権力の暴走を戒めた政治家について 5551
今週、通常国会が召集されました。コロナ対策のための医療提供体制強化や3回目のワクチン接種前倒しをはじめ、経済安全保障や子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」の創設などが議論されると報じられています。会期は6月15日までの150日間で、会期延長がなければ参議院選挙は7月10日に行われる見通しとのことです。
先日、政治家の姿勢について、公明新聞コラム「北斗七星」が記していました。
「日本の公害の原点ともいえる足尾鉱毒事件に深く関わった田中正造の天皇直訴から120年。(12月10日)
富国強兵・殖産興業の国是を背景に明治政府は、日本有数の銅山を経営する一私企業の無残な環境破壊に事実上、加担。周辺や下流域の住民の命や健康、暮らしは踏みにじられた。
国会議員だった田中は、農民の訴えを基に質問を繰り返すなど政府に善処を促すが、銅山経営者が政府重鎮の親戚だったこともあり、政府は田中の質問にまともに答えず、鉱毒被害を認めなかった。
1901年3月、田中は議員辞職の覚悟を決め国会での最後の演説を行う。「大泥棒」「盗人野郎共」「此国賊」などの罵り言葉を交えた前代未聞の演説に議会は騒然としたが事態は変わらなかった。
議員を辞めた田中は同年12月、当時は最高刑に死刑もあった直訴に踏み切る。結果として政府は鉱毒を形だけ認め、洪水対策を名目に渡良瀬遊水池を造成したが、それは当時、田中が私財をなげうち寄り添い、共に抗議活動を行っていた谷中村に鉱毒水を注ぎ込み、廃村に追い込むものだった。
田中の遺した「真の文明は山を荒さず川を荒さず村を破らず人を殺さざるべし」との言葉は、現代にも通用する。権力の暴走を戒め、弱い立場の人たちに寄り添い抜く誓いを込め拳々服膺することが大切だ。」
生活者を守るために立ち上がった、勇気ある先人の言葉と行動。
私は私の現場で、頑張ります。