昨日、本会議で会派を代表して質問しました。答弁別途ですが、ご報告します。(全文13,500字)市立学校の給食調理員さんの暑さ対策も質問。学校の夏休みが短くなりますと、7,8月の給食の日も増えます。給食調理室にはエアコンなし。対策すべきと質問。教育長がスポットクーラーの増設とドライアイスを使った冷感ベストを導入すると答弁しました。小さなことかも知れませんが、調理員さんにとっては大変なことです。少しでも涼しくなればと思います。
(質問項目)
1 新型コロナウイルス感染症対応の振り返り
(1)「新型コロナウイルス感染症対応の体制について振り返り、適切な司令塔のもと、第2波に万全の体制で備えるべき」と考えるがどうか?
(2)庁内の振り返りを踏まえた、第2波への備え
(3)新型コロナウイルス感染症対応における役割分担の整理
ア 宿泊療養施設の設置に係る役割分担の整理
イ 「じっくりと腰を据えて今後に向けて感染症対策を振り返るべき」と考えるがどうか?
2 新型コロナウイルス感染症に係る本市における緊急支援策
(1)くらし・経済政策と今後の政策展開
ア 「基礎自治体として、市民や事業者の置かれた状況を踏まえた適時適切な対策を講じていくべき」と考えるがどうか?
イ 新型コロナウイルス感染症が政策推進に与える影響の把握方法
ウ 「市としての徹底した雇用対策が必要」と考えるがどうか?
3 新型コロナウイルス感染症に係る市民の暮らしを支える取組等
(1)新型コロナウイルス感染症対応下での介護施設への支援
ア 「感染者等が発生した場合における判断基準や施設等の現状に合った対策を示すべき」と考えるがどうか?
イ 「クラスターが発生した施設での対応状況を感染者が発生していない施設に情報提供するべき」と考えるがどうか?
ウ 「他施設に職員が応援に行くなど、施設間で相互に助け合うべき」と考えるがどうか?
(2)障害福祉サービス事業所等に対する支援
ア コロナ禍における障害福祉サービス事業所の状況認識
イ 「新たな生活様式を踏まえた障害福祉サービスの提供に対する支援を行うべき」と考えるがどうか?
(3)子ども・家庭への支援
ア LINE相談の実施にあたり、期待する効果と意気込み
イ 「子どもの貧困対策をより一層拡充していくべき」と考えるがどうか?
(4)認知症対策
ア 認知症基本法案成立を見据えた、認知症施策の方向性
イ 認知症疾患医療センター5か所の追加に向けた取組状況
(5)「けんしん」の広報
「けんしん受診の不安を和らげるため、新型コロナウイルス
感染予防の正しい情報を発信することが重要」と考えるがどうか?
4 ICTの活用による教育機会の確保
(1)ICTの活用に向けた家庭での環境整備
(2)ICTを活用した家庭学習への支援
5 ICTの活用による本市の業務改革
(1)業務改革の推進
「テレワークやWEB会議などの環境整備を積極的に推し進めていくべき」と考えるがどうか?
(2)業務改革に伴う柔軟な人員配置
ア 「ICTの活用による業務の効率化で生み出した人員を、
災害対応等必要な分野に振り向けていくべき」と考えるがどうか?
イ 「平時から緊急時を想定した人員体制を確保し、いざというときに速やかに体制を切り替えられるようにすべき」と考えるがどうか?
6 市民の安全・安心に向けた取組
(1)大災害を想定した準備(地震・風水害対策)
ア 「災害時の協力協定が有効に機能するか改めて検証・確認をすべき」と考えるがどうか?
イ 「市民の皆様に避難行動を事前に検討していだくように働きかけ ることが重要」と考えるがどうか?
ウ 災害時におけるトイレ対策の考え方
エ 災害時の廃棄物処理の進め方
(2)今後の防犯対策事業の進め方
7 現業職員等の暑さ対策
(1)交通局の現場職員及びバス・地下鉄のお客様への暑さ対策
(2)収集職員の暑さ対策
(3)学校給食調理員の暑さ対策
8 本市の将来を見据えた取組
(1)多様な地域交通
ア 高齢者の移動支援の実現に向けた地域の取組
イ 「地域交通の充実に向け、様々な交通サービスを活用して取り組むべき」と考えるがどうか?
(2)外国人の活躍支援
ア 外国人材の受入・共生に向けた本市のこれまでの取組への評価
イ 「総合的な視点から外国人支援の体制を一層強化すべき」と考えるがどうか?
(3)都市間の連携を通じた国際平和への貢献
ア 横浜大空襲の犠牲者への思いを踏まえた国際平和への決意
イ 「市民の平和で安心な生活と国際平和に寄与するためにも海外都市との連携を一層推進すべき」と考えるがどうか?
(質問全文)
1 新型コロナウイルス感染症対応の振り返り
私は公明党横浜市会議員団を代表し、市政の諸課題について、通告に従い順次質問して参ります。
まず、これまでの新型コロナウイルス感染症対応について伺います。
コロナ対応については、特に、3月から、市長をトップとした対策本部会議を設置し、機能別のチームを構築してからは、市全体がまとまり、スピーディーな意思決定と幅広い対応ができるようになったと評価していますが、今後の検証は重要です。
一方、それまでの、ダイヤモンドプリンセス号も含めた対応は、一部の局による対応であったとの印象が強くあります。
そこで、
(1)新型コロナウイルス対応の体制について振り返り、適切な司令塔のもと、第2波に万全の体制で備えるべきと考えますが、市長の見解を伺います。
また、緊急事態宣言の解除を受け、各方面で感染第2波に備えた取り組みが進められていますが、本市も対策の強化や市内経済の再生など、第二次補正予算案が「くらし・経済対策」としてまとめられました。
しかし、予算事項以外についても、対策本部や各局が第1波での経験や課題を踏まえ、対応していく必要があります。
そこで、
(2)庁内での振り返りを踏まえ、第2波に備えてどのような対応をするのか、市長に伺います。
次に、コロナ対応における役割分担の整理について伺います。
3月下旬から感染患者の急拡大に伴い、医療崩壊が危惧されました。本市が、いち早く市内の医療機関と連携し、重症・中等症患者等の受け入れ体制を整備したことは評価できます。
一方で、様々な課題が見えてきました。例えば、宿泊療養施設の開設は、県と市の役割について、見直す必要があると考えます。
検査結果が陽性であっても症状がない方や、症状の軽い方については、宿泊施設等での安静・療養を行えます。
神奈川県では医療崩壊を回避するための医療提供体制として「神奈川モデル」を構築し、アパホテルなどの宿泊療養施設を開設し、受け入れを行っています。
横浜市でも、旧横浜市民病院の施設を活用した宿泊療養施設を開設し、運営を行っていますが、厚生労働省通知では、宿泊療養施設は都道府県が用意することとなっています。
今回のように、横浜市が総合的な利点を考慮し、開設を意図しても、神奈川県との協議が必要となりますが、県と市の協議は担保されていないため、齟齬が生じる原因となります。大事なことは体制でなく、人々の健康であり、安全安心です。県内人口の41%を占める本市が、県に事前相談することなく、大都市の強みを活かして、対策を速やかに実行できるようにすべきです。
そこで、
(3) 「宿泊療養施設の設置に係る県と市の役割分担の整理」について、市長に伺います。
今回、県とのやり取りの中で、医療提供体制の確保だけでなく、検査体制の強化やマスク等の衛生資材の確保、クラスター対応など感染症対策を進めるうえでの課題が浮き彫りになりました。そのほかにも、患者発生時の情報収集が主に紙ベースで行われている実態や、県が新しい取組について公表した後に、細部の調整がなされることもありました。
緊急の時こそお互いに情報共有することが大事であり、市町村に対し、県からの伝達のみだったことに、私は大変疑問を感じました。
市民の安全安心のため、こうした課題は早急に改善する必要があります。
一部には補正予算で対応しているものもありますが、今後のためにも
(4) 「じっくりと腰を据えて今後に向けて感染症対策を振り返るべき」と考えますが、市長の考えを伺います。
市民の皆様のために、より早く、より適切な対応を行えるよう、県や国ともしっかりと議論し、各々の事務権限の移譲も含めた最適な役割分担のあり方や、業務の見直しを強く要望して、次の質問に移ります。
2 新型コロナウイルス感染症に係る本市の緊急支援策
次に、コロナに係る本市の緊急支援策について伺います。
今後の経済見通しとして、経済成長率の大幅マイナス、失業率の増大という、これまで見たこともない数字が出てきています。
本市では、市民生活を守るため、5月に第一次補正予算を成立、施行させ、本定例会で第二次補正予算が審議されているところです。
大きな経済政策などは、国の役割ですが、市民・事業者を守るために経済局を設置する本市として、しっかり寄り添った対応ができるかどうか。真価が問われます。
そこで、
(1) 基礎自治体として、市民や事業者の置かれた状況を踏まえた適時適切な対策を講じていくべきと考えますが、市長の見解を伺います。
対策の大きな財源として、国の地方創生臨時交付金があります。
国の1次補正予算による、本市への地方単独事業分の配分額は約56億円で、これは、一人当たり2,777円の全国市町村平均額に対し、本市一人当たりでは1,514円という、非常に不満足な配分でした。
しかし、本市や市長会からの増額要望、また、横浜市会としても全会一致で増額を要望する意見書を提出し、国の2次補正では総額2兆円に上乗せされ、昨日、本市への地方単独事業分は、約189億円であるとの配分が示されました。1次補正予算時に比べ、大幅な増額であり、この財源を有効活用して、対策に取り組んでいただきたいと思います。
一方、2次補正でも、一人当たり8,458円の全国市町村平均額に対し、本市一人当たりでは5,094円という、格差は生じたまま。今回、感染が大きく拡大したのは大都市です。
一人当たりの交付額は全国一律ではなく、自治体間で極端な差が出るこれまでの国の交付金のあり方については、しっかりと国と議論し、是正すべく取り組むよう要望します。
ところで、本市の政策は、平成30年秋に議決した中期4か年計画に基づき進められていますが、コロナによる政策への影響は不可避であり、本市のどの部分に、どういった影響を与えているのかを、しっかりと見極めていくことが重要です。
そこで、
(2) 新型コロナウイルス感染症が政策推進に与える影響を、どのように把握していこうと考えているのか、市長に伺います。
次に、雇用対策について伺います。
コロナに起因する解雇や雇止めの報道が増えています。先月29日に厚生労働省が発表した横浜市の4月の有効求人倍率は1.23倍で、4か月連続で低下。各種調査でも、今後雇用環境は悪化が続き、かつてない不況も推測されています。
12年前のリーマンショック時の企業倒産や失業は大きな社会問題となりましたが、それを超える最悪の事態も想定される中、従来型の雇用対策では全く不十分であり、あらゆる知恵をだし、最大の雇用対策を、先手、先手で打つ必要があります。まさに経済局の存在意義が問われる今回の事態。本当に大変ですが頑張って頂きたい。
そこで、
(3) 市としての徹底した雇用対策が必要であると考えますが、市長の決意を伺います。
事業者をはじめ、市民の雇用・生活を守るためにも、基礎自治体らしい、迅速な支援策の実施を切に要望し、次の質問に移ります。
3 新型コロナウイルス感染症に係る市民の暮らしを支える取組等
次に、コロナに係る市民の暮らしを支える取組等につき、まず介護関係について伺います。
介護施設・事業者などは感染拡大防止のため、懸命に取り組んでいますが、実際、利用者・職員が感染した場合や、感染が疑われる症状が発生した場合、利用者へのサービス提供の実施や職員の自宅待機など、あらゆることが初めての経験となるため、判断に迷うとの声を伺っています。そこで、
(1)ア 感染者等が発生した場合における判断基準や施設等の現状にあった対策を示すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
また、特別養護老人ホームやグループホームなどは、多くの利用者がそこで生活しているため、細心の注意を払ってサービス提供を行っていても、集団感染のリスクは高く、実際にいくつかの施設でクラスターが発生しました。
その際、どのように対処したかとの情報を求める施設は多く、その経験は感染者が発生していない施設で役立つはずです。
そこで、
(1)イ クラスターが発生した施設での対応状況を感染者が発生していない施設に情報提供するべきと考えますが、市長の見解を伺います。
職員が濃厚接触者となった場合は、自宅待機となります。仮に複数の職員が濃厚接触者となった場合は、施設内の対応だけでは難しい場合も想定されます。
そこで、
(1)ウ 他施設に職員が応援に行くなど施設間で相互に助け合うことが必要と考えますが、市長の見解を伺います。
また、在宅サービスを継続するには、訪問介護や通所介護を適切に組み合わせることが重要です。コロナ禍では、個々の高齢者に寄り添うケアマネジャー同士が集まる連絡会等も開催が難しいとのことです。第2波に備えオンラインを利用した連絡会の開催などについても市としてバックアップしていただくよう要望し、次の質問に移ります。
次に、障害福祉サービス事業所等に対する支援について伺います。
緊急事態宣言下でも、支援が必要な利用者へサービス提供の継続をお願いしていた障害福祉サービス事業所では、障害のある人達を支える職員が、高い緊張感をもって、感染リスクに注意を払いながら、サービスが提供されました。
しかし、コロナ禍においては、今後も、それぞれの事業所が、どのような状況で、どのような工夫をしてサービスを提供しているか。現場の様々な声に耳を傾け、必要な支援策を実施する必要があります。
そこで、
(2)ア コロナ禍における、障害福祉サービス事業所がどのような状況と認識しているか、副市長に伺います。
国の緊急経済対策でも、これからのサービス提供に対する新たな支援メニューが打ち出されています。事業所への通所や、職員が訪問して直接支援するだけではなく、感染防止の観点から在宅時でもテレワーク等による就労への支援を受けられる仕組みや、ICTを活用した健康状態把握の取り組みメニュー等も新たに示されています。
そこで、
(2)イ 横浜市においても、新たな生活様式を踏まえた障害福祉サービスの提供に対する支援を行うべきと考えますが、副市長の見解を伺います。
基礎自治体として現場の声をしっかり聞きながら、引き続きの支援を要望して、次の質問に移ります。
次に、子ども・家庭への支援について伺います。
コロナによる学校休業や外出自粛等の長期化により、家庭の生活環境も急激に変化しました。ストレス・緊張が高まり、児童虐待の増加や深刻化につながる恐れがあります。
本市は今年度、児童虐待防止の取組として、子ども本人がSOSを発信する機会を増やすため、SNSを活用した虐待相談の検討を進めていますが、現在はその必要性が増しており、少しでも前倒して実施すべき、と考えていたところ、LINEによる相談を実施するとのことです。児童虐待防止の重要なツールとなると、大いに期待しています。
そこで、
(3)ア LINE相談の実施にあたり、期待する効果と意気込みについて、市長に伺います。
コロナ禍でもう一つ懸念しているのが、子どもの貧困問題です。例えば、ひとり親家庭などは経済的に困難を抱えやすく、失業や雇用の悪化などにより、深刻な困窮状態に追い込まれる可能性があります。先日の補正予算において、緊急的な対策が打ち出されましたが、安定的な就労や生活の立て直しには時間を要することから、今後も息の長い支援が必要になると考えます。
また、コロナウイルスとの闘いが長期化すれば、ひとり親に限らず、困窮する家庭は今後もますます増加する恐れがあります。これまでの貧困対策をさらに推し進め、苦しい家庭に寄り添った継続的な支援とともに、真っ先に影響を受ける子どもたちが社会から孤立し、未来を閉ざされることが決してないよう、しっかり取り組んでいかなければなりません。
そこで、
(3)イ 子どもの貧困対策をより一層拡充していくべきと考えますが、市長の見解を伺います。
次に、認知症対策について伺います。
コロナ禍においても着実に進めるべきもののひとつであり、国会では、認知症施策を前に進めるべく、昨年6月に衆議院で認知症基本法案が議員立法で提出されています。
そこで、
(4)ア 認知症基本法案成立を見据えた、本市における認知症施策の方向性について市長に伺います。
平成30年第4回市会定例会一般質問で、4区に設置されている認知症疾患医療センターを全18区に設置するよう市長に要望し、「認知症の医療体制について実態を把握した上で、市全体のバランスやアクセス等も考慮しながら、しっかりと検討していく」とのご答弁を頂きました。本年度予算には5か所のセンター増設が盛り込まれており、国の施策に先行して整備していただきたいと考えます。
そこで、
(4)イ 認知症疾患医療センター5か所の追加に向けた取組状況について市長に伺います。
認知症になっても安心して暮らせる地域づくりを目指し、さらなる施策の充実をお願いします。
次に、がん検診や特定健診などの広報について伺います。
現在、コロナ対応による、病院やクリニックの経営問題が注目されています。その原因の一つに、いわゆる「受診控え」があります。
緊急事態宣言の中、本市においても各医療機関に対し、急を要しない入院や手術は可能な限り延期し、医療スタッフと病床の確保をお願いし、また、各種けんしんも、国の要請で休止となりました。
しかし、解除後の今も、医療機関に行くことでコロナ感染のリスクが高まるのではと考える、「受診控え」。
本年4月の本市がん検診の受診者数は、速報値で約2万7千人と、前年同時期より約22%減少しています。また、人間ドックについても受診される方が減少しており、これらのことが、医療機関の経営を大きく圧迫しています。
感染を恐れてけんしんを控えてしまい、がんをはじめとした様々な病気が、進行し、適切な治療を受ける機会が失われることは、避けなければなりません。
こうした場合、濃厚接触の考え方等、正しい情報を知ることが重要です。国立感染症研究所が示している濃厚接触者の定義は、『目安として1 メートルの距離で、必要な感染予防策なしで、患者と15 分以上の接触があった者』などとあります。こうしたことを広報紙や回覧板などで徹底的に広報すべきと考えます。
そこで、
(5)がん検診や特定健診などを受診する不安を和らげるためには、新型コ ロナウイルス感染予防の正しい情報を発信することが重要と考えますが、副市長の見解を伺います。
市民の方の受診控えをなくし、けんしんを受けていただくために適切な広報をお願いし、次の質問に移ります。
4 ICTの活用による教育機会の確保
次に、ICTの活用による子どもの教育機会の確保について、伺います。
コロナによる学校休校中、児童生徒や保護者は大変不安を抱えていました。電話回線が2回線のみの学校が多いため、連絡がないとの声が、私のところにも寄せられました。こうした中、コミュニケーションを取りやすいよう、教育委員会が携帯電話約1400台を市内学校に配付したことは、高く評価しています。
家庭での学習については、「学びの動画」を教育委員会が制作し配信。その後、テレビ神奈川のサブチャンネル放送を利用するなど、授業コンテンツが視聴できるようになり、我が家も含め、自宅での学びに活用できました。
また、特別支援学校でも、手話講座、車いすに座っていてもできる運動など、それぞれの障害に対応した授業動画を各学校で作成し配信。動画で知っている先生をみて安心した、などといった感想が寄せられています。
ただ、「学びの動画」はよくできた内容でしたが、学校から子どもたちへの一方向のものとなっています。学習の状況を把握するといった以外に、子どもたちの心や体の状態を把握するには、双方向のやり取りができる手段を確保する必要があります。
そこでICTの活用です。先般、公表された「横浜市におけるGIGAスクール構想の方向性」では、令和2年度中に学校の通信環境や1人1台端末の整備が示されています。
ただ、いつ第2波が来てもおかしくない状況にあって、現在の環境下でICTを活用したコミュニケーションや学習機会の保障・充実に向けた準備を進めておく必要があります。しかし、全ての家庭にネット環境があるわけではありません。
そこで、
(1)この整備がされる前に臨時休業になった場合、ICTを活用した家庭での学びの環境をどのように整えるのか、教育長に伺います。
多くの教員にとって、遠隔で児童生徒とコミュニケーションを取り、オンライン学習を行ことは、初めてのことになるかと思います。現在の学校の通信環境や、端末が1人1台整備されるまでの間は、難しい部分もあると承知していますが、GIGA構想による端末整備前においても、ICTの活用が望まれます。
そのためには、教職員の研修や学校でのコミュニケーションツールの試行など、今のうちにできることを進めておく必要があります。
そこで、
(2)第2波に備え、ICTを活用した家庭での学習を支えていくために、どのような準備をしていくのか、教育長に伺います。
こうした取り組みは、様々な事情により、不登校の子どもたちの学びの保障にもつながります。是非、早急に準備をお願いします。
5 ICTの活用による本市の業務改革
次に、ICTの活用による本市の業務改革について伺います。
コロナ禍において、世間では「ハンコ」を押すために出勤するという報道もありましたが、本市では、文書の電子決裁の仕組みは10年以上前に導入済で、昨年度から本格導入されている在宅型テレワークの際も決裁が可能と聞いています。この点は評価しています。
また、テレワークの専用端末はこれまで30台でしたが、今回のコロナ対応で、最大100台を追加利用できる環境を整備し、WEB会議も、外部向けに数十回線程度を用意したと聞いています。こうした努力も評価しています。
しかし、新市庁舎だけでも約6000人の職員がいるなか、オンラインで実施できる業務が全てではない点を考慮しても、十分な数字ではないと考えます。
横浜市規模でのテレワークやWEB会議の環境整備には、相当な費用が必要になりますが、しっかりと予算を手当すべきと考えます。
そこで、
(1)新型コロナウイルスへの対応を働き方を変えていくチャンスと捉え、テレワークやWEB会議などの環境整備を積極的に推し進めていくべきと考えますが、市長の見解を伺います。
働き方を変えるといっても、区役所を中心とした窓口業務など、テレワークが馴染まない部署もあります。こうした部署には、AI、人口知能の活用が期待されます。
また大量反復・単純作業の効率化やヒューマンエラーの抑制に効果的なRPAの導入も積極的に導入すべきです。
AIやRPA等のICTにおける技術革新は、市役所の働き方を抜本的に変え、現在職員が行っている業務を代替していく時代も決して遠くないと考えます。
民間企業では、最新の技術を活用することで効率化し、すでに生産性をあげているところもあり、市役所業務においても、大幅な業務効率化が可能であると考えます。
一方、市役所には災害対応や、どうしても人でしか担うことができない分野があることも事実です。そうした分野に人材を投入することも必要です。
そこで、
(2) 業務の効率化で生み出した人員を、災害対応等必要な分野に振り向けていくべきと考えますが、市長の見解を伺います。
台風や地震等の災害もそうですが、有事に自治体が担う業務は膨大です。
コロナ対応では、平時より急激に業務量が増えた部署において、限られた人員で膨大な事務を処理し、大変苦慮したと聞いています。
4月以降、順次、発令を行い、現在は、一定の応援体制ができているとのことですが、緊急時には、全庁的な観点で、必要な部署へ人員を迅速・的確にシフトさせる必要があります。
また、応援体制の構築には、業務経験者を配置するなど、即戦力となる人材の活用が重要です。今回で言えば、保健所業務や給付金事務などの経験者の配置が必要となっています。
何かあってから検討するのではなく、あらかじめ緊急時を想定して、活躍できる人材を把握し、即時対応できる応援体制の確保が必要と考えます。
そこで、
(3) 平時から緊急時を想定した人員体制を確保し、いざというときに速やかに体制を切り替えられるようにすべきと考えますが、市長の見解を伺います。
有事の体制確保は大変重要です。しっかりと緊急時を想定した準備をお願いします。
6 市民の安全・安心に向けた取組
次に、大規模自然災害の対策等について伺います。
本市では、大規模地震を想定した総合防災訓練や、防災計画の定期的な見直しなど、災害に備えた取り組みを進めています。
一方で、その実効性において不十分な面があるのではないかと考えています。
特に災害時における関係団体等との協力協定について、協定締結後は機械的に更新され、現状と合っていないものもあるのではないでしょうか。
一口に災害といってもさまざまです。
例えば、富士山で大規模な噴火が発生した場合、本市には火山灰の降灰が想定されています。堆積した火山灰を誰が撤去し、誰が移動させ、どこに持っていくのか。どこにどれだけ置けるのか。こうした最悪の事態をシュミレーションし、準備しておかなければ、いざという時に市の交通機能がストップし、緊急輸送ができず、救える命も救えなくなってしまいます。
本市では、さまざまな分野で事業者等と災害時の協力協定を結んでいますが、いざという時に、協定に基づく、すき間のない活動が災害対応全体のなかで有効に機能するのか気になります。
そこで、
(1)ア 災害時の協力協定が有効に機能するか、改めて検証・確認をすべきと考えますが、市長の見解を伺います。
続いて、災害時の避難対策について伺います。
かねてから大規模災害が発生した際には、避難所に多くの方が避難してくることも考えられ、被災されたすべての方を受け入れきれないのではないかと危惧しています。
更に、コロナ対応を踏まえると、三密回避から、避難所の収容人数は、従来の四分の一になるとの指摘もあり、受け入れ体制はより厳しい状況になります。
「災害時には避難所には入りきらない」という行政としては言いにくいメッセージを、市民の皆様にしっかりとお伝えし、ご自身の命を守るために、自宅避難や、親族、知人宅などへの分散避難に向けた検討・準備を進めていただくよう、積極的に働きかけるべきと考えます。
そこで、
(1)イ 市民の皆様に避難行動を事前に検討していだくように働きかけることが重要と考えますが、市長の見解を伺います。
出水期を迎え、また、コロナ第2波が警戒されるなか、市民の皆様の命を守るために、踏み込んだ働きかけの実施をお願いして次の質問に移ります。
次に、災害時のトイレ及び廃棄物対策について伺います。
平成30年度の「横浜市民の危機管理アンケート調査」では「食料、飲料水を備蓄している」と回答した人が7割以上であるのに対して、「トイレパックを備蓄している」あるいは「いつも風呂に水をため置きしている」と回答した人はいずれも3割に満たない状況であり、それぞれの家庭においても災害時のトイレ対策の強化が不可欠です。
災害時、自宅、分散避難者が、避難所にトイレパックをもらいにくるなどの利用を想定すると、備蓄されているトイレパックの不足などが懸念されます。
そこで、
(1)ウ 災害時におけるトイレ対策の考え方について、副市長に伺います。
また、災害対策の中で、トイレ対策とともに廃棄物の処理は、非常に重要です。
緊急事態宣言下の4月の生活ごみ集積場所は、自粛生活によって、どこも溢れるほどになりました。災害時に、そこにトイレパックが加わった場合、倍以上になることも想定され、現在の週2回の生活ごみ収集では間に合わなくなります。
更に片付けごみや災害がれきなど、莫大な量の廃棄物が想定され、様々な場面を想定したシミュレーションを行うなどして、いざという時に、着実に廃棄物を処理できるようにすることが、災害対策の柱の一つと考えます。
そこで、
(1)エ 災害時の廃棄物処理はどのように進めていくのか、副市長の見解を伺います。
トイレ対策、廃棄物処理は、市民生活の基盤であり、どのような状況でも、確実に継続できるようお願いして、次の質問に移ります。
次に、「防犯対策事業」について伺います。
コロナ禍における緊急経済対策として、本市でも特別定額給付金の10万円給付を鋭意行っていますが、市内182万世帯宛に送られた郵送申請書に、詐欺への注意喚起チラシを同封し、「広報よこはま」での注意喚起など、詐欺を未然に防ぐ取組が徹底して行われています。
こうした防犯の視点も絶対に忘れてはなりません。
不安定な社会情勢だからこそ、防犯灯や防犯カメラの整備等の防犯対策事業は非常に重要で、しっかりと進めるべきと考えます。
そこで、
(2)今後の防犯対策事業についてどのように進めていくのか、市長に伺います。
防犯対策事業は継続してこそ効果的な成果を生み出す事業です。これからも市民の安全・安心を確保するため、しっかり取り組んで頂くことを要望し、次の質問に移ります。
7 現業職員等の暑さ対策
次に、コロナ対応に伴う暑さ対策について伺います。
本市交通局では、1月29日から駅員やバス運転手、地下鉄運転士がマスクを着用し、4月8日以降はすべての職員が着用。その中には、地下鉄の保守作業員やバスの整備員など、屋外で作業に携わる職員も多いと思います。
また、市営地下鉄・市営バスをご利用になるお客様の多くもマスクを着用されている一方で、車内換気のため一部の窓開けを実施していることから、冷房効率が下がり、例年よりも車内の温度管理が難しくなっているのではないかと考えます。そこで、
(1)交通局の現場で働く職員及び、バス・地下鉄車内におけるお客様への暑さ対策について、交通局長に伺います。
次に、夏のごみの収集作業について伺います。
マスク着用でのごみの収集など、屋外での作業は、これからの夏本番に向け、従来以上に対策する必要があります。
作業中のマスク着用については、熱中症予防に配慮しながら環境に応じて臨機応変に対応する必要があると考えます。
そこで、
(2)収集職員の暑さ対策について副市長に伺います。
次に、夏季の学校給食調理員の暑さ対策の取組について伺います。
5月末まで一斉臨時休業としていた市立学校では、6月1日から分散登校による段階的な教育活動が再開され、6月15日からは中学校で昼食を開始。ハマ弁が提供されています。7月1日からは小学校でも給食が開始されます。
今後、授業時数確保の点から、夏休みの短縮が検討されており、7月及び8月下旬にも給食提供が行われると伺っています。
児童生徒の暑さ対策はもちろんですが、市内小学校の給食室には休憩室を除いて原則、空調設備が設置されていないと聞いています。直営・民間に関わらず、給食調理に従事する職員の暑さ対策は非常に重要です。
そこで、
(3)給食調理員の暑さ対策の現状と今後の取組について、教育長に伺います。
早急に取り組まれることを強く要望して、次の質問に移ります。
8 本市の将来を見据えた取組
次に、本市の将来を見据えた取り組みに関し、まず、移動支援について伺います。
本市では今後、ひとり暮らし高齢者や、高齢者のみの世帯が増える中で、身体的な衰え等により一人で病院等へ行けない、買い物が困難との事例が増えていくと思われます。横浜には山坂が多い地域もあり、移動の確保が課題となってきています。
そこで、
(1)ア 高齢者の移動支援の実現に向けた地域の取組について、市長に伺います。
さて、今年1月に視察に訪れた群馬県の大規模デイサービス事業所では、送迎車を活用し高齢者の相乗りサービスを行っています。高齢者を自宅や駅、病院等に送迎するもので、AIを組み込んだ専用アプリ「福祉Mover」を活用した取組を進めています。
また他都市においても、国との連携の中で、こうした取組が広がっており、高齢者の日常的な足の確保として、介護車両を活用した移動支援が進んでいます。要支援者や要介護者が対象であるものの、高齢者の移動手段として有効な手法と感じます。
本市では主にバスやタクシーが移動を支えていますが、高齢になればバス停まで歩くこと自体がハードルになり、また、普段からタクシーを使うほど経済的に余裕がある方はそう多くないと思います。そのため、高齢化が進む中で移動ニーズを満たすためには、新たな発想による、新たな移動サービスが必要と考えます。
既存の交通手段との棲み分けなど、様々な課題があるとは思いますが、最新の技術と、民間企業や福祉サービス事業所等の地域資源をうまく活用することで実現できると考えます。
そこで、
(1)イ 地域交通の充実に向け、様々な交通サービスを活用して取組むべきと考えますが、市長の考えを伺います。
高齢化が進む中、身近な所への移動手段の確保は待ったなしの重要な課題です。現在進められている自動運転等の技術開発のような周辺環境の変化を待つだけでなく、横浜市が先頭に立ち、積極的に取り組んでいただくことを強く要望して次の質問に移ります。
次に、外国人の活躍支援について伺います。
今後、コロナの影響から横浜の社会・経済活動を回復・発展させていく上で、外国人材の企業・地域への定着や、介護分野における活躍へのニーズは、更に高まると考えられます。この間、わが党としても国境を越えて活躍する世界の人材に横浜を選んでもらえるよう、外国人材が安心して働き、共生できる環境づくりに向け取り組んできました。
一方、悪質なブローカーの介入など様々な問題点が指摘されていた技能実習制度の反省のもと、外国人材の受入拡大に向けて新たな在留資格である「特定技能」が創設されてから一年が経過しましたが、現在は見込みを大きく下回っている状況です。
コロナを経験して、外国人の活躍が重要であることが改めて分かりました。今後の経済回復期においても、受入を一層促進することで、依然として人手不足に悩む企業・事業者の支援につなげるべきと考えます。
そこで、
(2)ア 外国人材の受入・共生に向けた本市のこれまでの取組への評価について、市長に伺います。
外国人からの相談については、これまでは生活関連の身近なものが中心でしたが、今後、「特定技能」が拡大すると、就労資格や労働相談など、専門性を有するものも増え、国際交流ラウンジの負担は増大すると考えます。
区役所がスポーツ振興や文化振興と同じレベルで国際交流ラウンジを設置・運営していくという考え方では、今後の外国人の増加に対応しきれません。
先程述べました、国策の転換に伴い、外国人支援の専門性を高める観点から、国際局、区役所、横浜市国際交流協会YOKE、国際交流ラウンジの役割分担を早急に見直すべきです。
例えば、国際交流ラウンジとは別に、YOKEに設置されている多文化共生総合相談センターのような専門性の高い相談機関を、市内の方面別に複数個所設置することに加え、国際局を含む本市全体の外国人支援機能の強化も進めるべきです。
そこで、
(2)イ 総合的な視点から外国人支援の体制を一層強化すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
本市の外国人人口は大阪市に次いでわが国で2番目に多く、その責任から、必要に応じて国に提言を行うなど、外国人の受入拡大に係る政策形成をリードされることを期待し、次の質問に移ります。
次に、都市間の連携を通じた国際平和への貢献について伺います。
平成30年6月に全会一致で可決した「横浜市国際平和の推進に関する条例」は、「昭和20年5月29日の横浜大空襲により、多くの尊い命が犠牲になったことを決して忘れることなく」との一文から始まります。
本年は、その横浜大空襲から75年の節目を迎えました。
米軍機が定めた攻撃目標のひとつは5代目の横浜市庁舎。この議会棟を含む新市庁舎は8代目となります。民衆を不幸のどん底に貶めた軍国主義、その暗黒の時代を二度と繰り返してはならないとの決意は、議場の皆さんも同じではないかと思います。
そこで、
(3)ア 横浜大空襲の犠牲者への思いを踏まえた国際平和への決意を市長に伺います。
戦後、本市は、終戦からわずか12年後の1957年に姉妹都市交流を始めました。
平和を求め、二度と戦争を起こさないとの誓いも、その目的のひとつであったことは言うまでもありません。
その後、本市は、海外の様々な都市との連携・拡大を続けています。
その一つである中国・上海市との間では、コロナ禍において、当初、中国国内での感染拡大を踏まえ、本市から上海市にマスク1万枚を寄贈。その後日本国内でマスクが品薄となった際に、上海市から2万5千枚の寄贈を受けるとともに、同市の協力により現地から130万枚の調達を実現しました。
姉妹都市提携が、危機に際して市民生活に寄与した事例であり、困ったときに助け合う都市間・市民間のつながりは、平和の礎であることを再認識させられました。
そこで、
(3)イ 市民の平和で安心な生活と国際平和に寄与するためにも海外都市との連携を一層推進すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
フランスの著名な経済学者・思想家のジャック・アタリ氏は、2009年に上梓した著書『危機とサバイバル』において、パンデミックという深刻な危機に直面した人類の生き残りの鍵となるのは「利他主義」であると指摘しました。
他者のための行動が、ひいては自分のためになるという利他主義とは、言い換えれば「誰一人取り残さない」というSDGsの基本理念にも通じるものです。この価値観を尊重しながら、海外都市との連携や交流を進め、平和と繁栄に貢献されることを願い、公明党横浜市会議員団を代表しての私の質問を終わります。