「一流の『根性』は美しい」について 6584
昨日、J1復帰を果たした横浜FCの監督、選手、フロントが市会へ。喜びの一方、J1とJ2のレベルの違いは歴然。J1定着を望む中、監督として両リーグを知る四方田監督に来シーズンへの意気込みを質問。監督からは「目標を明確にし、選手達が自信をもってJ1に挑めるよう準備していく」旨の話がありました。壁を乗り越え、強豪チームへの飛躍を願っています。
先日、日経新聞コラム「サッカー人として」に三浦知良選手が、「一流の「根性」は美しい」と題した寄稿がありました。カズ選手の所属は2005年から横浜FC。現在はレンタル移籍で鈴鹿でプレーされています。
「ワールドカップ(W杯)アジア最終予選を戦う今の日本代表は、いわゆる横綱相撲を取れている気がします。目を引く攻撃の素晴らしさ以上に、守備が安定していて強い。少々失点しても取り返せるというメンタルで戦えているんだろう。
どうやったって勝ててしまうチーム、何をやっても勝てないチーム、両方を僕は経験してきた。苦境続きのチームは先制されると「ああ、今日も負けるのか」という心理に陥る。悲しき敗者のメンタリティー。
これが常勝チームになると、スコアがどうであれ「最後は自分たちが勝っている」と見えではなく思える。ヴェルディ川崎(現東京V)時代はシナリオが多少ずれたとしても「どうということはない」と、良き結末のイメージを疑わないでいられた。これが勝者のメンタリティーだと思う。
長谷部誠さんが内田篤人さんとの対談で「欧州でプレーしていくなかで一番大事なことは?」と聞かれていた。ドイツで17年戦い抜いた長谷部さんが答えるに「やっぱり根性ですね」。
今は運動生理学の知見が広まり、戦術の知識も余るほど手に入る。心の動きさえも脳内の化学反応次第だと解明されうる現代に、根性なんて過去の遺物と見なされそうだ。
J1神戸で大迫勇也選手が前線で体を張って、潰れ役になる。武藤嘉紀選手が自陣を駆けずり回り、守備に走る。優れた選手があれをやると、奇麗でないはずの作業も輝き出す。泥臭さが美しさへと転化する。強いチームには戦略・戦術があり、技術もある。精神力はもっとある。
サウジアラビア戦、日本のゴール前で、4人がかりで捨て身のシュートブロックをする場面があった。美しいですよ。理屈ではなく「止める」の一心で身を投げ出している。リバプールやスポルティングに所属する、きらびやかな名士たちがですよ。ハイレベルな勝負ほど、ああいう一瞬であの一歩を出せるか否かで明暗が分かれるんだ。
グリット(やり抜く力)やレジリエンス(困難をしなやかに乗り越え回復する力)など、形容のされ方は変われども、ハートの大事さは昔も今もさほど変わりません。理路整然としたサッカーはなるほど美しい。ある種の「根性」も、同じくらい美しい。」
カズさんの指摘。あらゆる分野に通じる「真理」のようなものを感じます。
どの世界でも一流とされる方は、いかなる状況になっても「目的を見失う」ことがない。
一流は、セットされた目標に向かって自らがなすべきことをやり切り、目標達成のためにも仲間を助け、その行動が団結を生み出します。冒頭の四方田監督の言葉にも通じます、。
もちろん、勝負の世界に勝ち負けはつきものですが、目先で満足のいかない結果であったとしても、闘い切ったその経験は、次につながる「根性」として活きていく。
サッカー日本代表が一流となったことは、一流の「根性」があったから。
それは目標達成への献身的な行動、そして覚悟のこと。
勉強になりました。