「御所巻」と「改易」について 6081
昨日は江田駅前での街頭演説の後、地元でのご挨拶、打合せ等。ロシア・プリゴジン氏のクーデタ未遂のような出来事について「御所巻(ごしょまき)」とする表現を目にします。ウィキペディアによりますと、「室町幕府において諸大名の軍勢が将軍の御所を取り囲み、幕政に対して要求や異議申し立てを行った行為」とのこと。
落ち着いたかに見える今回の事態も、その後の扱いが気になります。
「改易(かいえき)」という言葉があります。「鎌倉時代から室町時代においては守護や地頭職の変更と所領の没収、江戸時代においては大名や旗本の所領、家禄、屋敷の没収および士分の剥奪を意味した。切腹より軽い」とのこと。
プリゴジン氏。大統領の求めが、改易か切腹なのかわかりませんが、同氏や関係者の身辺捜査をしているとか。これまでからして、何もないというのは考えにくいものがあります。
日経新聞コラム「春秋」が記していました。
「先日からインターネット上に「御所(ごしょ)巻(まき)」なるワードが飛び交っている。室町時代に大名たちの軍勢が将軍の邸宅を取り巻き、あれこれ要求を突きつける騒ぎをこう呼んだという。受験生必携の山川出版社刊「日本史用語集」にも載っていない、マニアックな言葉である。
それがトレンド入りしたのは、あの騒動のせいだ。ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏が起こした武装蜂起を、御所巻になぞらえているのである。たとえば足利尊氏の執事の高師直は1349年、尊氏の弟の直義一派の追放を求めて将軍邸を包囲した。この出来事など、たしかに今回の事件を彷彿(ほうふつ)させる。
反乱軍は土壇場で引き返し、流血の「モスクワ巻」には至らなかった。ひとまず衝突は避けられたが、進行している事態は中世の動乱さながらである。メンツを傷つけられたプーチン氏はどう出るか。あれほど息巻いていたプリゴジン氏やワグネルの兵たちは……。そもそも16カ月に及ぶウクライナへの侵攻が異様なのだ。
口さがないネット空間の人々は、こんどの出来事を往年の実録ヤクザ映画に重ねてもいる。幹部との確執が高じて親分に矛先を向けた武闘派。そこに割って入り、まあまあと説得に努めたルカシェンコのおじきが当面は身柄を預かるという場面だろう。なんとも大時代だが、そういう感覚の無法がいま繰り広げられている。」
着ている服も、食べているものも、街の風景も、時代と共により便利に快適に変化しますが、人間の心、人間のやることはあまり進化していないように感じます。