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公明党 横浜市会議員(青葉区) 行田朝仁 (ぎょうた ともひと)

がん社会を診る「夜勤で高まる発症リスク」について 4565

未分類 / 2019年5月8日

IMG_5928昨日、新たな任期が始まり、横浜市会議員86人の顔触れがそろいました。市会広報用の写真撮影や防災服の採寸などが行われた後、新構成での団会議。終了後、ごあいさつまわりへ。

連休が10連休の方もいれば、そうでない方も。我が家には看護師がいますが、それとわかって従事しているものの、医療介護関係者の長期連休取得は難しいものがあります。

先日、日経新聞コラム「がん社会を診る」に東京大学病院の中川恵一准教授が「夜勤で高まる発症リスク」と題して寄稿されていました。

「前回、睡眠時間とがんのリスクを取り上げましたが、夜間勤務もがんを増やすことが知られています。

夜間も働く代表が看護師です。看護師の勤務は日勤(通常8~16時)、準夜勤(16~24時)、深夜勤(24~8時)の3交代制が一般的です。

デンマークの女性看護師を対象とした調査では、常時日勤の看護師に比べて、深夜勤務の人に乳がんの発症リスクが有意に高まることが明らかになっています。

また、深夜勤の経験期間が長い、あるいは回数が多くなるほどリスクは高くなる傾向も見られました。こうした調査結果も踏まえて、デンマーク政府は、20年以上の夜勤交代勤務経験を有する乳がん患者の一部を労災認定しています。

同じく看護師を対象にした米国の大規模な調査でも、夜勤の期間が長いほど、乳がんの発症リスクが増加する傾向が認められました。11万5千人の看護師を12年間追跡した結果でも、全く夜勤に従事しなかった人と比較して,夜勤を20年以上経験した人の乳がんの発症リスクは約8割も高まっていました。看護師に加えて航空機の客室乗務員、電話交換手などを含めて総合的に分析した研究結果でも、夜間勤務の女性の乳がんのリスクは5割近くもアップしていました。

夜間勤務の影響は欧米の女性看護師を中心にデータが集められてきましたが、日本人の男性労働者を対象に、勤務時間と前立腺がんのリスクとの関係を検討した研究も実施されています。

その結果、前立腺がんの発症リスクは、日中勤務する人に比べて、夜間勤務者では2.3倍、夜と日中の交代制勤務者では、3倍にまで高まることが分かりました。

世界保健機関(WHO)の外部機関である国際がん研究機関も2007年、夜間勤務を、ヒトに対しておそらく発がん性がある「グループ2A」という分類に認定しています。

人手不足が進むなか、コンビニやファミレスなどの24時間営業を見直す動きが出ています。深夜勤務や交代制勤務による発がんの問題も、働き方改革のなかで議論されるべきかと思います。営業時間の制限や、無人化の取り組みも解決策の一つかもしれません。」

なかなか難しい問題です。