昨日は常任委員会視察最終日。沖縄県石垣市を訪問し、石垣市観光基本計画、またスポーツウェルカム石垣島事業について伺った後、客船が着岸する再整備中の石垣港へ。
ここ数年で急増する石垣市人気の背景には緻密な計画があります。石垣市観光基本計画は、平成 23 年から平成 32 年までの10 年計画。この計画期間内、平成 25 年 3 月の南ぬ島石垣空港(新石垣空港)の開港・供用開始や、優位性のある観光資源の価値を育み、資源の活用と保全のバランスへの配慮、より魅力のある本市観光の形成と観光産業及び関連産業の連携を図り、観光による豊かなまちづくりをめざすことを目的に平成 22 年 8 月に策定。
この計画が功を奏し、目標として、計画期間である平成 32 年までに年間 100 万 人の観光客数を達成することとしていましたが、新空港の供用開始年である平成 25 年に約 94 万人、翌平成 26年には約 112 万。昨年すでに124万人を突破。今年は8月末時点で94万人。現在の平成32年目標は150万人。そこをピークに質の高い観光への転換を図りたいとのこと。
また、計画策定後に平成 32 年(2020年)の東京オリンピック開催が決定。その波及効果を考慮する必要に迫られ、観光目標の再設定し、新たなスタートを切っています。
【観光入域客数】これまでの目標・平成 32 年までに 100 万人 →新たな目標 ・平成 32 年における観光客数 150 万人
【観光客1人あたり平均宿泊数】これまでの目標・平成 32 年までに 4 泊以上が全体の 4 割以上 → 新たな目標 ・滞在泊数の平均値を 3 泊以上とし、更に滞在泊数を伸ばすことに取り組む
【観光消費額】これまでの目標・平成 32 年までに 650 億円 → 新たな目標 ・平成 32 年までに観光消費額 1,050 億円(150 万人×7.0 万円)
【リピーター】これまでの目標・平成 32 年までに 6 割以上 → 新たな目標 ・毎年 6 割以上のリピーターが訪れる観光地を目指す
【観光資源の価値保全】これまでの目標 ・自然・文化観光資源の価値を保全する仕組みと評価の実施 → 新たな目標 ・環境、地域社会、観光者のバランスを測る指標(RAKUEN 指標)の測定を導入
【アジアと日本の結節点】これまでの目標 ・日本を代表する観光地として、更に後世に繋がる 10 年間を歩む → 新たな目標 ・クルーズ客船(国内外)での入域客数 24 万人以上、南ぬ島石垣空港国際線施設 での乗降客数 8 万人
課題認識と目標を明確にした上で、同市において、下記の通り対策すべきこと、やるべきことが具体的になっています。羅列します。
1.中心市街地活性化の取り組みと連携した魅力的な散策滞在の掘り起こし
2.着地型地域密着旅行商品の発掘
3.まちかどボランティア制度の推進支援
4.広域観光ルートの見直しと新しい魅力づくり
5.「観光立市」広報の取り組み
6.やいま石垣さんばしマーケットの創出
7.クルーズ船関連機能の整備
8.国際観光圏形成の促進
9.観光通訳ボランティア登録制度
10.観光統計・顧客満足度調査の実施
11.教育旅行や MICE の誘致
12.スポーツウェルカム石垣島
13.観光誘客プロモーション・年間平準化対策の推進・美ら星リゾート婚活ツアー
14.石垣島情報・イメージの発信
15.伝統文化の宝庫の発信
16.大学・研究機関との連携による観光題材研究
17.海洋資源利用の魅力向上と永久利用及びマリンレジャーの促進
18.サメ駆除における新たな観光事業の創出
19.スカイレジャー振興
20.ゴルフ場建設に向けた取り組み
21.星空やナイトツアーを観光資源とした取り組み
22.美ら星ゲートの創設
23.石垣島の家庭料理を通じた食文化発信事業
24.ダムを活用した新たなスポーツ・観光事業の創出
25.石垣らしい水族館の推進
最高の作戦、最高の行動が最高の結果を導く。そうした強い意志が伺えます。規模や置かれている状況などは異なりますが、横浜市も学ぶべき点が多いように感じます。
また、スポーツ誘致で地域振興を進める「スポーツウェルカム石垣島」についても確認。
石垣市では、「世界基準・プロ基準のおもてなし」をテーマに、地の利を生かし、様々な種目のスポーツキャンプに対応できる充実した施設を整備。雨天時にも活用できる屋内練習場やトレーニングルームも充実させ、トライアスロンワールドカップ、千葉ロッテマリーンズ等々、スポーツ団体、イベント等の誘致に成功しています。スポーツ誘致が観光振興を爆発的に進めている実態を確認した次第です。
恐縮ですが、置かれた環境は異なりますが、コーディネートする人の力でどこまでも可能性を広げることができる。横浜市はまだまだいける。そんなことを感じました。