令和元年第4回市議会定例会 一般質問
1. 行政におけるキャッシュレス決済について
2. 函館市民スケート場について
3. 骨髄バンクドナー登録について
4. 地域を守る建設土木工事の担い手を育てる公共工事の平準化について
大綱1、行政におけるキャッシュレス決済について
日常的な生活や仕事をする中で現金を使う機会が減ってきています。最近では高齢者や子供もニモカなどの電子マネーを使いこなしていますし、金融口座やクレジットカードと連携させて利用している人も増えてきています。都市部では様々な決済手段が導入され、現金を持ち歩かない人さえあらわれています。行政機関でもペイジーによるインターネット支払いや、クレジットカードでの支払いが可能なサービスを行う等、支払い方法の多様化を進めている自治体も増えてきております。
また、2019 年(令和元年)5 月に成立、公布された「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律」(デジタル手続法)で印紙以外の支払い方法を認める等、法的な環境整備が進んでいることや、指定金融機関の収納手数料(口座振替手数料)や振込手数料の有償化等もあり、今後、キャッシュレスサービスの利活用が増えていくと考えられます。
更に、本年10 月の消費税率の引き上げに伴う還元措置に合わせ、民間におけるキャッシュレス化の動きが活発になっており、社会全体でキャッシュレス化が進む中、
行政機関での支払いも同様にキャッシュレス化に対応していく必要があるのではないかと考え、今回、質問させて頂きました。
まず始めに、消費税率の引き上げに伴う還元措置に合わせ、民間におけるキャッシュレス化の動きが活発になっております。ポイント還元制度は、登録完了店舗が全国で12月1日現在約86万店、12月11日には約90万店になる見込みです。大手コンビニでは、キャッシュレス決済の比率が前年同月比で約6割も増加。経済産業省によると、1日平均10億円超のポイントが消費者に還元されています。そこで、函館市での登録完了店舗数等の現状をお伺いします。
答弁 (市内企業のキャッシュレス化についてのお尋ねですが)
本年,10月1日からの消費税増税に伴い,国におきましては,消費の下支え対策として,来年の6月までの間,中小・小規模事業者向けに,キャッシュレス決済に係るポイント還元を実施しているところであります。
この事業における市内の登録加盟店は,9月2日の時点では,633店でありましたが,今月2日現在では,コンビニエンスストアや飲食店,ガソリンスタンドなど,2,060店となっておりまして,今回のキャッシュレスポイント還元事業の実施を契機として,市内の中小・小規模事業者のキャッシュレス化が,一定程度,進展しているものと考えております。
次に、民間でのキャッシュレス化は、急速に進んでいる現状で、行政での決済方法は現状どのようになっているのかお伺いいたします。
答弁 ( 公共料金等の支払方法の現状についてのお尋ねですが)
本市における,公金料金等のキャッシュレス決済の導入につきましては,市立病院での入院や外来の診療費のほか,ふるさと納税では仲介サイトを通じて,クレジットカードによる納付が可能となっております。
一方,市税,国民健康保険料,水道使用料などは,口座振替やコンビニ納付による支払が可能となっているものの,○ 施設入館料などの使用料や,各種証明,許認可などの手数料は,前払いや料金後納の制度がある一部を除いて,基本的に窓口による現金払いのみとなっております。
総務省が「電子マネーを利用した公金の収納について」(平成31 年3月29 日付総行第102 号)各地方公共団体あてに通知した内容も踏まえ、地方公共団体においてもキャッシュレス化が進んでいくと考えられます。実際に、一部の地方公共団体ではキャッシュレス化の取組が進んでおり、中心となる電子マネーの普及が始まっています。
このような背景を踏まえれば、様々な行政サービスに対し、時と場所を選ばずに簡単に決済できる仕組みが求められているといえます。また、かかる仕組みの整備により、利用者の利便性の向上を実現するだけではなく、行政内部の効率化を同時に実現できるメリットも期待されます。今後、市民サービスとして行政でのキャッシュレス決済の導入を求めますが、市の見解をお伺いいたします。
答弁 ( 公金のキャッシュレス決済についてのお尋ねですが)
近年,民間における支払いは,クレジットカードに加え,スマホ決済や電子マネーによるキャッシュレス決済など,決済手段の多様化が進んでおりますが,○ 本年3月には,総務省から地方公共団体に対して,電子マネーを利用した公金の納付が可能であることや,その運用についての留意事項などの通知がなされ,一部の地方公共団体で,電子マネーでの決済が導入されているところであります。
公金収納におけるキャッシュレス化につきましては,手持ち現金がなくても支払い可能であることや,支払いがスムーズに行えるなど,利用者の利便性の向上が図られる一方で,導入や運用費用,安全性などの課題もあるものと認識しておりますことから,
今後,利便性,安全性,確実性,効率性なども踏まえながら,新たな公金収納手段としての可能性を研究してまいりたいと考えております。
大綱2、函館市民スケート場について
今月12月14日にオープンする市民スケート場は、設備の老朽化が進み、施設全体を更新しなければ継続できないという事で、現在の事業者である公益法人函館市文化・スポーツ振興財団が自主財源で施設改修を行うことは困難なことから、市が公共施設として整備することとなり、今定例会で、スケート場整備の工事請負契約の議案も提出され可決されました。
スケート場は、今冬の営業終了後、1年間は休場して、令和3年12月に市の施設としてオープンするとのことですが、ネット情報を見ても値段がリーズナブルで家族連れでも楽しめる等の口コミもあります。
料金の設定については、どのように考えているのかお伺いいたします。
答弁 (市民スケート場の料金についてのお尋ねですが)
市民スケート場は,市が整備,運営にかかる経費を補助しながら函館市文化・スポーツ振興財団が平成2年度(1990年度)から運営してきたところであります。
現在の料金は,財団のスケート場規則により定められており,1回券の料金は小学生が150円,中学生が200円,高校生が300円,一般が600円となっており,そのほか回数券,シーズン券,ファミリー共通券などがありますが,市内の小学生,中学生の個人料金は無料としております。
公の施設として運営する新たな市民スケート場の使用料につきましては,本市の社会体育施設の使用料や他都市の類似施設などを参考にしながら,また,現在の料金と大きな差が生じないような使用料を設定したいと考えているところでございます。
設備更新については、議案の市民スケート冷凍設備改修工事の6億4千20万の請負契約でありますが、冷凍機は、経済性、周囲への影響、環境負荷の低減、今後のメンテナンスなどについて比較検討を行い、総合的に判断した結果、電機駆動方式を採用しましたが、設備更新により、運営コストはこれまでより低く納めることが出来るのか見解をお伺いいたします。
答弁 (管理運営経費についてのお尋ねですが)
新たな市民スケート場は,指定管理による管理運営を予定しており,現在,その経費については精査しているところでありますが,公の施設として管理運営する人員体制となることによる人件費のほか,冷凍機の動力エネルギーがこれまでの重油から電気に変わることによる電気料金,一般管理費,消費税など,増となる要素がある一方,重油代など減となる要素もあり,現在のスケート場運営事業の補助金額より高くなるものと見込んでおりますが,可能な限り,圧縮に努めてまいりたいと考えております。
設備更新費用も大きい、運営コストも高くなるということなので、何らかの対策を考えなければならないと思います。
たとえば、今回電気駆動式を採用したことにより、競輪場の電気基本料金が上がると予想されます。オープン時に初回の氷を造る時が一番電力が上昇すると考えられ、そこの電気使用量でデマンドが設定されますので、その日は、競輪場の電気を落とすとか休日に行う等の工夫が必要です。また、電気事業者とのデマンド設定の交渉もするべきです。そして、他の項目も圧縮に努めて頂きたいと思います。
また、ターゲットを親子連れだけではなく、ナイターでの電飾を考え大人が来れるように工夫するなど、利用者増加となるよう努めて頂きたいと思います。
そこで一つの対策として、近年増加傾向にあるインバウンド対策としてもっと外国人観光客に利用してもらうことを積極的に考えてはどうかと思うが、見解をお伺いいたします。
答弁 (インバウンド対策についてのお尋ねですが)
市民スケート場では,平成29年度(2017年度)から運営者である函館市文化・スポーツ振興財団が観光部と連携しながら,中華圏の大型連休となります旧正月の春節に合わせて外国人観光客向けのお得なセット料金を設定し,公式観光サイトの外国語ページでのPRや,チラシの観光案内所等各所での配布など,周知に努めてきたところでございますが,実績はあまりなかったところであります。
整備後は市の施設となりますので,冬季間における外国人観光客のニーズの把握や周知の方法など様々な課題について,関係部局とも協議しながら,市民スケート場のインバウンド対応について,研究を深めてまいりたいと考えております
大綱3、骨髄バンクドナー登録について
1、骨髄バンクドナー登録推進について。
白血病や悪性リンパ腫、骨髄腫などのいわゆる血液のがんについて取り上げたいと思います。血液のがんは以前は、なかなか治りにくいと言われており、その複雑さやイメージからもう助からないのではないかと思ってしまうかもしれません。
しかし、現在は医療の技術も進歩したので、血液のがんになったとしても助かる割合が多くなってきているようであります。治療法は抗がん剤を使った化学療法、放射線療法、造血幹細胞移植療法が主なものです。病気の種類や患者の症状、年齢、体格、社会的要因などにより、まさに十人十色の治療法が選択されます。その中で、造血幹細胞移植について質問いたします。
血液のがんを患った人の中には、先ほど申し上げた選択肢の中で移植しかないという方もたくさんおられます。文字どおり移植でありますから、健康な造血幹細胞を提供してくださる方(ドナー)がいて初めて成り立つ治療であり、その取りまとめや患者とのコーディネートをしているのが日本骨髄バンク並びに臍帯血バンクであります。
骨髄バンクはドナー登録希望者から2ccの血液検体を採取し、必要な情報のみ登録するところで、臍帯血バンクは提供希望者の出産時にヘソの緒から採取した臍帯血をそのまま冷凍保存するところであります。
さて、骨髄バンクでは、ドナーの登録者の確保が大きな課題となっております。登録できる年齢が決まっており、18歳から54歳までで、55歳になり次第登録から外れていきます。実際の骨髄採取は20歳以降になります。
今年(2019年)10月末現在のドナー登録者数は全国で526,022人、骨髄移植を行っている他国と比較すると、ドナー登録自体が少ない現状です。
平成24年に移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の施行に伴い、県や保健所設置自治体等により、さまざまな対策がとられてきていると思いますが、ドナー登録の実態に対する認識はどうかお聞かせください。また、保健所管内の血液のがんの患者数、造血幹細胞移植数、ドナー登録数をお聞かせください。
答弁 (骨髄バンクドナー登録に対する認識などについてのお尋ねですが)
公益財団法人日本骨髄バンクへの新規ドナー登録数は,毎月2千から3千人で推移しておりましたが,今年2月に競泳選手が白血病を公表したことで,2月の新規登録者数が,1万1千人を超え,それ以降も毎月の登録者数が前年度より大幅に増加しているほか,保健所へも骨髄ドナーの登録方法などについて市民からの問い合わせもあることから,社会全体が骨髄ドナー登録への理解の促進と関心が高まっているものと認識しているところであります。
血液のがんの患者数につきましては,函館保健所管内の数字は公表されていないところでありますが,造血幹細胞移植につきましては,市立函館病院が,ドナーから提供された造血幹細胞の移植を実施しており,移植件数は,1991年から本年9月末までで71件となっております。また,函館市内の骨髄バンクドナーの登録者数は,北海道ブロック血液センターによりますと,平成30年度末で713人の登録となっております。
次に、ドナー登録者を増やす対策についてであります。がん全体に言えることではありますが、罹患率(りかんりつ)が年齢的に50代で増加に転じ、60代から急増するそうであります。先ほど申し上げましたが、骨髄移植のドナー登録は54歳までですので、少子高齢化により需要と供給のバランスは厳しさの一途をたどり、移植を必要とする患者はふえ、ドナー登録者は減ることになります。まずは啓発普及が重要となります。
簡単に登録から提供までの手順を御紹介させていただきます。講演会や啓発事業に参加したり、知人から勧められたりして登録してみようと思った方は決められた場所で十分な説明を受け、2ccの血液を採取し登録となります。
造血幹細胞移植の一つである骨髄移植は白血球の八つの型の一致が必要で、兄弟で4分の1の確立、親子ではほとんど認められず、他人の場合では数百人から数万人に1人という確立で一致するということです。
登録者の適合率は90%まで高められておりますが、ドナー登録をしても実際に提供に至るケースは約60%程度と言われております。
登録し、適合する患者があらわれた場合、最寄りの指定病院で骨髄を採取することとなります。適合したからといって必ず実施ではなく、本人のそのときの意向、健康状態、最終的には弁護士立ち会いのもと家族の同意まで必要とする慎重な判断がなされます。実際の骨髄採取には説明や健康診断で二、三日の通院、採取に向けた体の準備、採取で四、五日の入院が必要となります。想像よりかなり大がかりなことのように感じますが、ドナーさんの体験談からすると全身麻酔で痛みもなく、大げさな献血という感覚のようであります。ちなみにドナーさんは全て無料、費用は全て提供を受ける患者負担となります。
ドナー登録推進のための支援についてであります。骨髄バンクを介して骨髄移植をする場合、患者さんと適合してから採取後の健康診断に至るまでに8回前後、平日の日中に医療機関へ出向いたり入院していただくことになります。その日数をドナー自身の有給休暇を使うのではなく、勤務先がその休日を特別休暇として認めるのがドナー休暇制度です。勤務先にドナー休暇制度があることは、ドナーの心理的、肉体的な負担の軽減になります。
企業、団体によっては従業員にドナー休暇を導入しています。
これまで日本骨髄バンクで確認がとれている民間のドナー休暇を導入している企業・団体は,日本骨髄バンクで確認がとれているもので,現在約480社とのことであるが,市においてドナー休暇制度はあるのか。また,この休暇の取得実績および職員への周知はなされているか,お伺いいたします。
答弁 (本市におけるドナー休暇とその取得実績などについてのお尋ねですが,)
本市におきましては,国の制度導入にあわせ,平成5年(1993年)7月からいわゆるドナー休暇を設け,ドナー登録の申出や骨髄液の提供に伴う検査,入院などのため必要と認められる期間について有給で取得可能となっております。
また,ドナー休暇の取得実績につきましては,平成11年度(1999年度)以降の20年間で申し上げますと3名が取得しておりますが,平成5年(1993年)の導入時に周知して以来,相当の年数が経過しておりますことから,ドナー登録をして社会に貢献したい意思はあるが,休暇そのものを知らない者もいると思われますので,改めて職員に対して周知をしてまいりたいと考えております。
さらに踏み込んだ支援を実施している自治体もあります。
骨髄提供をする際の休業助成制度であります。本人や企業に対し、助成金を交付する制度で、自治体により内容は異なりますが、全国605の市町村で制度があり、日額本人2万円、企業に1万円という内容が多いようであります。検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
答弁 (骨髄提供をする際の休業助成制度の導入についてのお尋ねですが)
現在,北海道内で助成金制度を導入している自治体はありませんが,議員ご指摘のとおり,他都市の状況を見ますと,骨髄等の提供を行うため通院や入院をする場合,日数に応じて1日2万円程度,本人や事業所に対し,助成金を交付する制度を導入している自治体もあります。
骨髄提供は,本人にとって肉体的,心理的な負担がかかるほか,骨髄提供のため休業することにより,本人や企業へ経済的な負担がかかる場合もあることから,その負担軽減のための手法等について,情報収集に努めてまいりたいと考えております。
骨髄移植後のワクチン再接種への助成について
日本では子供を病気から守るため、予防接種法に基づきポリオなどの予防接種を受けるべきとされています。接種することで免疫を獲得し抗体ができ、病気にならないようにするためであります。
治療のために造血細胞移植を行った場合、移植前に実施された定期予防接種により獲得した免疫は低下もしくは消失し感染症にかかりやすくなります。そのため、感染症の発生予防、または症状の軽減が期待できる場合には、主治医の指示のもと、移植後に定期接種として受けたワクチンの再接種を寛解後、順次行っていくことが推奨されていますが、あくまで予防接種であり、病気治療ではないため、医療保険は適用されず、その費用は被接種者(保護者)の全額自己負担となっています。多い方で約20万円かかるという方もおられます。
また対象年齢時に白血病を発病し、闘病中で予防接種、ワクチン接種を受けられなかった、そういう方もいらっしゃいます。
白血病等の治療は療養期間が長く、退院後も免疫抑制剤等の薬物療法が必要で、健康保険や高額医療制度があって助かってはおりますが、それでも経済負担は生活に大きな支障となります。そのような声を受け二十歳未満の再接種が必要な方への助成を実施する市町村に県が補助するという新聞発表がありました。国でも様々議論しているということでありますので、動向を注視しながら、対応を考えて頂きたいと要望いたします。
大綱4、地域を守る建設土木工事の担い手を育てる公共工事の平準化について
近年、大規模震災、大規模水害、また大規模風害と、想定を超える自然災害が頻発しています。これらの自然災害に対して、住民の安全を確保し被害を最小限に食い止めるためには、地域の建設土木事業者の協力が必要不可欠です。少子高齢化、人口減少社会において、地域の人材確保が年々難しくなっている中で、建設業界の活性化による担い手確保のためには、公共工事の平準化が必要であります。
公共工事の平準化により、地元の労働者(技術者・技能者)は、年間を通して安定的に仕事ができ、計画的な休日の取得なども可能になります。また事業者の機材の稼働率向上により重機等の保有も促進され、地域の建設事業者の災害への即応能力も向上します。更に、行政にとっても、発注職員等の事務作業が一時期に集中することを回避することが出来ます。そこで、「地域を守る建設土木工事の担い手を育てる公共工事の平準化について」質問をさせて頂きます。
一つ目の質問として,債務負担行為の積極的な活用について伺います。
予算は単一年度で完結するのが原則ですが,他都市においては公共工事の平準化を図る取り組みとして前年度のうちに工事の契約を行い支出を翌年度に行うゼロ市債などの債務負担行為を活用し,年度をまたいだ発注を行っている事例も見受けられます。 そこで, お聞きします。
函館市においても、公共工事の平準化を図るために、債務負担行為を設定し、年度をまたぐ工期で工事を発注できるようにすることも必要と考えますが、見解をお聞かせください。
答弁 (公共工事の平準化を図るための債務負担行為の設定についてのお尋ねですが)
公共工事の平準化につきましては,本市におきましても,建設業者の経営の安定化や公共工事の品質確保を図るうえで重要であると考えておりまして,毎年度,早期発注も考慮しながら,公共事業発注計画を作成し,公共事業を進めているところであります。
只今,小林議員からお話のありました債務負担行為の設定につきましては,本市におきましても,公共工事の平準化を図るための有効な手法の一つであると認識しており,また,平成29年度(2017年度)の国の調査において,全国の約30パーセントの市区町村が,平準化の取り組みとして債務負担行為を活用しておりますことから,まずは,これら他都市の事例について調査・研究してまいりたいと考えております。
二つ目の質問として、公共工事の柔軟な工期の設定について伺います。公共工事の工期設定や施工時期の選択を一層柔軟にすることで、工事の平準化をはじめ効率的な施工が可能となります。
具体的な事例として、工事着手時期・工事完成期限等が特定されない工事の発注に当たって、落札日の翌日から一定期間内に受注者が工事着手日を選択できる「工事着手日選択可能期間」を定め、ゆとりある工事を促す「フレックス工期契約制度」があります。
また、工事着手時期が特定される建設工事の発注に当たっては、落札日の翌日から工事着手指定日の前日までの間を「事前の準備期間」として定めることにより、計画的な発注を行い、円滑な施工を促す「早期契約制度」もあります。
そこで、「フレックス工期契約制度」や「早期契約制度」などを活用しての、公共工事の柔軟な工期の設定について、現状と今後の方針についてお聞かせ下さい。
答弁 (公共工事の柔軟な工期の設定についてのお尋ねですが)
本市の公共工事における工期設定につきましては,国が作成した「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン」等に基づき,建設業における長時間労働の是正や週休2日の確保などを考慮した適正な工期の設定に努めているところであります。
只今,小林議員からお話しのありました「フレックス工期契約制度」や「早期契約制度」の活用につきましては,公共工事の平準化だけではなく,受注者における労働者の確保や建設資材の調達など,受注者の計画的で円滑な施工体制の確保に寄与するものと認識しておりますことから,これら柔軟な工期の設定制度の活用につきましては,先程ご答弁させていただいた債務負担行為の活用と併せ,他都市の状況も踏まえながら,調査・研究してまいりたいと考えております。
三つ目の質問として、公共工事の速やかな繰越手続きについて伺います。
年度末間際(まぎわ)での繰越手続や、年度内の工事完了に固執(こしつ)することなく、当該年度で完成しないことが明らかな工事については、適正な工期を確保し安全に安心して工事を進めて頂くために、速やかな繰越手続きが必要です。工事や業務を実施する中で、気象又は用地の関係、補償処理の困難、資材の入手難その他のやむを得ない事由により、工事が予定通り進まない場合、受注者に無理をさせない様に、当初の計画を見直すことは、働き方改革を推進する意味からも重要であります。
そこで、やむを得ない理由で工期が遅れそうな公共工事について、年度末にこだわることなく、早い段階から必要日数を見込んで、繰越手続きを積極的に進めるべきと考えますが、見解をお聞かせ下さい。
答弁 (公共工事に係る繰越手続きについてのお尋ねですが)
公共工事におきましては,工事の着手後に,資材の入手難や自然災害の影響により工事が予定どおり進行しないなどやむを得ない理由でその年度内に支出を終わらない見込みとなる場合がございます。
本市において,このような事象が発生した際には,早い段階から市と契約業者との間で,工期があとどのくらい必要になるか,事業内容や契約金額に変更が生じないかなどを整理したうえで,年度末にこだわることなく,速やかな繰越手続きを進めているところであります。
初めに話しましたが、公共工事の平準化により、地元の労働者は、年間を通して安定的に仕事ができ、計画的な休日の取得なども可能になります。また事業者の機材の稼働率向上により重機等の保有も促進され、地域の建設事業者の災害への即応能力も向上します。更に、行政にとっても、発注職員等の事務作業が一時期に集中することを回避することが出来ます。
土木部においても、限られた予算で平準化も含め発注業務を行って頂いてるとは思いますが、「地域を守る建設土木工事の担い手を育てる」意味でも今日の質問を参考にしていただければと思いますので、宜しくお願いいたします。