10月10日 トイレトレーラーを導入している富士市に行って参りました。

- 静岡県富士市
- 市制施行 昭和41年11月1日 平成20年11月富士川町と合併
- 人口 253,410人(平成31年4月1日現在)
- 面積 244.95k㎡
- 特色 静岡県東部に位置し、富士山の南麓に広がる市。気候は温暖で、豊富な地下水に恵まれ、古くから製紙産業が盛んで「紙の街」として成長し、その後、紙パルプのほか化学、電気機械産業などの産業が発達。ブランドメッセージは『いただきへの、はじまり富士市』
「災害派遣トイレネットワークプロジェクト トイレトレーラー導入事業」
1.「災害派遣トイレネットワークプロジェクト」について
- 「みんな元気になるトイレ」を掲げ、災害大国日本の強靱化のためにトイレを通してネットワークを作ることを目的とした一般社団法人「助け合いジャパン」が中心に行っている活動で、トイレトレーラーの導入が全国に広がっています。
- 富士市パンフレットには、「今、日本には災害時のトイレが圧倒的に不足しています。(中略)多くの人が集まる避難所では、清潔で安全で明るいトイレが50人につき1つ必要と言われています。トイレ不足により、悪臭など不快な思いをするだけでなく、感染症の原因にもなることがあります。トイレは災害発生直後から必要不可欠なライフラインです。全国の1,741市町村が1台ずつトイレトレーラーを配備し、被災地に全国から速やかに集結出来たなら、災害時のトイレ不足問題を大きく解決出来ます。一緒に助け合いのネットワークをつくりましょう。」とありました。
- このプロジェクトに参加し、トイレトレーラーを導入している自治体は、富士市の他、静岡県西伊豆町、愛知県刈谷市、岡山県倉敷市。導入予定、検討している自治体は100とのことです。
- プロジェクトの仕組みは、各自治体でクラウドファンディングの実施により、全国からトイレトレーラーの購入資金を募り(ふるさと納税の寄付金控除制度活用)、購入。平時は、地域の催事などで活用し、緊急時は、被災地に駆けつけ、トイレトレーラーをお貸しすると言うものです。
2.富士市の対応について
- トイレトレーラー導入に当たっての合意形成については、予算要求していない状況だったので、市長の決断後、議会で説明、合意を受け、クラウドファンディングを開始。平成29年7月から9月に1,000万円目標に実施、達成。その後の補正予算で対応し、平成30年4月納車。全国初の配備。
達成金額10,573,000円、その他の直接寄付を合せて、12,481,875円
経費の内訳 車両本体 13,200,000円(税別)
その他経費 2,814,004円(税込み)→けん引免許取得費、けん引車両改造費、返礼品費用など
- トイレトレーラーは備蓄物資でありながら、「平時から活用出来る」と言うことが強み。平成30年度は市内外へ17回派遣し、延べ10,000人以上が利用。お祭りやイベント会場では大変好評、と同時に、災害への心構えや携帯トイレなど防災グッズ備蓄への啓発に繋がっており、トイレトレーラーそのものが「防災のシンボル」となっているとのことでした。
- 平成30年、西日本豪雨で大規模災害が発生した岡山県倉敷市にトイレトレーラーを約50日間派遣。令和元年、台風15号の被害が大きかった千葉県君津市へも派遣。市職員が普通貨物自動車でけん引。富士市はトイレットペーパーなど紙の街なので、災害発生時には、トイレトレーラーと共にトイレットペーパーや紙おしぼりなど衛生管理に必要な物品を被災地に届ける仕組みを構築。(物品は企業からの無償提供)
- 富士市で災害発生となった場合は、まず、人命救助の現場で活用と言うことで、災害拠点病院に配置、その後、避難所へ活用。
3.トイレトレーラーについて
車両のサイズ→全長5800×全幅2450×全高3440
仕様→トイレ4室 臭い逆流防止機、洋式便座、2重ロック付き扉、LED照明、
電動換気扇、洗面台、化粧鏡、衣類掛け等のフック
トイレ給水方法→揚水ポンプによるタンク給水/ホースによる直接給水
汚物排水方法→便座からのバキューム/専用ホースによる下水落下
特徴→快適に使える。直ぐに使える。長く使える。
4.所感
富士市の災害時トイレ対策に対する熱意をまず感じました。
トイレトレーラー導入により、災害時のトイレのタイムラインを明確に構築されていました。平常時にもイベントやお祭り等で活用出来ると言うことで、市民へ向けて防災意識の向上のためのシンボルともなっています。
災害用トイレ備蓄の新たな考え方として、「トイレトレーラーは、富士市のためだけの備蓄物資ではなく、全国の被災地のために活用」と提案しておられ、全国の自治体に広がることで、共有の備蓄物資になると訴えておられました。
私自身、防府市内全域の避難所へのマンホールトイレ設置は経費的にも物理的にも難しいと思いつつも、災害時のトイレ問題をどうしたら解決出来るかと思いを巡らせていた折りに教えていただいた事業であり、大変参考になりました。
しかしながら、車椅子の方や階段5段を上ることが出来ない高齢者の方や足の不自由な方は、このトイレトレーナーを利用出来ませんので、備蓄に適している簡易トイレや段差の少ないマンホールトイレなどを考慮しながら、誰もが安心してトイレを使用出来るよう事業の展開を図る必要があると感じた次第です。



















