安全・安心の横浜へ 「何を言ったかでなく、何をやったか!」

公明党 横浜市会議員(青葉区) 行田朝仁 (ぎょうた ともひと)

「障がい者支援」と「高齢者福祉事業の経営」について 4755

未分類 / 2019年11月14日

IMG_8646昨日は健康福祉・医療委員会(常任委員会)の超党派の行政視察で、鹿児島県鹿児島市吉野町にある社会福祉法人太陽会 障害者支援センター「SHOBU STYLE」(従業員数119名 利用者数約120名)に伺いました。(公明党大分市議会議員のかわべ浩子議員も視察で来られていて合流)1973年(昭和48年)創立。いまや全国的にも注目されている同法人。その人がその人らしく生きるためのスタイルを求めて活動されてきました。まず感じたのが、障害者施設としてはこれまで見たこともない規模の大きさ、充実した中身。相当な投資が必要と感じましたが、行政メニューはすべて活用し、銀行からの融資も受け、さらにクラウドファンディングで講堂をつくるなど、アグレッシブな取り組みを続けられています。

障害者支援センター「SHOBU STYLE」は、障害を持つ人たちが地域社会でよりよく暮らしていくために、友好的で、安全で、優しく、のびのびとできる環境を提供。障害のあるなしに関わらず、支援を必要とする人、支援を提供する側といった枠を超え、「ものづくり」を通し、人が本質的に備えている創造する力を引き出し、ともに協同する者としてよろこびをわかちあえるコミュニティーづくり、人と人がささえあい、つながりあい、つくりだすくらし、創造的な福祉事業の可能性に挑戦。トップリーダーから各スタッフまで、理念が徹底されていることを感じます。

IMG_8644具体的には、自立支援事業では、さまざまな障害に対して、人が本来持っている「力」を引き出し、発揮できる「エンパワーメント」の発想をもとに、健康管理、リハビリテーション、ADL(日常生活動作)トレーニング、自立生活支援、レクリエーションなどの各プログラムを提供。学園創設以来ものづくりを法人事業の柱としている「工房しょうぶ」では、ものづくりを通して人が本質的に持っている創造への可能性を引き出すための支援と啓発を中心に活動を継続。障害者施設という小さな単位ではなく、広く社会に枠を広げ、福祉文化の創造に寄与。作品は芸術家から請われての美術館での展示や大手デパートでの販売等々、全国各地から注目される存在。さまざまな創作活動を通じて独自のものづくりを提案。布の工房、木の工房、土の工房、和紙・造形の工房、食の工房等多様な作品を作っている。

歩きながら伺ったなかで印象に残る言葉が多々ありました。「経済原理で儲けることばかりが利益ではないと思う。障がい者がやりたいことをやって喜び、笑顔は利益だろう」「この先の目標はというものはない。イメージが生まれてこなければいけない。こうなくてはいけないというものはない。」「型にはめることが間違っているように思う」「障害者の彼らは元々の人間。周りに配慮することで何かを失う健常者と違うものがある。自分をそのまま出してくる。やりたいことをやる。だから訴えるものがある」

障がいを持つ方との向き合い方、付き合い方。新たな何かを感じました。

IMG_8652その後、同じ鹿児島市平川町にある社会福祉法人旭生会の特別養護老人ホーム「旭ヶ丘園」で「高齢者福祉事業の経営」について伺いました。老人デイサービス事業、老人短期入所事業、老人居宅介護等事業、障害福祉サービス事業、障害児通所支援事業などを経営する社会福祉法人。

ここに伺うことになった理由。それは職員が幸せな気持ちでなければ、決して良い施設にはならないという「哲学」と「行動」。ノーリフトケア(腰痛対策)、メンタルヘルス推進、スポーツサークル支援を徹底。そして、職員同土のコミュニケーション、経営者と職員とのコミュニケーション。ここに尽力されている。キャリアップにも注力。介護施設は病や障害を属性としてもった高齢者の日々の生活を支える場であるからこそ、「看護の知識をもった介護士が必要」と考え、資格の取得を積極的に支援。痰の吸引ができる有資格者数は、鹿児島県下の施設で他に例を見ない数となっている。その結果、看護師のいない夜間にも必ず吸痰資格者を配置することで、他施設がなかなか受け入れ出来ないような医療依存度の高い方々(経管栄養、腹膜・血液透析、慢性呼吸器疾患、気管切開、呼吸器装着、ALSなど)をも引き受け可能な施設へと成長を遂げた。

また、嘱託医を在宅支援診療専門医に変更し、看取りケア体制を強化したことで高い看取り率を維持。歯科も摂食・嚥下の専門歯科医に変え、適切な個別ケアを実施したことで、それまで多数発生していた誤嚥性肺炎の罹患者が、年間1~2名程度にまで激減。無駄な薬をやめる、むやみに病院に行かないことを徹底し、看取りケアを実施することなどで、ベッド稼働率がほぼ100%。好循環がうまれていた。

同法人では経営企画室を設置し、介護するだけではなく、社会の状況を捉えて、戦略的経営を実行。2016年3月よりICTツール「Teachme Biz」を導入。画像と動画を使ったスマホ・タブレットのデジタルマニュアル。現在、旭ヶ丘園では300近いマニュアルを作成。介護は「人対人」の超アナログな仕事だが、その仕事をする時間を生み出す為に、超デジタルなシステムを導入。また、センサー技術を工夫し「見守り・巡回」作業を効率化し、利用者と向き合う時間を増加させた。

地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する『健康経営2018大規模法人部門 ホワイト500』 を全国の社会福祉法人で初めて受賞。

更に、鹿児島で「暮らし」を求め続けた同法人は、「住宅型有料老人ホーム縁側」で「暮らし」だけで も「医療」だけでもない、どちらも兼ね備えた「介護と医療と生活の融合」した住まいを展開。がんの末期であっても、鼻腔栄養であっても、人工呼吸器であっても、決して「暮らし」を諦めない施設を展開。

昨日の2カ所に共通している点。それは「地域交流スペース」。存在しているというだけでなく、積極的に開放し、大いに活用され、利用者にも、地域にも、施設にとっても、なくてはならない存在になっているという点でした。勉強になりました。