令和6年第1回定例会開幕、市長所信表明に会派代表で質疑
2月22日(木)、八王子市議会の令和6年第1回定例会が開幕し、1月21日に投開票となった市長選挙で初当選した初宿和夫市長が所信表明を行いました。この中で市長は、小中学校の給食無償化に関し、「実現のため具体的な方策を検討する」と明言するなど、自身の中心的な取り組みを訴えました。所信表明を受けて各会派の代表質疑となり、市議会公明党から村松徹議員(幹事長)が登壇、学校体育館への空調設置、給食無償化の時期など質問しました。
主な質疑は以下の通りです。
【質問<市政の課題>】
市長は所信表明の中で、2024年度骨格予算編成、各所管からの事業説明を通じ、市政の課題として、①人口減少・少子高齢に起因する厳しい財政見通し②老朽化が進む公共施設や道路などの都市インフラへの対応③市政運営を支える人財の確保――を挙げ、「予断を許さない厳しい状況と危機感をもって認識した」と話されました。この3つの課題をどう受け止め、どう着手していくのか市長の見立てを問う。
【市長答弁】
これらは安定した市政運営を継続するために先送りできない重要な課題と捉えている。エビデンスに基づく事業検証、各種施設の機能整理・集約化、職員のリスキリングと活躍を支える制度構築など、経営資源の確保にスピード感を持って、全力で取り組む。
【質問<今後の東京都の連携>】
少子高齢・人口減などの課題は、基礎自治体単独の努力だけで容易に乗り越えることができない壁のように感じる。八王子市は2015年、都内唯一の中核市に移行したが、東京都との連携はこれまで以上に重要になってくる。東京都の局長など重責を担ってきた経験を踏まえ、市長は、東京都との連携をどう考えるか。
【市長答弁】
これまで同様、中核市として本市の特性や課題に合わせた政策を積極的に展開するとともに、都政に長く携わってきた知見を活かし、広域的視点ももって連携を強めてまいりたいと考えております。
【質問<学校体育館の空調設置>】
「最優先で取り組まねばならない施策」として、小・中学校をはじめとした避難所機能の充実を挙げ、特に小・中学校体育館への空調機の設置促進に取り組むことも明言された。具体的にどのように取り組んでいくのか。
【市長答弁】
早期実現に向けて、既に担当所管には導入手法や機器の仕様選定など、必要となる検討事項について早急に整理するよう指示した。導入に当たり、東京都や国の補助制度を最大限活用し、1日でも早く実現できるよう全力で取り組んでいく。
【質問<学校給食費の無償化】
市長は登庁初日、学校給食費の無償化実現に向けた庁庁内検討会を立ち上げた。所信表明でも「さらなる学校給食の充実を図るとともに、子育て世帯の負担を軽減するため、学校給食の無償化に向けた諸課題を整理し、その実現のための具体的な方策を検討する」と語った。一日も早く、無償化を開始してほしい。スケジュール感、スタート時期を伺う。
【市長答弁】
公約に掲げた子育てナンバーワン、子育て世帯の負担を軽減する学校給食の無償化は、実現に向けた課題を整理するため、庁内検討会にて議論を進めている。最大の課題である、財源確保に向けた具体的な方策を検討し、速やかに判断していきたいと考えている。
【質問<地域公共交通の充実>】
八王子市は起伏の激しい場所も多く、高齢者や障がいをお持ちの方にとって買い物や病院で出かける場合、交通手段にお困りの方が多い。今後の超高齢化社会を乗り切るには、公共交通を整備していくことが必要不可欠。今後の公共交通整備の在り方について市長の見解を伺う。
【市長答弁】
運転免許証を自主返納する高齢ドライバーも増加していることから、公共交通の役割はますます重要になるものと認識する。今後は、バス事業者との連携をこれまで以上に強化して、バス待ち環境の整備をはじめとした、更なる利便性の向上を図るとともに、新技術を活用したデマンド交通の導入や、公共交通を補完する福祉交通の充実を図るなど、地域の輸送資源を総動員して、あらゆる移動ニーズに対応する取組みを進めていく。
【質問<多摩ニュータウン再生>】
多摩ニュータウンは第1次分譲から50年が経過し、一部地域のようにオールドニュータウン化したところもあり、高齢化率が平均を大きく上回っている地域もある。多摩ニュータウン地域の再生について、今後どのように取り組んでいくのか。
【市長答弁】
今後、更なる高齢化の進行に伴う新たな移動手法の導入、老朽化した施設の更新などの課題が顕在化していく。これらの課題の解決には、地域住民、住宅事業者、企業、大学との共創によるまちづくりを進めるとともに、市単独で解決が困難な課題は国、東京都への支援要請や、近隣の多摩市、町田市、稲城市との連携を推進することで多摩ニュータウンの再生に取り組んでいく。
【質問<学園都市づくり>】
人口減の切り口だけでなく、街の賑わい、そして将来的な本市の生き残りを考えたとき、学園都市という特性、ポテンシャルをどう活かしていくか、八王子市にとって未来を切り拓く一つのキーワードと思う。市長は都職員時代、都立大学の八王子へのキャンパス移転に関わった。市長の学園都市づくりに対する思いを伺う。
【市長答弁】
まちづくりの重要なパートナーとして、大学の存在意義は高まっていると強く認識している。大学と市民、企業、市などと連携した地域課題の解決や、人への投資が重視される中での地域の人材育成において、大学の知見は重要であり、さらなる連携強化が必要と考える。都立大の八王子市移転を担当した経験から、学生たちと地域の距離が近づくことにより、大学があるまちならでは賑わいの創出にもつながることを実感した。あわせて、今、求められている大学自身の変革に地域が協力していくことも重要であり、学園都市である本市と大学の共存共栄の実現に取り組んでいく。