「SNSで本当のことを知った」の危険について 6600
昨日、本会議が開かれ第4回定例会開会。声をカタチにすべく取り組みます。ある方から「兵庫知事選ですごく発信していた知事応援アカウント。終わったらたちまち消去するって、なんかおかしくないですか?」とのお声。なんとも答えようがありませんが、バッシングしていた多数のアカウントが、掌を返して擁護に回る様は異様でした。簡単に変わる無責任。作家の佐藤優さん曰く、世界にはびこる「何でもありのニヒリズム」。得な方にコロコロ変わる今の日本を象徴しているよう。一方、知事とPR会社との関係が話題になっていますが、SNSにウソやデマの類も少なくないことを感じます。
先日、日経新聞コラム「春秋」が記していました。
「同じ情報に繰り返し接していると、それがだんだんと真実に思えてくる。「真理の錯誤効果」と呼ばれる脳の働きだ。人間が抱えているさまざまな認知バイアス(偏り)の一つで、情報が実際はウソであっても関係ない。頭の中で無意識に進む、やっかいな現象である。
これに目を付けた政治家は数多いとされる。ヒトラーは主著「わが闘争」で、政治的スローガンは反復が重要と説いた。大衆に分かりやすいシンプルな訴えを、ひたすら繰り返して覚えさせるのだ、と。トランプ氏がフェイクをいとわず一方的な主張を大量発信するのは、この錯誤を利用するためとみる向きも少なくない。
知らぬ間にウソを刷り込まれては困ってしまう。それでなくとも情報が偏りがちなSNS時代である。一方でバイアスは脳に内在する情報処理機能であり、取り除くのは難しい。ではどうすべきか。藤田政博関西大教授によると、バイアスが存在し、対処が要ると気付くだけで大きく違うという(「バイアスとは何か」)。
「SNSで本当のことを知った」。最近の選挙で、よく聞かれる声である。確かにSNSには多くの情報がある。他方、大量に拡散された情報が、繰り返し目に入っていなかったかどうか。受け取る情報は真実か、それとも自分の脳の偏りか。どんな立場に立つにせよ、冷静に疑ってみる。そんなひと呼吸があってもいい。」
自分の都合のいいものに対し、「SNSで本当のことを知った」と評価する傾向はあると思います。
こうした中、オーストラリア議会では、16歳未満のSNS利用禁止する世界初の法案が成立したそうです。対象はX(旧ツイッター)やTikTokなどで、子どもが接続できないようにする対応を怠った企業には罰金が科され、親の同意にかかわらず、子どものSNS利用が禁止されるのは国家レベルでは初。法律は成立後、1年後に施行されるとのこと。
本文最後の指摘。その通りだと思いますし、選挙などの注目を浴びる時だけなく、日頃から税金が正しく使われているか等々、本業の政治をしっかり監視することが大事かと思います。