児童文学作家の日野多香子先生の『羅生門』です。今昔物語集を題材にした新作。絵も早川純子氏で、迫力があり、繊細に揺れ動く心の葛藤が伝わってくるようです。金の星社から本年に8月に出版されたばかり。
本日、古川美奈子氏作、『奥むめお ものがたり』出版記念のお祝いの席で著者より頂戴いたしました。
表紙を開けて一枚めくった白地に、「悲しい心にオニがきて 人の心はすさんでく」 「やさしい心にふれたとき オニはどこかにさっていく」 と真ん中に記してありました。
一人の人間が出会いによって、悪にも善にも成り得る。このテーマのもと描かれた作品を読み返すたびに感動が深まり、その文の力に圧倒されました。
仏典には、「一念三千」と説かれています。「一念」とは、私たちの瞬間瞬間に移り変わる生命のこと。この一念に、すべての現象、働きを意味する三千の諸法が具わっているとしています。つまり、その環境によって瞬間瞬間に生命は変化しているという意味でしょうか。
普遍的で深いテーマに迫る作品、是非とも多くの方に読んでいただきたい絵本です。

