痛みを感じない「キャッシュレス」について 5578
昨日もそうですが「PayPayでお願いします」とはよく使う言葉。「非接触」がコロナ対策として注目され、また便利ですのでキャッシュレスは日常にあります。
最近、枕元に「世界を変えた14の密約」(文藝春秋)という本を置いています。英国を代表するジャーナリストのジャック・ペレッティ氏という方が書いたもので、テーマごとに世界のタブーを追求した内容。そのひとつに「現金の消滅」という章があります。
そもそも、先進国政府などが現金をなくしたい理由が「闇経済の根絶」であり、現金が消滅する流れは避けられないとされていますが、キャッシュレスを始めようとした根本の発想はビジネスとのこと。興味深い文章が続きました。
MITの神経心理学者が「現金を使うと、脳神経は痛みを感じる」「現金で支払うとき、人間の神経経路はクリスマスツリーのように点灯する。自分の手からおカネを離さなければならなくなったときの、『一瞬のたじろぎ』がそれだ。」「欲しいものを手に入れたいという欲望と 、神経の痛みを避けたいという気持ちの間で、人は引き裂かれる」ということを発見。
その一方で学生への実験を通じ「クレジットカードでは痛みを感じない」ことも発見。カードで買い物をした学生は、「たじろぎ」を感じることはなかった。「感じたのは買い物の喜びだけだ」「現金には物を買うという役割のほかに、支出を止める強い力がある。現金を排して一瞬で決済を終わるようにすれば、脳は痛みを感じる暇がない。取引が早すぎて脳が追い付かなければ、人は際限なくおカネを使うようになる」。これを知ったシリコンバレーの人たちが暗号化された決済システムという「聖杯」を見つけた。「痛みのない買い物がそれだった」「それが実現できれば、インターネットを支配できる」。そして今、そうした時代になっているようです。
便利にはなりましたが、まんまと乗せられたような気もします。
先日、NHKの番組で「キャッシュレスで子どもの金銭感覚が激変」と題した特集があり録画しました。
小学校教師の女性が、お金に関する授業の際、買い物をした際に「おつりをもらう」という体験した児童が少なく、おつり自体を知らないという子どもが増えているとの内容。キャッシュレス決済が増えたことで、「お札と100円玉のどちらが高価なのか分からない」「小銭の使い方が分からない」「(キャッシュレス決済は)何でも買える魔法のお金」と驚きの言葉も。また、オンラインゲームに熱中して、親のクレジットカードを使い150万円を課金。親に決済完了メールが届くはずだがメールを子どもが消していたとの事例も紹介。国民生活センターには深刻な相談が寄せられているそうです。
家庭教育はもとより、成人年齢の引き下げによる影響などの指摘もありましたが、「キャッシュレス」が社会をどのように変えていくのか。気になります。
「痛みを知って優しくなれる」など、人が生きていく上で経験しないとわからないことは様々あります。
現金は失くしてしまうなどのリスクはありますが、お金もリアルに使う経験が必要なんだろうと思います。








