外国人への地方参政権付与について研修

  世界と日本の現状と今後について意見を交換

 県議会公明党・県民会議は、7月16日、神戸市内で定例の研修会を開きました。近藤敦・名城大学教授を講師に招き「外国人への地方参政権の付与」について研修しました。

まず、憲法15条の「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」の条文の中の「国民固有の権利」について「国民だけが有する権利」「他人に譲り渡すことができない権利」と解する説や「国民が当然持っているとされる権利、従って他人にゆずりわたすことのできない権利」と解する通説があることを示し、また、政府の憲法解釈では「固有の権利とは、国民のみが専有する権利」ではなく、「奪うべからざる権利」の意味としていることを解説。 これらを拠りどころに賛否論が展開されていることを説明し、永住外国人の地方参政権の法制化に反対する意見書が都道府県で増えている状況を示しました。

 続いて、「永住または一定期間の定住を条件に選挙権と被選挙権を認めたスウェーデンでは、その立法趣旨として移民の政治的影響力、政治的関心、自尊心、社会の公正を高め国の移民統合政策を実行可能にすることが期待された」とモデル的なスウェーデンのケースを紹介。 さらに「それ以外の北欧4カ国は当初、北欧だけの相互主義による互恵型であったが、その他の出身国の外国人との間の差別が問題となり、すべて定住型に移行した。同様に、EUも相互主義ではじめたが、ベルギーやルクセンブルクは定住型に移行した」と諸外国での外国人への参政権付与の現況と経緯を述べました。

 次に、最近の外国人地方参政権付与賛成の根拠として、社会参加や社会統合、多文化共生、公正な社会、社会の連帯感、新しい市民権、自治体の活性化などを挙げ、一方、反対論として「選挙を通じた有事法制下の自治体の国への協力の妨害」などを提示しました。 その上で、近藤教授は「各々に地域、国、職場、学校等多様な所属に伴う多様な利害関係と政治志向があるのが現実だ。むしろ外国人の参政権を認めている国では外国人の投票率は低く、参加促進が現実的な問題となっている。内外人の平等・協力を日頃から醸成する多文化共生政策への取り組みは安全な社会づくりに直結し、外国人の地方参政権はこうした政策の柱となる」との自身の考えを話しました。

 このあとの意見交換では、各県議から質問などが出され「国内での外国人の人口増加を見れば、今後積極的に受け入れていく方向をつくり出すことが大切だ。もっとグローバルな視野で考えていくべき問題だと思う」という意見について近藤教授は「今後、多様なニーズに応えられる多様な対応が不可欠。多文化共生という観点から外国人の労働を含めたいろいろな活動や政治への参加も大切だ」と答えました。 また「グローバルな視野を持つには学校での人権教育などに力を入れる必要があるのではないか」という考えに近藤教授は「地域によっては外国人の子供達が増えている学校がある。その中でどのような教育をしていくか現実に即した対応や教師のあり方も問われてくる」と話しました。

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兵庫県 谷井勲
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