コロナ禍の「子どもとどう向き合うか」について 5046
「お前、いい加減にしろよ!」。その昔、私が友達と遊ぶのは大体外が明るいうちでしたが、ゲームが中心の今どきは、友達とオンラインでつながっていて、真夜中に「よっしゃー!」という歓声が上がることがあります。コロナ禍にあって数少ない人とつながる手段でもあります。しかし、これは色んな意味で格闘です。
コロナ禍での生活の変化は、子ども達に様々な影響を与えている。先日、“夜回り先生”水谷修氏が、コロナ禍に子どもとどう向き合うかについて、公明新聞のインタビューに応えられていました。
■親も子も経験がない事態に直面
新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けている学校生活。なお続くコロナ禍に子どもや親たちは、どう向き合っていけばいいのか。“夜回り先生”こと水谷修氏に聞いた。
■イライラからの虐待、言動増える
――コロナ禍で子どもたちが置かれている現状は。
臨時休校中は、いじめの相談件数がゼロだった一方、虐待に関する相談が増えた。これまで虐待とは無縁だった親が、子どもに暴言や心ない言動を浴びせる精神的虐待が目立った。
親も在宅勤務が増える中、勉強もせずゲームやSNS(会員制交流サイト)に夢中のわが子が目についたのだろう。虐待に至らなくても、大人のイライラに、今まで以上に子どもが直面しているのではないか。
ドラッグに関する相談も増えた。休校で友人にも会えず、平日も時間を持て余す中、“心の隙間”を埋めるようにドラッグに手を出したのだ。
――親はどう向き合うべきか。
虐待をした親と電話で話してみると、ほとんどの親は反省していた。さらに話を聴くと「仕事がうまくいっていない」「会社が倒産しそうだ」などの不安を打ち明けてくれた。
こうした親たちには、「親もつらいと思うが、子どもたちが一番つらい経験をしている」と伝えている。大人はお酒を飲んだり、多少のガス抜きができるが、子どもは、それができないからだ。
いら立ちや焦りからくる親の言動で、子どもの心に傷を付けたり、親子関係が壊れたら、取り戻せない。親も子もコロナ禍という経験したことがない事態に直面しているからこそ、家族で“つらさ”を共有してほしい。「お父さん、仕事大変だけど頑張るね」と率直に話すだけでも、子どもは素直に受け止め、肩をもんであげようという気持ちになるものだ。
この夏休みは、学校再開で戻りつつあった生活リズムが、崩れてしまわぬよう親子で協力してほしい。毎年、夏休み最終日の8月31日は子どもの自殺が最も多いが、今年は特に、大きな変化があっただけに、夏休み明け前後の子どもの様子を注意深く見てあげてほしい。
■(子どもたちへメッセージ)
◎学習の遅れなど焦らないで
◎規則正しい生活を続けて。それが2学期から生きる
◎相談はネットではなく学校に
――子どもたちへ伝えたいことは。
学習の遅れなどに焦らなくていい。周りの友達も含め、みんな同じ状況だ。むしろ、夏休みにしかできないような、自分が興味のある学問を探究してほしい。
また徹底して規則正しい生活を継続しよう。それが2学期以降の学校生活に生きてくる。そして、困った事があれば必ず学校に相談しよう。不確かな情報であふれるインターネットに相談先を求めてはいけない。」
困った事があれば、バーチャルなネットでなく、リアルな人間に。コロナを契機にデジタル社会へ拍車をかけることは大変大事なことですが、気をつけなくてはならないことが結構あるように思います。