ・ビジネスの増殖
▼ハイテク・クラスターの形成・拡張
▼グローバル化に対応した人材育成・確保の3点が不可欠。
これらが新しい産業をつくっていくパワーになる」と話し「ボランタリー組織やNPO団体などが、地域経済を豊かにする新しい主体となりつつある。その意味で兵庫県は先進県」と付け加え、本県の多様な潜在力に期待を寄せました。

 今後の見通しとして「中国は日本よりも高齢化が進んでおり、介護分野は輸出産業になりうる。介護、福祉クラスターなどは輸出ビジネスチャンスになる。これらで利益を得て日本の経済を強固にしていくことも一つの方策」と述べ、グローバル経済下の基本視点として「①行政の縦割りの解消②社会資源のストック活用に向けた制度の創出③既得権限の白紙化」を挙げました。

 最後に加藤教授は「人と資本と技術革新が国を発展させる。世界的には、国を超えた技術者や労働力の重層的な交流こそ国を豊かにすると考えられている。治安などの課題はあるが、日本はその点で遅れすぎている」と危惧し「さまざまな分野での人材の受け入れ態勢が整えば、日本はもっと伸びていける。アジア全体を結びつけるネットワークづくりなども視野に入れるべきだ」と自身の考えを示しました。

 この後の懇談では、行政の縦割りをなくす方途や地域経済という観点からの関西広域連合の役割り、海外からの人材の受け入れなどについて意見交換しました。

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兵庫県 谷井勲
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