Archive for 2012年 7月

 環境を軸としたこれからの医療経営のあり方を提示

 県議会公明党・県民会議の定例の研修会が、7月17日、神戸市内で行われました。今回は明石市明石町の医療法人社団松井クリニック理事長でまついe-クリニック院長の松井豊氏が「現状の医療経営の問題点とISO14001認証取得のブレイクスルー」と題して講演しました。

 まず、医療機関の現状として、民間病院や公立病院の大半が赤字経営となっていることを述べ、医療費の家計に占める割合をデータをもとに諸外国と比較し、日本の医療費はそれほど高くないことを話しました。

 続いて透析医療の現況を説明。わが国の慢性透析患者は2011年末では30万4592人で前年度より6340人が増加。透析患者の平均年齢は毎年増加傾向にあり、導入患者平均年齢は1991年に58.1歳、2001年には64.2歳、また、2011年は67.8歳と10年間で6歳、20年間で10歳上昇しており、これらから透析医療の質の向上とともに年齢の上昇による諸課題を指摘しました。

 次に、透析患者数100人と仮定して病院経営の事例を提示。患者の診療回数やさまざまな設備にかかる費用などを具体的に算定し、人件費や諸経費の負担の重さを示しながら10年後に利益が出はじめる実態を示しました。さらに、現在は病院間で患者獲得のために豪華な施設・食事といった過剰な付加サービスの例も挙げながら今後の医療経営の問題点を示しました。

 最後に、自身のクリニックでISO14001を取得し取り組んでいる環境を軸とした医療の提供について解説。水の使用量やエネルギー使用量の削減、医療材料の製品の使用・廃棄には環境負荷の軽減を図っていることなどを説明。これによって無駄な経費やミスマッチをなくし、従業員の意識改革と全体的な業務改善が着実に進んでいることを詳しく述べました。

 このあとの質疑では、各県議から終末期医療のあり方や公立病院の経営の改善点などに関して質問が出され、意見交換しました。

老朽化進む県内8ヵ所のインフラを調査 財源の確保など早期対応へ


尼崎市の県東流域下水汚泥広域処理場

 県議会公明党・県民会議は、7月5・6日の両日、県内の農業廃水施設や下水道施設、橋梁など県内8ヵ所のインフラ(社会資本)を訪れ、各施設の老朽化の現状や補修などを行う際の課題について説明を受けました。


宝塚市の諭鶴羽橋

 5日には新港川(神戸市長田区駒栄町)で、腐食が進んでいる矢板護岸を調査。現場を見ながら、担当者から「耐用年数が迫っているが、全面更新には費用がかかるため部分補強している」との現況を聞きました。

 また、豊岡市栃江の農業廃水路・福江基幹排水路では未改修区間の朽ち鉄製の水路壁を前に意見交換。担当者からは「農業基盤整備の予算が大きく削られた」と切実な状況を伝えられるとともに、財源の確保を強く求められました。

 翌6日には尼崎市東本町の松島排水機場に向かい、河川の増水時に排水を行うポンプが耐用年数を超えていることを聞きました。担当者は補修で乗り切ってきたが限界にきていることを説明されました。

 2日間にわたる調査内容を踏まえて、県議会公明党・県民会議は県民生活を守るため、各施設で進む老朽化への早期対応に全力を上げていきます。

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兵庫県 谷井勲
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