昨日、公明党横浜市会議員団を代表し、先の団長による予算代表質疑に続き、政調会長として予算関連質疑に立ちました。質問内容についてご報告します。答弁は後日となりますが、前向きな答弁が続きました。
1 はじめに、認知症対策について伺います。
現在、国では認知症基本法案の議論がわが党のリードで続いておりますが、本市では、令和3年3月に基本法案に先駆け、横浜市独自の認知症施策推進計画を策定し、認知症対策の方向性を具体的に示したことを高く評価しております。
そこで、まず
(1)認知症施策推進計画の取組実現の方向性について、市長に伺います。
我が党は、横浜市内において、認知症の鑑別診断ができる認知症疾患医療センターの増設を推進し、現在9か所、2区1か所体制となっております。引続き全18区への設置を求めておりますが、来年度は若年性認知症支援コーディネーターの増配置が予定されており、若年性認知症の方への支援は充実であり、期待しています。
さらに、認知症の早期発見・早期治療は、介護や医療の費用削減につながり、市の財政に大きく寄与する施策です。
そこで、
(2)認知症の早期発見を推進するための取り組みについて、市長に伺います。
現在、研究機関や企業等で、血液から、認知症やがんの徴候を把握する研究が進んでいます。
もし、日常の血液検査だけで、認知症とがんを早期に発見することができれば、手軽で身体への負担が少なく、重症化を防ぐことができ、本人、家族の幸せはもとより、将来的な本市の医療費の大幅削減につながります。また、今後策定される、横浜市の持続的な発展に向けた財政ビジョンの趣旨に沿った主要施策のひとつになると考えます。
そこで、
(3)特定健診の血液検査で「認知症」「がん」がわかる最先端技術を導入し、本市が市民の健康を守るトップの自治体になるべきと考えますが、市長の考えを伺います。
→ 導入に向け調査研究を進める
他都市で、認知症対策推進のため、条例化などの取り組みが広がっていますが、本市においても、早期発見・早期治療のため、最適な手法を駆使し、全国に先駆けた取組を推進するよう要望します。
2 次に認知症に関連して成年後見制度について伺います。
認知症の方が安心して暮らすため、法的に権限を与えられた後見人などがご本人の意思を尊重し、財産管理や介護サービスの契約などを結ぶことができる成年後見制度の利用が重要な手段です。
私は、様々なご相談を受けるなか、この制度が必要であるにもかかわらず、利用していないという方や、利用に一定の時間がかかることを知らず、結果として使えないなど、なかなか利用しにくい制度であると感じています。
そこで、
(1)成年後見制度利用の課題について、市長に伺います。
本市は、令和2年に制度利用促進のため、福祉や司法の関係者等による地域連携ネットワークの構築を目的とした「よこはま成年後見推進センター」を設置しました。
そこで
(2)「よこはま成年後見推進センター」を設置した効果について、市長に伺います。
おひとり暮らしのご高齢者も多い中、制度が必要な方を早期に把握し、支援することが重要です。最も早く把握できるのは、区役所や地域ケアプラザではないでしょうか。
そこで、
(3)成年後見制度の利用促進のための相談機関の機能を強化すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
支援の手が届くよう、しっかりと取組んでいただくことを要望し、次の質問に移ります。
3 次に、骨髄ドナー登録の普及・促進について伺います。
白血病などに効果がある造血幹細胞移植には、骨髄移植等のほかに、さい帯血移植があります。公明党は保険適用や公的バンクの設立を求める団体を支援し、当時の浜四津代表代行が国会で取り上げ、法制化しました。
本市でもドナー登録拡大の取組を進めており、私も青葉区の中学校にご相談し、今週2月25日に骨髄ドナーの大切さを伝える授業を、神奈川骨髄移植を考える会のご協力を得て実施することになりました。このように、未来を担う若者の理解を深めることが重要です。
そこで、
(1)骨髄ドナー登録を普及・促進するため、若者を対象とした広報を充実すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
→ 今後、成人式で動画を流したり、若者向けにネットで広報するなど取り組む
引き続きの取組の推進をお願い致します。
4 次に、人材確保の観点から、保育・幼児教育分野及び介護分野について伺います。
エッセンシャルワーカーの人材確保は待ったなしの課題です。
まず、保育・幼児教育分野についてですが、現在、コロナ禍の厳しい状況が続いていますが、今後も働き続けたいと思って頂ける支援が重要です。
そこで、
(1)保育士・幼稚園教諭等が、やりがいをもって働き続けるための取組について市長に伺います。
人材確保は、現在働く方々への支援と、将来に向けての取組が必要です。保育園や幼稚園の現場は、「仕事のわりに給料が低い」というイメージをお持ちの方も多いと思います。
しかし、保育士の給与面においては、我が党の国会での取組により、平成25年度から毎年のように賃金が改善されています。令和2年の国の統計によると20代前半の平均年収は、保育士は約305万円、一般事務は約270万円となっています。これに加えて本市では、市独自の処遇改善や、住居支援などを行っています。まだ不十分ところはありますが、メディアなどによる、年齢、年代も関係なく、全産業の平均との比較などなると、客観的な情報が世間に伝わらないように感じます。
将来に向けた人材確保においては、中高生、またその保護者に対しても、この仕事が人を育てる大きなやりがいと魅力にあふれていることをしっかりと情報発信していくことが重要です。
そこで、
(2)「保育士・幼稚園教諭等の新たな人材を確保していくために、情報発信をしっかり行うべき」と考えますが、市長の見解を伺います。
また、介護分野について伺います。
介護職員においては本市では、3年後の2025年の人材不足数が約6500人と推計されるなど、大変厳しい状況です。
これまでも様々な人材確保策を進め、来年度の予算案にもありますが、高まる介護ニーズに対応するため、まだまだ手を打っていかなければなりません。
そこで、
(3)介護分野における人材確保に向けた今後の取組について、市長に伺います。
これまで国でも、本市でも、様々な対策を行ってきましたが、これまでは、短期的な対策に終始してきた感があります。
事業者の努力に任せることには限界もあり、行政としても、より中長期的な視点で、さらなる対策、特に若い世代への対策に取り組んでいく必要があります。
先程の保育士・幼稚園教諭等についても同じことがいえますが、例えば、小・中学生のころから人の命の大切さや、人に関わる仕事の重要性や魅力を伝えることで、将来介護分野及び保育・幼児教育分野で活躍する人材が増えるのではないでしょうか。こういった観点から、
(4)「教育委員会ともしっかりと連携し、戦略を持って横浜の未来を担う人材の育成を進めるべき」と考えますが、市長の見解を伺います。
→ 今後、教育委員会と連携した人材確保の取り組みを進める
問題解決に向け、局を越えて連携し、一丸となって対応していくことを要望し、次の質問に移ります。
5 次に中学校給食について伺います。
我が党が長年にわたり要望を続けてきた、中学校給食が開始され、間もなく1年が経過します。現在の選択制のデリバリー型給食は、教育委員会をはじめとした関係者の努力と、アンケート結果など客観的な根拠に基づく市会での議論の積み重ねの結果、実現したものです。
来年度予算案では、「さくらプログラム」の実施校を、今年度の86校から全145校に拡大し、喫食率を30%にするとしています。
「給食を利用しやすい環境づくり」を進める上でも、教育委員会や学校から給食の利用を推奨することと併せ、学校内でも、生徒に給食を受け渡す配膳体制も強化する必要があります。
そこで、
(1)生徒の利便性を高め、教育活動を確保するためにも、受け渡し時間を短くする取組を進めるべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
もう一つ、現在の給食を発展させていくうえで力を入れて取り組むべき課題は、「イメージの改善」です。
横浜の給食の実態を知らない人たちによる、給食を批判する心無い発信によって、根も葉もない噂が広まり、中学生の保護者の皆様や生徒自身に、給食の利用を躊躇してしまう雰囲気を作ってしまったことは大変残念です。
そこで、
(2)現在のデリバリー型給食のイメージを変えるための取組が必要と考えますが、市長の見解を伺います。
これまで積み重ねてきた議論や努力を無にすることなく、デリバリー型給食の更なる発展に全力を注ぐよう要望し、次の質問に移ります。
6 次に、PFSの導入推進について伺います。
近年ではSDGsやESG投資に注目が集まる中、民間企業でも社会課題への関心が高まっており、ビジネスの手法で解決するソーシャルビジネスも活発になっています。
そこで、私が注目しているのは、民間ノウハウを活用して事業を実施し、成果に応じて報酬を支払う成果連動型民間委託、英語のPay For Successを略してPFSとも呼ばれています。
本市も、なかなか前に進まない、そうした課題を、民間活力を活かして解決するための手段として、このPFSを庁内に根付かせていくべきと考えます。
そこで、来年度予算案にも盛り込まれておりますが、
(1)これまでのPFS導入推進の取組内容について、市長に伺います。
国では、内閣府が中心となり、医療・健康、介護、再犯防止を重点分野と位置づけ、その普及促進に取り組んでいます。また今後は、その活用分野の拡大に取り組むとしています。
そこで、
(2)PFSの今後の活用について、市長の見解を伺います。
PFSは、民間事業者とリスクを分担して、より高い成果を生み出すインセンティブを事業者に与える契約手法ですが、その成果支払いの条件が厳しすぎると、民間事業者に過度なリスクを負わせることになり、事業が成立しないなどの問題もあるため、リスクとリターンの設計は簡単ではありません。
そうした事業設計プロセスの負担感も課題ではありますが、どのような成果を目指すのかを明らかにし、達成したい成果から逆算してロジックモデルを整理することで、施策を捉え直すきっかけにもなるため、横浜市は全局がこの成果志向の考え方で取り組むべきと考えます。
新たな手法であるPFSを庁内の様々な部署で活用していくには、ハードルも少なくないと思いますが、積極的に活用し、なかなか前に進まなかった課題解決が加速することを、私も強力に応援してまいります。
そこで、
(3)今こそ積極的にPFSを推進すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
→ 今後、全庁的に導入を進める
7―1 次に、温暖化対策について伺います。
本市は2050年ゼロカーボンヨコハマを目指していますが、先般、市長は市政方針において、本市の2030年温室効果ガス50%削減の目標を表明され、大変意欲的なものと感じています。
しかし、最新の2019年の削減実績では18%の削減にとどまっており、あと8年ほどで50%にするのは、並大抵のことではありません。市長の責任は極めて重いものがあります。
本市の、これまでの経験やノウハウをフルに活用させるとともに、考えられる限りの新たな手法にも果敢に取り組む必要があります。
ポイントの一つは、民の力です。脱炭素化は、例えば、先ほどのPFSのような民の力の活用がないと目標達成はおぼつかないのではないでしょうか。
そこで、
(1)行政だけではなく、市民も事業者もこの目標を共有し、その達成のために、あらゆる手法を用いて進めていくべきと考えますが、市長の見解を伺います。
ゼロカーボンを目指す横浜市として、国が目指す脱炭素ドミノの中核となるべきエリアを脱炭素先行地域として積極的に申請し、国の枠組を最大限活用する中で、全国を先導していくべきと考えます。
そこで、
(2)「脱炭素先行地域」への対応について、市長に伺います。
7-2 次に市内中小企業のSDGs達成・脱炭素化支援について伺います。
SDGs未来都市としての取組を始めて3年が過ぎ、ヨコハマSDGsデザインセンターの設立をはじめ数々の取組を重ねていることは一定の評価をしていますが、こと脱炭素に資する取組という点では、緒についたばかりであり、一層の粉骨砕身が必要と、あえて叱咤激励を送りたいと思います。
ぜひ注力してほしい取組の一つが、横浜市SDGs認証制度「Y-SDGs」です。
令和2年8月の制度創設以来、約1年で305者が認証を受けています。
客観性の高い制度であることは評価するものの、本市の事業者数は11万余に及ぶこと、また認証取得をはずみに経営の持続可能性を高めようとする事業者の意欲を鑑みると、まだまだ足りません。認証件数を大幅に増やし、より多くの事業者が活用できるようにすることが急務です。
そこで、
(3)「Y-SDGs」の拡大方法について、市長に伺います。
世界におけるESG金融の急速な進展は、金融機関によるCO2大量排出企業に対する、投融資の撤回という動きに広がっています。
今まさに脱炭素化は、市内中小企業の皆様にとっても死活問題となっており、速やかに行動に移せるよう、高い敷居をぐっと下げて、モチベーションが得られるような支援を充実させるべきと考えます。
そこで、
(4)中小企業のSDGs達成・脱炭素化支援の考え方について、市長に伺います。
2030年のSDGs、また2050年の脱炭素化の達成は、いずれも簡単な目標ではありませんが、市内中小企業をしっかりと支えつつ、達成していただくことを要望して、次の質問に移ります。
7-3 次にごみ焼却工場の脱炭素化について伺います。
先日、ごみ焼却工場の排ガスから分離・回収した二酸化炭素を水素と化学反応させて、都市ガスの原材料であるメタンを生成するといったメタネーションの実証試験を、三菱重工業グループ企業や東京ガスと連携し実施していくとの記者発表がありました。
このように二酸化炭素を分離・回収し利用する技術をCCUと呼びますが、
まだまだ新しい技術であり、コストが高いことや回収した二酸化炭素の利用先が限定されるなど課題が山積しています。
しかし、横浜市役所の温室効果ガス排出量の41%を占めるのが一般廃棄物事業であり、二酸化炭素最大排出施設であるごみ焼却工場の脱炭素化の推進は必須です。
そこで、
(5)ごみ焼却工場から排出される二酸化炭素を分離・回収し、利用する技術における課題について、市長に伺います。
現在、保土ケ谷工場の再整備に向けて検討が進められていますが、新規に整備する工場はこうした最先端の技術を取り入れ、世界のロールモデルとして、各国から視察が押し寄せる、市民が誇れるものとすべきです。
そこで、
(6)ごみ焼却工場の再整備にあたっては、脱炭素化に向けた世界の最先端技術を積極的に導入していくべきと考えますが、市長の見解を伺います。
こうした新たな取組を積み重ね、現在計画を進めている保土ケ谷工場の再整備の際にも、しっかりと導入されることを要望し、次の質問に移ります。
7-4 次にプラスチックリサイクルの推進について伺います。
海洋プラスチックごみや地球温暖化といった問題を契機に、素材としてのプラスチックがクローズアップされる中、「プラスチック資源循環法」が、いよいよ今年4月に施行されます。
しかしながら、実施に向けて考えなければならない課題は多くあります。
弁当容器や菓子袋などの容器包装に加え、新たに製品プラスチックも分別収集すれば量が大幅に増え、既存の施設で処理できるのか、非常に気がかりです。
また、製品プラスチックのリサイクルにおいては、そのコストを市町村が負担することとなっています。
プラスチックを燃やすことで多くの温室効果ガスが発生します。
脱炭素化に向けた施策は待ったなしであり、プラスチックリサイクルの取組はとても重要です。
そこで、
(7)製品プラスチックのリサイクルに向けた課題に対する見解について、市長に伺います。
製品プラスチックのリサイクルは、国が制度を構築しましたが、実施するのは市町村です。ハードルは高く、多くの市町村が実施の難しさを抱えているとの報道もあります。しかし、脱炭素の実現に向けて、日本の総人口の約3%を占める人口377万人の横浜市が、全国、ひいては世界のモデルになるよう、先頭を走っていくことが求められます。
そこで、
(8)製品プラスチックのリサイクルを積極的に推進していくべきと考えますが、市長の見解を伺います。
大いなるチャレンジが期待される今、市長が先頭に立って、前向きに検討いただくことを期待して、次の質問に移ります。
7-5 次に下水道事業における温暖化対策について伺います
横浜市役所の温室効果ガス排出量の18%を占めているのが下水道事業であり、温室効果ガス削減を強力に推進すべき対象です。
これまでも汚泥由来のバイオマス発電や汚泥資源の燃料化を導入するなど、比較的早い時期から積極的に温暖化対策へ向けて取り組んでいますが、今後より一層知恵を絞り工夫した取組に挑んでいく必要があります。
そこで、
(9)さらなる温室効果ガス削減に向けた、今後の下水道事業の取組について、市長に伺います。
下水道事業が、率先して温室効果ガス削減に取り組んでいただき、安全安心な市民生活の確保と温暖化対策の取組を両立させることを期待して、次の質問に移ります。
8.次に下水道事業について伺います。
今年は、本市に明治4年、外国人居留地へ日本初の本格的な下水道管が布設され150年、下水処理を開始してから60年という節目の年でもあります。
下水道は、休むことなく市民生活を支え、快適な環境を守っています。また、大雨から市民の安全・安心を守り、さらには、地震発生時にも、その機能を発揮することが期待されています。
震災時に問題となるのがトイレです。発災後6時間以内に約7割がトイレに行きたくなるとの調査結果もあります。
現在、地域防災拠点のトイレ機能を確実にするため、いわゆるハマッコトイレの整備が、令和5年度の完了を目標に進められています。
しかし、ハマッコトイレの整備に加えて、それらにつながる下水道管の早期の耐震化が必要です。
そこで、
(1)「下水道管の耐震化に向けた取組」について、市長に伺います。
地震災害への備えだけでなく、水害への備えも重要です。
令和元年の長野県千曲川や、令和2年の九州地方の水害では、まちを浸水から守っている排水ポンプ施設自体が水没し、大きな被害が発生しました。
これを受け、国は、下水道施設の耐水化計画と、水害に対する下水道BCPの策定を通知し、本市では、下水道BCP水害編をいち早く策定。昨年7月には、全国初となる訓練があり、私も現場で拝見したところ、対応力強化に向けた姿勢に感心するとともに、下水道施設を守る耐水化が大変重要であると認識しました。
そこで、
(2)「下水道施設の耐水化に向けた取組」について、市長に伺います。
さて、これまで下水道事業は中期的な取組内容や財政運営などを示した下水道事業中期経営計画を策定し、進められていますが、現在の計画は今年度で終了となります。
今後の計画が気になるところです。
そこで、
(3)「次の下水道事業中期経営計画」について、市長に伺います。
下水道事業は、市長が最高責任者です。市民、街を守る、さらには、大地震へ備えるよう、しっかり取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移ります。
9 次に、管理不全な空家等対策の推進について伺います。
市内には、一戸建ての空家は約2万戸、そのうち、劣化や傷みのある、いわゆる管理不全な空家は6,400戸あると推計されています。
こうした中、我が党では、空家の外壁の落下などに対する緊急的な措置の重要性を主張し続け、令和3年8月には「横浜市空家等に係る適切な管理、措置等に関する条例」が施行されました。翌月までには、所有者がいない空家に対して、応急的に危険な部材を取り除く危険回避措置が速やかに実施され、我が党としても、手ごたえを感じているところです。
そこで、
(1)条例に基づく応急的危険回避措置を実施したことについての所感 について、市長に伺います。
本条例では、この応急的危険回避措置のほか、法よりも早い段階で周囲への危険を知らせる標識設置が可能となりました。さらに、法では努力規定となっている所有者による適切な管理も、横浜市では義務化されています。
行政としては、なかなか介入できない難しい問題もあるなか、空家法に基づく指導などに加え、所有者による自主改善を強力に進めることが可能となり、本市における管理不全な空家等対策も新たな段階に入ったと言えるのではないでしょうか。
そこで、
(2)条例の施行を踏まえた今後の意気込みについて、市長に伺います。
この条例の施行を契機とし、管理不全な空家の防止・解消に向けて、着実に取り組んでいただくことを要望して、次の質問に移ります。
10 次に、市民の安全・安心に関わる「地域防犯対策事業」について伺います。
2021年の市内刑法犯認知件数は、2004年のピーク時と比べ5分の1以下にまで減少しています。これは、自治会町内会を始めとした地域の方々や、警察、関係機関の方々と連携した、地域防犯活動のたまものと考えています。
本市では地域防犯対策として、LED防犯灯設置事業や、県と本市で協働して行っている地域防犯カメラの設置補助事業を地域と連携して行っていますが、まだまだ地域ニーズには十分応えられていません。
不安定な社会情勢だからこそ、これらの事業は非常に重要で、継続的にしっかりと進めていかなければなりません。
そこで、
(1)地域防犯対策事業の今後の取り組みについて、市長に伺います。
これらは継続してこそ効果的な成果を生み出す事業です。今後も市民の安全・安心を確保するため、継続的に取り組んでいくことを要望し、次の質問に移ります。
11 次に地域交通の維持・充実について伺います。
我が党では定例会ごとにこの問題を取り上げていますが、生産年齢人口の減少、働き方の変化などにより、路線バスの減便が進むなど、地域の足に大きな影響が生じています。特に運転免許返納、バス停まで歩くのがつらい高齢者の方にとっては、買物や通院もままならず、日常生活における死活問題になっています。
一方、関係局が多い取組のため、「実験の結果がまとまらない」、「検討に時間がかかりすぎる」など、成果が出ずに、地域交通問題がますます深刻化する懸念もあります。
また、先の第3回定例会総合審査では、市長から「敬老パスの在り方と地域交通を総合的に検討していく」との答弁をいただきました。
そこで、今後、
(1)地域交通施策を強力に推進するためには、司令塔となり、軸となる部署を決め、地域交通施策を強力に推進する体制を構築すべきと考えますが、市長に見解を伺います。
→ 今後、新たな組織を作り推進する
来年度予算案にある、デマンド交通、タクシーの相乗り、地域の輸送資源の活用、他分野連携など、様々な実験にしっかり取り組むことは、選択肢を増やす視点から、評価できるものです。
一方、早期事業化に向けては、他都市で展開されている事例をベースに、マイナーチェンジするという効率的な方法もあるのではないでしょうか?
我が党も他都市視察を行う中で、本市にも取り入れられそうな良い取組を見てきました。
例えば、バスやタクシーなどの既存の交通事業者以外の事業者によるワゴン型のオンデマンド運行や定額サービス、福祉施設の送迎車両の活用など、既に他都市で展開されている事例も生まれてきています。
そこで、
(2)『他都市事例も参考にしながら、移動サービスの早期事業化を目指し、スピード感を持ってチャレンジすべき』と考えますが、市長に見解を伺います。
→ 他都市事例も参考にしながら、スピード感をもって進める
課題解決に向けて、施策を強力に推し進めていただくこと要望し、次の質問に移ります。
12―1 次に若手職員のモチベーション向上について伺います。
これまで申し上げてきた様々な課題解決を進め、市民ニーズに応えていくためには、今後どれだけ優秀な人材を確保し、育成していけるかが鍵となります。どれだけ市役所が立派になっても、人は石垣、人は城であります。
私はこれまで、管理職や若手、企業局の現場の方など様々な職員と話をしてきましたが、市民のために働きたいと熱意を持って入ってきた若手が、思う存分に働ける人事給与制度になっているのかと気になっています。
昨年度の決算特別委員会でも、職員のモチベーションを高め、意欲と能力を十分に発揮できるように人事考課の評価基準を見直すべきと申し上げていますので、そのことも踏まえて質問します。
本市では、係長昇任試験に合格すると最も早い人は29歳で係長に昇任できますので、他都市に比べて若手の意欲向上につながっていると思いますが、近年は受験率が横ばいです。係長職に対する自信のなさや、係長職は負担が大きくハードルが高いという職員の声も聞いています。
そこでまず、
(1)係長昇任試験の受験率に対する認識について、市長に伺います。
職員の昇任意欲を高めるためには、若いうちからもっとチャレンジできる職場環境をつくることが必要です。
昨年度の質疑でも申しましたが、市民や社会の要請に応えるために、思い切ったチャレンジをすることを組織的にサポートし、評価する組織であれば、職員も市民のために思う存分、力を発揮できるのではないでしょうか。
そこで、
(2)「経営層が率先して、職員が頑張ろうと思える職場環境を創っていくべき」と考えますが、市長の見解を伺います。
先程、係長職は負担が大きいとの職員の声に触れましたが、実際、本市の課長補佐・係長職は、他都市に比べて1人あたりの職員数が多く、係長が少ないのが現状です。
係長職の負担感を軽減するには、係長を支える部下職員、特にベテラン職員がしっかりと役割を果たすことが重要です。
3級のベテラン職員は「業務上係長を時に代理し、係全体の統括的・先導的役割を担っていく」役割があると、本市の人材育成ビジョンに規定されています。
しかし、3級へは本人の意思に関わらず昇任する仕組みとなっており、「中には、役割を果たしていないにも関わらず、長く在籍していることで自動的に給料は高くなり、若手のモチベーションを下げている人もいる」という声を耳にします。
これまでのすべてが悪いとは思いませんが、「働き方改革」など、世の中を変えようとしている今、こうした仕組みが慣習として当たり前に続くのはおかしですし、恐らく殆どの市民から見て、また世間の常識からして、納得のいく仕組みであるとは思えません。
横浜の未来のために、役割をしっかり果たせる職員だけが3級に昇任できるようにし、その原資をやる気のある若手に振り向けるべきではないでしょうか。
そこで
(3)「若手のモチベーションを高め、ベテラン職員にしっかり役割を果たしてもらえるよう人事給与制度を見直すべき」と考えますが、市長の見解を伺います。
→ 今後、見直しを進める
一足飛びに変えることは難しいかも知れません。激変緩和策を講じながらも、制度見直しの第一歩を着実に踏み出していただくことを要望いたします。
12-2 一方で、交通局においても、雇用に関する課題があります。
平成18年に市営交通が改善型公営企業として位置づけられて以降、人件費の抑制など様々な企業努力により、自主自立の経営を実現してきました。また、平成23年には、8年間停止していた正規職員の採用も再開した経過があります。
しかしながら、採用再開後の若手職員からは、「同じ仕事をしていても、ベテラン職員に較べて給与が低く抑えられている」との声が、私の元にいくつか寄せられております。
昨年、創業100年を迎えた交通局にとって、次の100年を支える若手職員の声にしっかりと応えていくことは、非常に重要であり、彼らが意欲を持って働ける環境づくりが不可欠です。
そこでまず、
(4)若手職員のモチベーションの向上のための取組について、交通局長に伺います。
交通局としても、これまで経営改善を進めながら、職員のモチベーション向上のために、様々な取組をされてきたことと思います。
しかしながら、若手職員から私の元に、いわゆるハラスメントに関する声なども寄せられていることを鑑みると、
(5)人事給与制度の改善だけでは解決できない、組織風土に関わる課題もあるのではないかと考えますが、交通局長の見解を伺います。
他方、国のデータによると自動車整備士の有効求人倍率が4.58倍となっており、全職種平均の1.13倍を大きく上回り、整備士の不足は深刻です。
交通局ではバス整備員の採用について苦戦していると聞いています。整備員がいなければ、安全にバスは乗れません。優秀な人材の確保は、若手職員のモチベーションの向上と同じく、早急に取り組むべき、待ったなしの課題であると、私も非常に危機感を持っているところです。
そこで、
(6)バス整備員の採用確保と若手職員のモチベーション向上のために、早急に対策すべきと考えますが、交通局長の見解を伺います。
13 次に外国人材から選ばれる都市について伺います。
来年度予算案で2021年に本市の人口動態が戦後初めてマイナスになったことが示されました。予算案全体に流れる問題意識であり、それに基づく各局の施策だと認識しております。
本市に限らず、日本社会全体で生産年齢人口が減少する中、将来にわたり成長を続けるには、もはや外国人の皆様の活躍なしには成り立たなくなっている、との現実を直視しなければなりません。
これまでも、世界的な人材獲得競争が見込まれ、横浜が選ばれる都市として何が必要か真剣に考えるべきと訴えてきましたが、来年度予算案で、「海外活力の取込や活躍支援を通じて選ばれる国際都市・横浜に繋げるための調査・検討」が盛り込まれ、期待するところです。
まずは基礎調査を開始するとのことですが、一過性の調査で終わらせず、本市の基本計画などへ位置づけたうえで、腰を据えた取組として頂きたいと考えます。
そこで、
(1)「外国人材から選ばれる都市の実現に向けて中長期的な視点で取り組むべき」 と考えますが、市長の見解を伺います。
さて、コロナ後も見据えて、外国人材が定住しやすい環境の整備が一層重要となってきます。それは、ひいては、横浜市民の安全安心にもつながる重要な取り組みでもあります。
本市では、国の制度に基づく外国人支援の拠点施設として「多文化共生総合相談センター」が1か所、本市独自の身近な相談窓口として「国際交流ラウンジ」が区単位で、それぞれ設置されていますが、以前から指摘しているように、外国人住民が10万人近く居住する本市の実情を踏まえると、センター機能が1か所しかないのは体制として極めて不十分です。
そこで、
(2)「外国人支援の拠点施設である「多文化共生総合相談センター」の複数設置を検討すべき」と考えますが、市長の見解を伺います。
コロナ禍をきっかけに、タブレット端末を用いた通訳機器の導入などが進んだことは評価していますが、今後は、それを更に進め、外国人コミュニティや支援団体等が相互に、言語の壁を意識せず相談や議論を行い、その中から必要な支援策を発掘できるよう、デジタルも活用したオンライン上のオープンなプラットフォームの構築が必要です。外国人の方々が横浜で安心して生活できる基盤になると考えます。
そこで、
(3)「外国人材から選ばれる都市や開かれた共生社会の実現に向け、外国人コミュニティや支援団体等が相互に議論できるオンライン上のオープンなプラットフォームの構築が必要」と考えますが、市長の見解を伺います。
→ 今後、構築に向け取り組む
受入を進める過程で様々な摩擦も生じるかもしれませんが、それを乗り越えて多様な人材と共生し、成長を引き出す社会に変われるか、本市の覚悟が問われています。外国人材から選ばれる都市・横浜への取り組みの一層の強化を要望し、次の質問に移ります。
14 最後に東アジアの都市と連携した国際平和の実現について伺います。
現在、我が国と中国との関係は非常に難しい状況にありますが、公明党は、日中国交正常化をはじめ、節目節目で大きな役割を果たしてきました。中国の人権状況に対する国際社会からの懸念については十分承知しており、基本的人権はいかなる政治体制でも尊重されるべきと考えます。
国同士がいかなる状況であれ、両国市民の願いは、平和な社会であり、自身や家族の幸せであります。
また、「他人の不幸の上に、自分の幸福を築くことはしない」とは、長い人類の歴史の中で創られた人類の知恵です。
現在の状況を相互理解の関係に変えていくためには、対話の道を開き、人と人とを結んでいくことが不可欠です。
横浜市から中国関係の機関や友好団体に働きかけることはもとより、例えば、ダイバーシティの象徴の一つであり、長年日中友好を支え、育んできた横浜中華街の皆様とともに、両国市民の心をより一層つなぎ、この横浜で、芸術や教育といった文化面での市民交流を通じ、対話していくことも重要と考えます。
2022年は日中国交正常化50周年、来年2023年は横浜市と上海市の友好都市提携50周年という大きな節目の年が続くことを踏まえると、この機会に都市レベルでの友好親善を一層推し進め、アジアの平和と安定への貢献に活かしていくべきであり、大事なことは具体的な行動であると考えます。
そこで、
(1)「2022年の日中国交正常化50周年、2023年の横浜上海友好都市提携50周年を契機に、日中友好の歴史を刻む取組を共同で行うことを検討すべき」と考えますが、市長の見解を伺います。
→ 国、上海市と連携して検討する
日中両国が、大切な隣国である韓国とも力を合わせて、人的交流や人材育成等をより強固に推進していくならば、その影響は、アジア全体はもとより、全地球的なスケールで広がっていくと考えます。
特に中国や韓国との若い世代の、環境問題など地球規模の課題解決に係る対話の促進や、文化面での相互交流が効果的と考えます。
そこで、
(2)「国際平和への貢献との観点から、中国や韓国の都市との間で、若い世代の交流を強固に推進していくべき」と考えますが、市長の見解を伺います。
国同士の関係が難しいときこそ、ピースメッセンジャー都市としての使命感を持って、自治体ならではの国際交流を進め、世界の平和に貢献していくことを期待し、公明党横浜市会議員団を代表しての質問を終わります。