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公明党 横浜市会議員(青葉区) 行田朝仁 (ぎょうた ともひと)

日本の経常収支「黒字」について 5195

未分類 / 2021年1月28日

IMG_0379 2昨日は議会運営の正副委員長会、理事会、各種打ち合わせ。来週から始まる予算議会への最終準備が進んでいます。来年度予算ではコロナの影響が大きく、「これまで提供されてきた行政サービスができなくなるのでは」など心配の声も耳にします。市民生活を守るための手立ては不可欠です。

キャッシュレス社会とはいえ、財布の中にお金が無いと不安になるものですが、「借金大国・日本」とされるのも心配のタネ。

先日、日経新聞コラム「大機小機」が「カネは天下の回りもの」と題して記していました。ご興味あればどうぞ。

「コロナ禍で発行の増えた国債を誰が買っているのか。即座に日銀との回答が返ってこよう。ご名答だが、もうひとり銀行という買い手がいる。

内閣府の試算によれば、2020年1~9月の年換算で銀行の国債保有額は29兆円増加した。15~19年は年平均で国債保有額を28.2兆円減らしていただけに、コロナ禍による行動変容は明らかだ。

20年は銀行の企業向け貸し出しも28.1兆円増え、15~19年の年7.5兆円増を大きく上回る。もちろん貸し出しや国債保有の拡大の元手となるおカネは、銀行の金庫で自然発生したわけではない。

家計や企業が流動性選好を強め、銀行預金を増やしたのだ。コロナで経営の先行きが不透明な企業は、銀行借入を増やすと同時に銀行預金を積み増した。家計も消費を抑え、銀行預金に走った。現預金は「平年に比べ70兆円の過剰保有」と内閣府はいう。

政府はコロナ対策として、企業向けに持続化給付金などを配り、無利子・無担保の融資を整えた。家計には1人当たり10万円の定額給付金を支給した。これらのおカネの多くが銀行預金に回り、その預金を元手に銀行が国債を買い、政府の国債発行を消化した。カネは天下の回りものとなり、政府の借金は綻びをみせずに済んでいる。

もっとも銀行の国債購入については注意すべき点がある。20年1~9月に保有額を2.5倍に増やしたのは短期国債で、その間に中長期債の保有はむしろ5兆円減らしているのである。短期国債は現金の等価物とされるので国債の買い本尊はやはり日銀ということになる。

ならば、その日銀はどこからおカネを調達しているのか。銀行が日銀に預けているおカネである。金融の量的緩和の下でこの日銀預け金は膨らみ、20年11月時点で480兆円に達している。ただし、その日銀預け金も元はといえば、家計や企業が銀行に積み上げている預金なのである。

資金は家計と企業、銀行、日銀と政府の間をぐるぐる回る。それが破綻せずに済んでいるのは、日本の経常収支が黒字であるからだ。

消費や投資など前向きの経済活動におカネが回らないと、景気は良くならない。それでも経常黒字が続き国内で資金がまかなえるうちは、蛇が尻尾を飲み込むようなおカネの流れが続くだろう。」

「経常収支」について、経済評論家の塚崎公義氏が、大変わかりすく解説されています。

「我々はマスコミ等で「国は赤字で、国の借金は巨額にのぼる」という話を頻繁に聞かされているので、混乱するかもしれませんが、この「国の赤字」というのは「地方公共団体ではなく中央政府の財政収支は赤字だ」という意味ですので、「日本国」が赤字であるわけではありません。

日本政府は赤字ですが、日本の民間部門(厳密には地方公共団体等を含めた、中央政府以外の日本ですが)が大幅な黒字なので、日本国としては黒字だ、というわけです。

夫が収入以上に浪費している一方で、妻は勤勉かつ倹約家なので巨額の蓄えを持っているため、妻は夫に金を貸し、余った分は銀行に貯金している、という夫婦をイメージすれば良いでしょう。

夫個人の家計簿は赤字ですが、夫婦としての家計簿は黒字で、貯金もありますから、夫が取り立て屋に追い回されることはなさそうです。夫婦喧嘩が絶えない可能性はありますが。

国が銀行から借金をして公共投資を行うとします。工事代金を受け取った建設会社がそれを銀行に預金したとすれば、一連の取引は終わりです。国の家計簿が赤字になっていて、民間部門全体としての家計簿が同じ額だけ黒字になっています。

最初と最後を比べれば、国の借金が増えていて、民間部門の資産が増えています。家計簿が赤字なら資産が減るか借金が増えるし、家計簿が黒字なら資産が増えるか借金が減る、というわけですね。

現段階では、海外との取引は行われていませんから、日本国全体としての家計簿である経常収支はゼロのままです。

建設会社が預金を引き出して社員に給料を払ったとしても、民間部門内の取引ですから、民間部門全体としての家計簿にも資産額にも変化は起きません。

民間企業が物(財およびサービス、以下同様)を作って輸出をして代金を受け取れば、民間部門の家計簿は黒字になります。政府は取引を行っていませんから、政府の家計簿はゼロです。したがって、日本国全体としての家計簿である経常収支は黒字となり、日本国全体として外国に資産を持つことになります。

実際には、輸出企業は持ち帰ったドルを銀行で売って社員の給料などの支払いに充てます。それを買うのは、輸入企業と投資家です。投資家は、米国債の方が金利が高いので、円をドルに替えて米国債を買うわけです。諸外国の株を買う場合や、諸外国に工場を建てる場合などもあります。

投資家が外国で受け取った利子や配当等のドルは、そのまま米国債等を買い増しするために使う場合もありますし、他の投資家に売る場合もあります。いずれにしても、利子や配当は更なる投資に使われるわけです。

実際には、民間部門は政府との取引、海外との取引、民間部門内の相互取引などを行っていますが、一つ一つの取引の合計で見ると、冒頭のように「日本政府は赤字だが、民間が大幅黒字なので、日本国全体としては黒字」ということになるわけです。

経常収支という統計は、貿易収支、サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支の合計です。これは、国家の家計簿と言えるものです。

貿易収支は財の輸出から輸入を引いたものです。サービス収支は、サービスの輸出から輸入を引いたものです。たとえば日本人が海外旅行へ行って外国人シェフの作った料理を食べて料金を支払えば、サービスの輸入になります。

貿易収支とサービス収支の合計は、貿易・サービス収支と呼ばれます。どちらも日本人が働いて外国人が楽しんで、対価を日本人が受け取るのが輸出、外国人が働いて日本人が楽しんで対価を外国人に支払うのが輸入です。

財・サービスの輸出は、サラリーマンの給料と似ています。他人のために働いて対価を受け取るわけですから。家計の消費は、財・サービスの輸入と似ています。他人が働いた成果物を使わせてもらって対価を払うわけですから。

第一次所得収支は、日本人が海外から受け取った利子や配当です。海外に支払った利子や配当は差し引きます。これは、家計が持っている銀行預金の利子から住宅ローンの金利を差し引いたものと考えて良いでしょう。

第二次所得収支は、政府による途上国への援助です。これは、家計による赤い羽根への募金等と似ているでしょう。

家計簿が黒字なら、預金が増えますし、赤字なら減ります。黒字でも預金が増えずに借金が減る場合もありますから、預金から借金を差し引いた「純資産残高」が増える、という方が正確ですね。

重要なことは、家計簿の黒字も経常収支の黒字も、企業の儲けとは違う、ということです。多く働いて大量の物を作り、それを少ししか使わずに他人に使わせてあげた「我慢の対価」が経常収支の黒字なのです。

まして、賭けマージャンの勝ちとは全く違います。賭けマージャンで勝てば、働いた以上に贅沢な暮らしができます。これは、働いて質素に暮らした結果の経常収支黒字とは、似ても似つかないでしょう。したがって、黒字だから他国に文句を言われるというのは変な話なのです。

自国の貿易赤字を問題視している某国の大統領あたりが「日本は我が国から不当に儲けている」などと難癖をつけてくるかも知れませんが、それは誤りだということを、しっかりと理解しておきましょう。」

わかりやすいです。超少子高齢化の社会にあって安心してはいられませんが、目先を見て「大変だ、大変だ」とする話に惑わされないようにしたいと思います。