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公明党 横浜市会議員(青葉区) 行田朝仁 (ぎょうた ともひと)

歴史変える 指導者の資質について 4858

未分類 / 2020年2月25日

IMG_0534昨日は終日市役所で予算委員会の準備、事務作業。昼食時に見たワイドショーでは、芸能人や専門家の方が新型コロナウイルスについてやり取りされていました。政府が責任を持って対処することは当然として、公共の電波が及ぼす影響と責任も考えた方がいいように感じました。批判も何も、後からなら何とでも言えます。何だか言葉が軽い。うわべだけのような言葉でなく、最前線で尽力される方々への感謝の心。現場で苦しむ方々に寄り添う心。それがあるなら、言い方も態度も違うのではないかなとも感じました。

いずれにしましても、早期の終息を願うと共に、次への教訓となる取り組みを期待しています。

先日、日経新聞「グローバルオピニオン」に、英オックスフォード大学のアーチー・ブラウン名誉教授が「歴史変える 指導者の資質」と題して寄稿されていました。

「米ソ冷戦の終結は当時のソ連最高指導者・ゴルバチョフ氏と英首相のサッチャー氏、米大統領のレーガン氏という3人の指導者の人的な要因によるところが大きかったといえる。強い考えを持ちながら専門家の意見に耳を傾け、互いに関与した。権力を集中させる独善的ないまの「強い指導者」は危うい。

(中略)
 
ソ連経済が疲弊し、米国との軍拡競争に堪えかね、冷戦終結につながったとの議論にはくみしない。軍事力の差が大きかったのは第2次大戦後から70年代までで、ソ連は均衡を手にしていた。ゴルバチョフ改革は経済よりも政治に重点があった。ゴルバチョフ氏が登場しなければ、冷戦は続いたとの議論さえできる。歴史はそれぞれの時代に現れた個人によりつくられる面がある。

現在は、トランプ米大統領や中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領ら強さを誇示する指導者が台頭している。個人へ権力を集中させ、独立した意見を無視すれば誤った判断を犯しやすい。米国では、独立しているはずの議会で共和党がトランプ氏に忠実に従い、最高裁判所も支持する。抑制と均衡が効かなくなっている。

困難な時代に大衆はカリスマ性のある「強い指導者」に引かれやすい。2つの大戦の間にはドイツのヒトラーやソ連のスターリンといった独裁者も出た。現在は高失業や移民の問題が高まるなか、ポピュリズム(大衆迎合主義)と権威主義が合わさり勢いを増す。

指導者には誠実さや知性、協調性といった資質が必要だ。ゴルバチョフ氏もレーガン氏も「強い指導者」ではなかった。ゴルバチョフ氏は改革を推進するため、党指導部に政策を提案をして説得する手続きに注力した。レーガン氏も政府の発言力を広げ、外交では当時のシュルツ国務長官ら側近の意見を重用した。

トランプ氏は実業家時代、89年の天安門の民主化運動を鎮圧した中国を評価し、ゴルバチョフ氏は弱腰と切り捨てた。トランプ氏が称賛するのは民主的なリーダーではなく、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)氏やプーチン氏ら独裁者、強権指導者だ。習氏とは実は気が合うかもしれないが、自己陶酔が米中関係の構築を困難にする。トランプ氏の危うさは専門家の意見に耳を貸さないことにある。」

この後に同紙編集委員の古川英治氏の編集後記が鋭いと感じました。

「ブラウン氏はソ連・ロシア研究者の間で伝説的な人物である。ゴルバチョフ氏をいち早く見いだし、同氏が85年にソ連最高指導者となる前にサッチャー氏との会談をお膳立てした。89年の冷戦終結の陰の立役者ともいえる。

30年後の世界は「冷戦後の終わり」ともいえる状況にある。プーチン氏は独裁体制を固め、旧ソ連構成国だったジョージアやウクライナに侵攻した。ロシアに限らず法の支配や報道の自由、人権を顧みない「強い指導者」が各地で権勢を振るい、民主化の逆回転が起きている。民主・自由主義を主導した米国のトランプ氏の価値観なき「自国第一主義」が、争いの種をまき散らす。

先が見えない市民の「不安」と「不満」が相まって、「国民を守る」と主張するポピュリズムが支持を集める。ブラウン氏は近著で「強い指導者」の危うさを描き、最新作では冷戦終結を実現した人的な要因に改めて焦点を当てて警鐘を鳴らす。民主・自由社会の「復活力」が試される。」

最後の段落「先が見えない市民の「不安」と「不満」が相まって、「国民を守る」と主張するポピュリズムが支持を集める。」との一文。ポピュリズムの危うさ、目先で動くマスメディアの危うさ。それらが招く混乱と社会不安。

経験したことのない問題を前に、今は冷静に対処することが求められていると思います。