昨日、議会運営に関する断続的な会議。一部の市民の方々から横浜市に「住民投票条例」を作って欲しいとのご要望について、その審議方法に関して議論。公明党としては、請求人の方々から直接お話を伺い、真摯に受け止め検討して参りました。
議会運営の規則等の確認と共に、これまでの政令指定都市や都道府県の議会での扱いも考慮しつつ、審議の場についての考え方をまとめて主張。市民の考え方も様々あり、それぞれの会派で考え方は異なります。これまで何度も会派間で協議を重ね、詳細に合意形成を図って参りましたが、結論には至りませんでした。議論の経緯を踏まえ、自民党、公明党の案としてまとめ、結果的に多数決で審議方法を決定。自公案で決まりました。審議方法の意見の違いについて記しておきます。
1 委員会付託
(採決結果)政策・総務・財政委員会に付託 ※(否決)議員全員で構成する特別委員会の設置
①特別委員会ではなく、常任委員会とする理由
○会議規則第36条において、所管の常任委員会に付託することが原則である。
○約19万筆の署名については当然重く受け止めているが、通常市長から提出される様々な議案も、市民の皆様の生活に直結するような大変重要なものであり、優劣をつけるものではないため、通常と同様に審議すべきである。
○したがって、会議規則に則り、通常通り常任委員会に付託すべきだと考える。
○会議規則上は、所管の常任委員会に付託することが原則である。例外として特別委員会に付託している。
○本市会において特別委員会に議案を付託している例としては、当初予算、決算、中期計画であり、いずれも1つの議案が市政全般にわたるものであり、総合的な観点から、全議員が参加し議論することが適当として、特別委員会を設置し審査を行っている。
今回の条例案は住民投票条例ということであることから、規則に則り常任委員会に付託して審査するのが妥当である。
(参考)会議規則(抜粋)
(委員会付託)
第36条 会議事件は、朗読、説明、質疑の後、所管の常任委員会又は市会運営委員会に付託する。ただし、朗読及び説明は、省略することができる。
2 常任委員会若しくは市会運営委員会の所管に属しない事件又は常任委員会若しくは市会運営委員会に付託することを適当としない事件は、特別委員会に付託する。
3 委員会が提出した議案については、前2項の規定にかかわらず、委員会に付託しない。ただし、市会の議決により付託することができる。
4 第1項及び第2項の委員会付託は、市会の議決により省略することができる。
②政策・総務・財政委員会とする理由
○今回の条例案の論点は、IR事業の是非ではなく、住民投票条例の制定の可否を議論するものであるため、政策・総務・財政委員会への付託が良い。
○先日、請求者の方々とお会いし、この辺りのお考えは伺っている。
○今回の条例案を所管する部署について当局に尋ねたところ、地方自治法に定める条例制定の直接請求についての法的な位置づけ等に関する審議となることが想定され、その所管は総務局であるとのことだった。
○したがって、総務局を所管する政策・総務・財政委員会に付託することが適当である。
2 請求代表者による意見陳述
(1)実施する会議
(採決結果)委員会 ※(否決)本会議場で実施
○この意見陳述がなぜ法律で定められているのかを考えたとき、住民自治の更なる拡充と議会における審議の充実を図る観点から制度化されたものと考えられる。その観点からすると、条例案に対する詳細審査を任された付託委員会において、請求代表者の意見陳述を行うことが妥当と考える。
○法令では、意見陳述を実施する場所は明確に定められておらず、他都市の例を見ても本会議・委員会いずれの例もあり、それぞれの議会で判断するものである。
○詳細審査を任された付託委員会において、請求代表者の意見陳述を行うことが妥当ではないか。
(参考)請求代表者の意見陳述の場(『質疑応答議会運営実務提要』議会運営実務研究会編集より抜粋)
Q:請求代表者が意見陳述を行う場は、本会議か、それとも付託委員会か。
A:住民自治の更なる拡充を図るとともに、議会における審議の充実を目指す趣旨から認められた請求代表者の意見陳述制度から勘案すると、実質的な条例案の審議が行われる付託委員会において請求代表者の意見を陳述することとするのが、適当であると考える。
(2)陳述者の人数、陳述時間
(採決結果)6人以内 合計30分以内 ※(否決)6人以内 合計60分以内
○政令市の例の中で最多の6人以内、合計30分以内。
(3)陳述者への質疑の有無
(採決結果)なし ※(否決)あり
○法令で求められているのは意見陳述までであり、他都市の例を見ても質疑については有りが4都市、なしが9都市である。
○今回の条例案の可否の議論は、各会派・議員同士で議論を交わして判断していくべきものだと考える。
○請求者の方とは先日面会をして御意見も伺っており、また、陳述時間も政令市最多レベルの30分としているので、その中で条例案の制定を請求された思いや御意見を十分に述べていただき、その御意見を十分に参考にし、署名の重みを受け止めながら、議会として議論していくことがよいと考える。
3 本会議関係(当局説明員の出席範囲)
(採決結果)通告に応じて、市長、副市長、関係局のみの出席で可 ※同意見
〇コロナ対策を踏まえた議会運営上の取組として、「当局については、議事運営上必要な範囲内において出席を求める。」としていることから、今回の付議案件が住民投票条例1件であるため、通告に応じて市長、副市長、関係局が出席することでよい。
4 委員会
(1)当局説明員の出席の範囲
(採決結果)所管の副市長及び局長以下(総務局)。関係局として都市整備局と選挙管理委員会事務局の関係部長等の職員。 ※(否決)市長、副市長及び関係局の局長以下
○通常の委員会運営どおり、副市長以下の関係職員とし、本会議と同様、コロナ対策を踏まえ、必要な範囲内の出席を求めることでよい。
〇今回の議論は住民投票条例の制定の可否であることが大前提ではあるが、関係局として、都市整備局と選挙管理委員会事務局にも、こちらは通例どおり関係部長以下にも同席いただくことでどうか。
(2)委員会の開催場所
委員会室で開催 ※特になし
○本市会は会派制をとっているため、各常任委員会には、各会派の代表者が所属しており、今回の審査に当たっては、無所属議員に対して優先的に傍聴議員席を設けることも提案している。また、各会派議員室のモニターやインターネット中継もあるため、全議員がリアルタイムで委員会の様子を確認することができる環境にある。
○したがって、運営方法を大きく変える必要はなく、通常の委員会審査と同様に委員会室で行えばよい。
5 臨時会(会期)
会期は3日間(1日目 本会議質疑、2日目 委員会審査、3日目 討論・議決)。日程は1月6日~8日。 ※(否決)会期は4日間 1月12日から15日までとする
○本会議での質疑を1日目、委員会審査を2日目、本会議での討論・議決を3日目とした3日間が妥当であると考える。この3日間で、署名の重みを受け止めながら住民投票条例に論点を集中させてしっかりと審議を尽くし、結論に導いていくことが議会としての責任であると考える。
〇請求者の方々の思いを受け止め、議会としてできる限り早く審議に入ることが重要である。
〇当局に確認したところ、年内に議案発送をし、最短で1月6日から審議に入れると伺っているため、1月6日からの3日間がよい。
〇当局側は予算編成の佳境を迎える時期であるため、これに支障を及ぼさないよう配慮すべきである。
○したがって、最も早い1月6日からの3日間がよい。
○政府が1月11日まで休暇を延長することなどを要請しているが、新型コロナウイルス感染症対策については、運営委員会で決定しており、今回の臨時会についてもその決定の範囲内で行う。
本議案について、年明け早々の議会で審議して参ります。