昨日、「財政ビジョン特別委員会」の質疑に立ちました。約1時間、市長との一問一答。質問内容をご報告します。答弁は別途掲載します。
「「シンク・グローバリー、アクト・ローカリー(地球規模で考え、地域で行動する)」という有名な言葉がありますが、これは著名な医学・細菌学者のルネ・デュボス博士が提唱した標語です。
博士は、“危機”の意義について次のように語られています。
「危機こそ、ほとんど例外なしに豊かさへの源泉である。危機は新しい打開の道を追求させるからである」とれされています。
まさに財政ビジョンこそ、打開の道を示すものでなくてはならないと思います。
本日は、財政ビジョンの策定を契機として、将来にわたって、市民生活の安全・安心を守り、横浜市を選ばれる街・住み続けたい街としていく観点から、質問します。
1 財政ビジョン
はじめに、財政ビジョン全体について伺います。
財政ビジョンは、議決対象の本編のほか、データ・アクション編と合わせて全体で100ページを超えるボリュームがあり、その内容も、中長期の財政方針として普遍性・抽象度の高い内容から、足元の課題に対応するためのアクションまで、網羅されたものとなっています。
これが実行できるのか、どう実行していくのか、ということが本日の質問の主題ですが、少なくとも、策定に当たった市長、そして市職員が横浜市の将来を憂(うれ)う真摯な想いというものは伝わってくるように感じます。
そこで、改めて、
(1)なぜ財政ビジョンが必要と考えているのか、市長に伺います。
世の中は変化の連続です。人の一生も同じですが、現実を直視して、いかにより良い道を歩むか、選択の連続だと思います。選択を誤らないための横浜市の道標(みちしるべ)、それが財政ビジョンでもあると思います。
その意味で、
(2)財政ビジョンは、人口減少という将来見通しに強いられて策定するのではなく、横浜市のより良い未来を主体的に選択していくために策定するものだと考えますが、市長の見解を伺います。
ビジョンを作るといっても、絵に描いた餅ではいけません。これからの横浜市政の「あり方」を真剣に考え、現状維持バイアスを克服し、しっかりと実行していかなくてはいけません。
財政ビジョンに基づく財政運営で、具体的に問題が生じるのは、将来アクションとして記載している取組を、現実に実行するときに現れます。
おそらく、これまで通りの行政運営、住民サービスを続けるだけだと、市民の負担が増え、サービスが減っていくため、財政ビジョンが大事だとわかっていても、この先の現実的な事象、政策変更などが表面化した時、総論賛成・各論反対となることが想定されます。
そこで、
(3)実行にあたって総論賛成・各論反対が想定される財政ビジョンを策定する覚悟について、市長に伺います。
さて、新型コロナウイルス感染症やウクライナ危機もそうですが、環境は刻々と変化します。ビジョンを作ったところで、すべてが思い通りに行くわけでもないですし、ビジョンに合わせて結果を合わせていくのもおかしな話です。いかに環境の変化に対応するかが問われてきます。
そこで、
(4)今後の財政運営に向けて、予期せぬ変化に対して財政ビジョンはどう対応するのか、
市長に伺います。
財政ビジョンを作ることには、私は賛成ですが、目標も計画も、ある意味でつくるのは簡単かと私は思います。問題は、いかに「実行」して、「結果」に結びつけるかです。
そのためにも、財政ビジョンの原案が示された今、現時点できっちりやっておくべきことは、ビジョンを機能させるための「仕組み」をしっかりと作ることだと考えます。
そこで、
(5)財政ビジョンを機能させるための仕組みづくりが必要と考えますが、市長の見解を
伺います。
今日は「仕組み」についてしっかりと議論したいと思います。その大きなポイントは、事業評価や人事評価といった「評価の基準の見直し」をどうするか、もう一つは、「信頼の醸成」です。この二つが財政ビジョンの成否にかかる最重要課題であると考えます。
信頼を得る最も近い道は、「率先垂範」、まず自分が範を示すことです。
そこで、
(6)財政ビジョンを進める上で、市民向けの政策のあり方を変えていくと同時に、市役所
が変わっていくことが重要と考えますが、市長の見解を伺います。
財政ビジョンが、繰り返しますが、「絵に描いた餅」にならないよう、順次質問していきますので、しっかり答弁していただきたいと思います。
2 財源充実策 税収を確保し財政基盤を強化
これから各論に入っていきますが、まず、税収の確保、財政基盤の強化の観点から財源充実策について伺います。
「今までは坂を上る時代、上を見て走る時代」でしたが、「これからは坂を下る時代、下を見ながらどうするかを考える時代」、「パイを分け合う時代、利益を処分する時代から、作る時代」となっていきます。
作るという意味では、良いか悪いかはさておき、IRは大きな財源を生み出す可能性もあったと聞いています。そのIRも中止となった中で、さらに今後拡大する収支不足に対応していかなければなりません。
財政ビジョンでも、「財源確保」が財政運営の基本方針の柱として位置付けられ、「戦略的・総合的な財源充実策の展開」が謳われていますが、従来のやり方を踏襲していては、成果は乏しいでしょう。
そこで、
(1)これまでの財源充実策の取組から何を改善すべきという認識か、市長に伺います。
(2)課税自主権の積極的な検討
次に、「課税自主権の積極的な検討」について伺います。
課税自主権とは、地方団体が地方税の税率設定や税目などについて自主的に決定し、課税することであり、具体的には、超過課税や法定外税などがあります。
地方団体が自主的に決定するということですから、まずもって市民の納得感が必要です。
税金に対する市民感覚ということでは、私は、いまだに「横浜市は税金が高い」と言う声を聞くことがあります。確かにみどり税が年間900円分高いことは事実ですが、それ以外は基本的に全国統一のはずです。
そこで確認ですが、本市の基幹税目である個人市民税を例に伺いますが、
ア 他の自治体と比べて横浜市の個人市民税は高いのか、財政局長に伺います。
これは都市伝説とも言われる話ですが、横浜市への市民の信頼に関わる話です。よくよく聞いてみると、ある一部の人たちが「自分たちの思い通りに税金を使っていない。だから、横浜市の税金は高い」として、このデマを広げてきたそうです。市民からの信頼を失墜させることを目的としたウソです。こうした、目的のためには手段を選ばないというのは本当に気をつけなくてはなりません。本市は、市税収入に占める個人市民税の割合が高い都市です。
そこで、
イ こうした誤解を解いていくよう、事実を伝える更なる努力をすべきと考えますが、市長の見解を伺います。
さて、課税自主権については、平成12年の地方分権一括法の施行を契機として、本市でも、個人市民税均等割の超過課税である横浜みどり税など、政策的に課税自主権を活用してきましたが、他の自治体でも一定の効果があったのではないかと思います。
そこで、
ウ 他の自治体における課税自主権の活用状況と効果額について、財政局長に伺います。
多くの自治体で取り組まれていても、財源問題の抜本的解決とはいかないようです。
安定的・構造的に財源を充実させるためには、課税自主権をうまく活用しながら総合的な施策や取組を展開することが必要であり、その結果として、基幹的な税目である個人市民税や固定資産税の増収が期待できます。
課税自主権の活用は、積極的に検討すべきことですが、直接的な税収効果だけを捉えるのではなく、視野を広く持ち、様々な観点から多角的に検討する必要があります。
そこで、
エ 課税自主権の活用について、今後どのように取り組んでいくのか、市長に伺います。
今回の財政ビジョンを契機に、課税自主権の活用について、難しいテーマですが、一緒になって考えていきたいと思います。
こうした取組も、地方自治体を運営する上での「ルール」である地方税財政制度の仕組みをしっかりと認識した上で、強か(したたか)に進めていくことが求められます。例えば、地方交付税の仕組み上、個人市民税や法人市民税が増えても、その75%は地方交付税の減額で相殺されてしまう一方、みどり税などの独自課税や、都市計画税はそうした減額がありません。
そこで、
(3)地方税財政制度の仕組みを踏まえて、財源充実策を展開することについて、市長の見解を伺います。
3 政策のあり方
次に政策のあり方について、伺います。
社会の要請にしっかり応えていくためには、限られた貴重な資源を時代に合った政策に選択・集中していくことが極めて重要と考えます。
そこで、
(1)「政策で目指すべき姿や目的、施策や事務事業の関係性を明確にし、政策の選択と集中を図るべき」と考えますが、市長の見解を伺います。
限られた貴重な財源を時代に合った政策に選択・集中していく中で、忘れてはならない重要な視点は、これからも横浜に住み続けたいと思ってもらえるような取組をしっかりと実施していくことです。例えば、防犯対策は極めて重要なものであり、市民の皆さんは当然やってくれるものと思われています。現在、本市の防犯カメラ設置事業の予算は、県と市で半々で出し合っていますが、県は来年度からその事業をやめるとの話を耳にしています。結果がどうなるかわかりませんが、行政的には「防犯」という言葉自体が警察の所管であり、県の役割とのことで、市としてはそれを支える役割とも聞いています。その行政解釈がいいのか疑問がありますが、昨今の犯罪発生の状況などから、防犯カメラは増えることはあっても、新規設置がなくなるようなことがあってはなりません。選択と集中との観点からは、当然ながら集中すべき分野であると考えます。
そこで、
(2)「安全・安心の取組にも力を入れていく必要がある」と考えますが、市長の見解を伺います。
また、厳しい財政状況の中とはいえ、将来を担う子どもたちの未来を創る取組を進めることは、我々親世代の責務です。
そこで、
(3)「時代に合った政策への選択や集中を行う中でも、子育てや教育に力を入れる必要がある」と考えますが、市長の見解を伺います。
子育て支援に関する市長の認識を踏まえまして、さらに個別事業に踏み込んでお聞きします。
小児医療費助成についてですが、この制度は、次の時代の横浜を担い、これからの横浜の財政を支えていただく人たちを支援する、重要な制度であります。
これからの時代、子育てを社会全体で支えていく、社会で育てる取り組みを強く進めていくべきであり、小児医療費助成については、所得制限と一部負担金を撤廃し、すべてのお子さんが分け隔てなく助成の対象となる制度とすべきであります。
そこで、
(4)あらためて、小児医療費助成事業の制度拡充の考え方を、市長に伺います。
より一層力を入れて取り組むべき政策がある一方で、市民の皆さんが成果を実感することもなく、毎年、予算を計上し続け、看板があるだけで、成果の見えない、アリバイ的に継続している、中途半端な政策があるように感じています。
そこで、
(5)「従来の政策を継続することにとらわれることなく、真に必要な政策を推進していくべき」と考えますが、市長に伺います。
「財政ビジョン」の策定後は、厳しい財政状況を、市役所の職員はもちろんのこと、市民の皆さんともその課題認識をしっかり共有し、より実効性が高く、価値のあるものにしていくことが重要と考えます。
そこで、
(6)「政策をつくるプロセス、効果を検証・評価する仕組みの構築方法」について、市長に伺います。
4 従来行政需要と新たな行政需要 政策の高度化
次に、新たな行政需要への対応について、伺います。
先ほども少し触れましたが、変化が激しい時代の転換期にあって、行政需要は確実に増大していきます。従来の行政需要に対応しつつ、そうした声にこたえていくためには、時代の変化に合わせ、政策そのものの考え方も見直していく必要があるのではないかと思います。
はじめに、
(1)「時代の転換期における政策のあり方」について、市長に伺います。
新たな行政需要に対して、行政だけで担うことが難しい状況のなか、財政ビジョンを土台に政策のあり方を見直していく必要があり、そのためには民間企業の力をより生かした行政運営が必要になると考えています。
官から民へ。この考え方は財政ビジョンの大きな柱のひとつであり、昔から言われてきたことですが、もう待ったなしです。
横浜市は、早期に、多様な立場の人々と新たな価値を創造するする「共創」の考え方を導入し、ノウハウも蓄積されていると聞いています。また、(その中でも特に)最先端の委託手法である成果連動型民間委託、いわゆるPFSも、民間企業の力を生かす有効な手法であると考えています。
そこで、
(2)共創とPFSの推進の取組み状況について政策局長に伺います。
温暖化対策の分野では、「Zero Carbon Yokohama」の実現に向けて、新たに2030年度 50%削減という目標を掲げて、現在、計画改定を進めていると聞いています。
私は、財政ビジョンも脱炭素化の取組みと同様に重みのあるものと考えており、PFSの取組は行政運営の効率化とパフォーマンス向上を図り、財政ビジョンに基づく財政運営を実現するための重要な取組と考えています。
また、協働・共創の推進について、財政ビジョンでは、「公共」の担い手を多様化・重層化すること、民間事業者等が公共的な分野で活躍できる機会の増加を図ること、公共サービスの革新に意欲的な民間の多様な主体が活躍できる環境整備を行うことなどが記載されています。
そこで、
(3)共創とPFSの取組みをさらに進めていくために、これまでの成果も踏まえつつ、中長期の視点を持った全市的な方針を新たに作るべきと考えますが市長の見解を伺います。
共創やPFSの取組は、各区局の職員が共創の視点を持って事業を推進することが重要だと考えますが、現状では、そうした発想に至っていない職員がまだまだ多いと考えています。
そこで、
(4)共創とPFSの取組を、全市的に進めていくためには各区局の職員が当事者意識を持って取り組む必要があると考えますが、どのように実行していくのか、市長に伺います。
財政ビジョンを契機に横浜市の政策の進め方を見直していくためには、大変重要な取り組みです。例えば、他都市でチャレンジしている、税金を使わないで公共施設を作るなどといった、こうした大胆な発想があっていいと思います。民間の知見を大いに取り入れ、共創やPFSの積極的な活用を要望して、次の質問に移ります。
次にデジタル化について伺いますが、かつてのような削減のためのデジタル化ではなく、市民や職員の利便性を高め、それを実感できるものとし、変革へのモチベーションを高めていく好循環を生み出すことが、DXを持続的に推進するために重要だと考えます。
DXを単純なコスト削減の取組と捉えることなく、市民サービスの向上や行政の効率化をしっかりと見据えながら、取組を進めて欲しいと思います。
そこで、
(5)DX実現に向けて何に取り組み、どのような効果をねらうのか市長に伺います。
DXの取組は、持続可能な横浜を実現するうえで、必要不可欠なものであると感じています。山中市長のもと全庁一丸となって、看板政策ともいえるDXをしっかりと推進して欲しいと思います。
次に地域交通施策の充実に関連して、特別養護老人ホームと保育所のあり方について伺います。
まず特別養護老人ホームですが、本市では、年間450人分の新規受入枠を整備しており、入所をお待ちになっている方が、少しでも早く入所できるように取組を進めています。
入居を待っている方がおられるのであれば、施設の利用率も100%にすべきと考えますが、残念ながら、必ずしもすべての居室が使われている訳ではないというのが現状です。
一方で、一部の現場からは、介護人材の不足により、入所者を受け入れたくても受け入れられないといった声も聞いております。
そこで、
(6)特別養護老人ホームの利用状況と利用率が100%ではない理由について、健康福祉局長にお伺いします。
1人でも多くの方が入所できるよう、引き続き、取り組みをお願いします。
次に保育所等ですが、本市では、申請者数は毎年増えている中で、認可保育所や小規模保育事業の整備を進め、令和4年4月の待機児童数は11人となっています。
保育所等に入所できなかった保留児童は、育児休業延長目的を除いて1,647人いる一方で、地域によって、保育ニーズと保育所等の定員にギャップがあり、定員割れしている施設も482園あるとのことです。
そこで、改めて、
(7)保育所等の利用状況と地域によって保育ニーズと定員にギャップが生じる理由について、こども青少年局長に伺います。
(8)地域交通の充実
ここで、地域交通の充実について伺いますが、我が党では、毎回の定例会で地域交通問題を取り上げています。なぜかと申しますと、それだけ市民相談が多いからです。
今伺った特養、保育所、これらの運営を資産の有効活用の観点から、地域交通の充実によって、駅から少し離れていても利用しようといった状況を作ることが重要と考えます。
一方、路線バスの減便が進んでおり、利用者数が回復しない現在の状況に鑑みると、更に厳しい状況になるのではないかと、非常に危機感を抱いています。
特に運転免許の返納や、バス停まで歩くのが大変な高齢者の方々にとって、買い物や通院も自由にできなくなるなど、日常生活に支障をきたす問題になっています。
政策局、都市整備局、道路局で様々な検討を進めていますが、検討においては、乗り合いや、ユーザーの要望に応じてサービスを提供するオンデマンド、福祉施設の送迎車両などの自家用車両等、あらゆる輸送手段の活用により市民のニーズに応えていく必要があると考えます。
そこで、
ア 市民の移動手段を確保し、都市機能を充実させるため、地域の多様なニーズに対応できる充実した移動サービスが必要と考えますが、市長の見解を伺います。
移動サービスの実現に向けては、「採算性の確保や運転手の確保、法規制」は難易度が高い課題であり、課題解決には多くの時間を要します。
しかし、困難を自覚し、行動して結果を出している自治体は各地にあります。本市の取り組みは遅すぎると言っても過言ではありません。縦割りの弊害がもろに出ていることも指摘せざるを得ない状況です。縦割りの問題は、強いリーダーシップを発揮してこそ解決できるのではないかと考えます。
第1回定例会において「司令塔となる部署を決め、地域交通施策を強力に推進する体制を構築すべき」との考えを述べさせていただき、市長からは「今後一層推進していくために、最適な体制についても検討していきたい」という答弁をいただきました。
そこで、
イ 地域交通施策を推進するための体制づくりについて、伊地知副市長に伺います。
プロジェクトを立ち上げたことは理解していますし、これまでも市長から「スピード感をもって取り組む」との答弁をいただいています。しかし、いつまでたってもスピードが上がりません。地域交通問題はもう目の前の問題になっています。
本市職員も視察され、以前から議論してきた、群馬県から始まった福祉施設の送迎車両の活用などは、県内では小田原市内で導入が決まったと伺っています。これは、「相乗りマッチング」とか「AIを使った高齢者のヒッチハイク」などとされ、これまでの群馬県などでの取組みから、既にあるデイサービスの送迎網を活用するだけで、高額な投資をせずに、新たな交通網ができ、真の交通弱者とされる方々を救えることが証明されています。
これに限らず、全国各地ですでに具体的な取り組みがどんどん進んでいます。
そこで、
ウ 困っている市民が確実に増えている中で、スピード感をもって具体的な取組をしっ かり進めるべきと考えますが、市長の見解を伺います。
地域交通の取組は、行政だけでゼロから積み上げ検討し、実施するのではなく、既存の交通事業者と折り合いをつけながら、他都市の事例、民間の知見や創意工夫を取り入れることが重要です。
本市では、タクシーを活用した実証実験を考えており、タクシーは重要な移動手段ですが、病院、買い物へ行くのに、「日常の足」として、毎日タクシーを利用できる市民は、年金生活者はもとより、一般にお勤めの方も含めて決して多くないと思います。
そこで、
エ 地域交通の充実に民間団体の参入を促すために、関係者との折り合いをつけ、市が積極的に動くべきと考えますが、市長の見解を伺います。
移動サービスとして事業化していくうえで、スピード感こそが、市民の満足度につながり、ひいては財政ビジョンの推進において最も重要な、横浜市への信頼につながるのではないでしょうか。
我が党も一緒に頑張っていきますので、体制も含め、地域交通施策をさらに強力に推し進めていただくことを要望し、次の質問に移ります。
ここまで、新たな行政需要に関連して伺ってまいりましたが、人口減少社会の到来を踏まえると、これらの地域課題に対応していくためには、あらゆる分野において、外国人材の活躍なしには成り立たないことを以前から本会議などでも主張してきました。
世界的な人材獲得競争のなか、海外の人材から選ばれる都市の実現に向けて中長期的な視点で取り組むべきであり、厳しい財政状況にあっても横浜が将来にわたり成長を続けていくためには不可欠な取組です。
そこで、
(9)「外国人材から選ばれる都市の実現は、本市の持続的な発展に不可欠であり、一層の取組強化が必要」と考えますが、市長の見解を伺います。
海外の人材から選ばれ、定着を促していくためには、若い世代が横浜で活躍したくなるような明るいビジョンを国内外に示していくことが必要です。外国人材との接点を有する市内の様々な関係者と連携し、迅速かつ強力に進めるよう要望して次の質問に移ります。
5 中長期的な政策策定に伴う人事評価
次に、中長期的な政策策定に伴う人事評価について、伺います。
中長期的な政策を実現していくためには、行政の事業評価とあわせて、実行する人材への評価が重要です。そして、政策のあり方の変化に応じて、当然、人事評価も変わるはずです。
そこで、
(1)中長期的な政策策定と実現に向けた人事評価の考え方について、市長に伺います。
行政運営の基本方針については、さらに議論が進んでいくことを大いに期待しています。
多様な市民のニーズに的確に応えていくには、先の本会議でも申し上げたように、若手職員のモチベーションを高め、いきいきとチャレンジできる職場環境を作る。上手くいったときも、上手くいかなかったときも、チャレンジした人を幹部が支える、活躍できる土壌や仕組みを作るべきと考えます。
そこで、
(2)職員のモチベーションが向上するような人事制度や環境を作っていくべきと考えますが、市長の見解を伺います。
行政の無謬性という言葉ありますが、誰にでも間違いはあります。財政ビジョンの策定を契機に、評価の基準も変えていく必要があると思います。職員がより一層活躍できる人事制度や環境となるよう要望して次の質問に移ります。
6 制度的対応
次に財政ビジョンを進めるにあたり、制度的な対応について伺います。
財政ビジョンでは、「特別自治市」を見据えたより高度な自立性の確保などを策定のねらいの一つとして掲げています。特別自治市については、県知事と県内3政令市の市長との四首長懇談会で議論が交わされ、様々な報道もなされていましたが、そこで、まず、
(1)地方の行うべき事務の全てを一元的に本市が担当する大都市制度「特別自治市」の実現に向けて、県との調整状況について、市長の認識を伺います。
特別自治市制度が本市の未来に大きく関わる問題であることから神奈川県内で議論が活発化する一方で、国の財政にも影響が及ぶことではありますが、地方自治を所管する総務省以外の省庁や、政令市以外選出の国会議員の認知度はまだ低いのではないかと感じています。そこで、
(2)特別自治市が国の経済をけん引する力にもなる制度ではありますが、国や国会議員が十分に認知していない状況に対する、市長の見解を伺います。
これまでの状況を見ていると、いつまでたっても結果に結びつかないのではないかと危惧しています。国においては、総務省はもとより、財政制度をつくる財務省の認知は必須ですが、ヒヤリングすると、ほとんど知られていないようです。また、国はもとより、先日の新聞報道にもありましたが、県内33市町村の首長にもあまり知られていないようです。
横浜市は伝えてきたと思っていますが、伝わっていないようで、「メリット、デメリットを提示してくれないと理解が深まらない」という声がありました。県は「法制度化することは妥当でない」と、あたかもデメリットしかないように言っているようにも聞こえます。
そこで、
(3)特別自治市制度は、県内市町村にとってどのようなメリットとデメリットがあるのか、市長に伺います。
県は先日の四首長懇談会でも「課題があれば、個別に権限移譲を図っている」と説明していましたが、県との調整会議が設置されてから6年経ちますが、権限移譲に至ったのはパスポート発給事務の1件のみであり、このペースですと県と市の二重行政の完全な解消には100年以上かかるのではないでしょうか。
そのためにも特別自治市の法制化が必要であり、実現に向けて本市が特別自治市となることによるメリット、デメリットをしっかりとお伝えし、国も他の自治体も、そして何より市民の皆様に、メリットが勝ることを示してご理解を頂く必要があります。
そこで、
(4)市民の皆様、政府や県内選出国会議員、すべての県内各自治体に対し、特別自治市早期実現に向け「訪問対話運動」を展開し、強力な推進力とすべきと考えますが、市長の見解を伺います。
強力な働きかけをお願いします。
ここで県民税の話を伺います。横浜市民は市民税も払っていれば、県民税も払っています。しかし、県民税を払っていても、県からもらえる予算は、横浜市などの政令指定都市は、他の市町村に比べて少ないものがあり、横浜市民は損をしています。
例えば、小児医療費助成における県補助率は、政令市が1/4なのに対し、その他の市町村は1/3となっています。重度障害者医療費助成等も政令市と他の市町村とで補助率の較差があります。同じように県民税を払っているのに差別的なものを感じます。
これは早急に是正すべきですし、世の中に対してより強く訴えるべきではないでしょうか。県知事が「特別自治市はダメだ」と言っても、その前に「払うものを払ってから言え」と言いたいです。
そこで、
(5)政令指定都市に対する県からの補助較差についての認識について、市長に伺います。
さて、財政ビジョンの基本方針には、債務管理、財源確保、資産経営などというように、市の財政運営の中で取り組む内容の他に、少し毛色の違うものとして、国の地方税財政制度の充実を図っていくための「制度的対応」という項目が盛り込まれています。
そこで、
(6)財政ビジョンの基本方針の柱の一つに「制度的対応」を位置づけた狙いについて、改めて財政局長に伺います。
確かに、自治体の財政運営は、地方税財政制度の枠組みの中で行われるものですので、その制度が本市の実態や目指す方向に合った形となるよう求めていくことは重要です。一方、国の財政状況も厳しいので、要望しても簡単に実現が図られるものではないと考えます。
そこで、
(7)国に、より実効性の高い働きかけを行うための要望姿勢について、市長に伺います。
今後、地方自治体は、持続性を確保するために、創意工夫を行っていくことが欠かせません。国として、地方の標準的な財政需要に対する財源保障は維持しつつも、自主的に努力した自治体がしっかり報われるような制度が求められているのではないでしょうか。
そこで、
(8)自治体の努力が報われるような地方税財政制度となるよう要望していくべきと考えますが、市長の見解を伺います。
ぜひ、よろしくお願いします。
7 市民の信頼
最後に、市民の信頼について伺います。
冒頭、申し上げました通り、誰かにやらせるのではなく、自ら率先垂範することこそが、信頼を作る第一歩だと思います。
その上で、信頼構築の基本は、個々人の付き合いでもそうであるように、隠し事なく、相手と誠実に向き合ってコミュニケーションをとっていくことです。市政運営に際しても、市民の皆様に対して誠実に、良いことも悪いことも、情報を公開し、事実をしっかりとお伝えしていく。情報公開は民主主義の基本です。こうした日々の心がけが、横浜市に対する市民の皆様からの信頼につながるのではないでしょうか。
そこで
(1)市民の皆様から信頼される横浜市であり続けるために、市政運営に臨む姿勢について市長に伺います。
本日は、財政ビジョンを絵に描いた餅にすることなく、実のあるものにすべく、仕組みやあり方を伺い、それに合わせた事業や人事の評価基準の見直し、そして何より、市民の皆様からの、市への信頼について伺っていきました。
この後、この財政ビジョンを基盤に、行政運営の基本方針、新たな中期計画などが策定されていくことになります。
引き続き、市民生活の安全安心のため、市民の目線でチェックして参りますので、宜しくお願いします。有難うございました。」