散弾銃の鉛弾による土壌の汚染が心配されていた福岡県筑紫野市の同県立総合射撃場で、汚染土壌と、場内に散乱していた鉛、コロス(散弾が入っているプラスチックケース)、クレー(円盤状の的)がすべて回収され、11月までに土壌の鉛含有量が基準値以下となったことが確認された。土壌汚染問題を指摘し改善を迫っていた公明党の新開昌彦県議と、浜崎達也県議が11月29日、現地を視察した。
県教育庁スポーツ健康課などによると、除去した汚染土は約8000立方メートル。直接除去した鉛(約44・5トン)と汚染土から取り出した鉛は、合わせて約200トンにも上った。この結果、場内70地点で採取した表面の土壌は、11月までにすべての地点で鉛溶出量が1リットル当たり0・005ミリグラム以下と環境基準を達成した。また約442トンのクレー材とコロス材約32トンも除去。さらに除去した鉛や土壌、クレー材、コロス材ともすべてリサイクルした。
総合射撃場は1990年のオープン以来、クレー射撃やエアライフル射撃など年間約1万人のスポーツ射撃愛好者らに利用されてきたが、散弾銃を使用するクレー射撃の鉛弾やコロス、弾が当たり、砕け散ったクレーは回収されず、11年間、場内にたい積したまま。周辺住民が、鉛が地中に溶け出し土壌を汚染することを懸念していたほか、場内にある農業用水につながるため池の水の汚染も心配していた。
新開議員は住民からの相談を受け、県に対応を迫っていたが、こうした折の00年9月、同射撃場の水質検査で環境基準値を上回る鉛が検出されていたにもかかわらず、県が結果を「改ざん」していたことがマスコミ報道で発覚。同じく、県水産林務部の土壌検査で自然界の約800倍もの鉛を検出していたことも判明した。驚くべき新事実に新開議員は直ちに行動を開始。射撃場の汚染土壌を自ら採取し、九州大学の協力を得て分析した。自然界の3800倍もの鉛が埋まっていることが分かり、この事実を基に同年10月、本会議で県と県教育委員会に鉛弾や汚染土壌の回収、射撃場の改良などを求めていた。
この質問をきっかけに、同射撃場は11月から一時休業し閉鎖。今年3月から汚染土壌などの撤去が始まった。また、来年3月の再開を目指し、場内の改修も開始。ため池の前に高さ10メートルの防御壁を設けるほか、周辺の斜面地にも高さ3~5メートルの防御壁を設置。弾を回収しやすいように場内はアスファルト、モルタルで鋪装、水路をめぐらし溜桝を配備して鉛が集まるようにする。ため池のしゅんせつも随時行う。
視察を終えた新開、浜崎両議員は、「土壌の見違えるような姿にホッとしている。全国にある射撃場の模範となり、環境行政の象徴ともなる施設になるよう、今後も見守りたい」と感概深げに語っていた。
(公明新聞より)
