ローマの「積もるゴミの山」について 3920
林文子市長、3期目当選!20時に投票が締め切られた直後にテレビ神奈川の番組で当確が出てすぐに万歳。結果がわかっているだけに張り合いがないものの、それを見てから林陣営の開票立会人として青葉スポーツセンターへ。開票は21:15開始。投票所での事務ミスにより少し難航し最終確定時刻24:31。林文子候補、青葉区で圧勝でした。
林市長は横浜市における初の女性市長ですが、昨年イタリア・ローマでも初の女性市長が誕生。しかし、中身が全く異なるようです。やはり耳障りのいい言葉や、裏付けが曖昧なうまい話には気を付けなくてはなりません。今回の横浜市長選挙でも他候補の地に足のつかない、批判とポピュリズムが目立っていましたが、着実に、確実に、豊かな横浜へ安定して導くことができるのは誰なのか。これからのことは、これまでの行動を見れば見当がつきます。有権者の判断は賢明だったと思います。
「5月半ば、ローマが誇る観光名所コロッセオから車で東に25分。道路沿いのゴミ捨て場に置かれた巨大なコンテナは満杯だった。ゴミ袋をぶら下げた女性は散乱するゴミを一瞥(いちべつ)し、ためらいなく袋を放り出して立ち去った。露天商のロマン・カンさん(21)はため息をつく。「いつもゴミであふれてる。臭くて仕方ない」
観光都市ローマの名物は2つある。一つはおよそ2000年前にさかのぼる遺跡群。もう一つがそこかしこにあふれるゴミの山だ。マフィアが収集業務に携わっていたこともあり、昨年6月に就いた初の女性市長、ビルジニア・ラッジ氏(38)は当選直後から「ゴミ問題の解消」をうたって期待を集めた。確かに観光客が多い市中心部はゴミが減ったようにみえるが、市の外側はゴミの山が以前より増えている。
ラッジ氏は欧州連合(EU)懐疑派の「五つ星運動」に所属する。五つ星はポピュリスト(大衆迎合)政党とされる。国民に聞こえの良い政策を打ち出すのが特徴だが、肝心の実行力には疑問符が付く。ゴミ問題でも「解決」を唱えるばかりで具体策を打ち出せない。
「流れを変え、きょうから美徳のあるプロセスを築いていく」。ラッジ氏は今春、市民に排出抑制を呼びかけ、分別率の向上で対処する基本計画を発表した。だがゴミ処理を支える焼却施設の増設は拒否。EUの環境保護指針に従うとの理由だ。「環境美化」「環境保護」という言葉は発するが、具体策は二の次といえる対応に終始し事態は改善しない。
ラッジ氏は弁護士出身。華やかな容姿と切れのある演説で衆目を集めた。だが「ラッジ劇場」は明るい側面だけではない。就任直後から市の幹部人事でつまずいた。
元判事のカルラ・ライネリ氏(62)を市政の右腕を担う筆頭理事に充て、クリーンな印象づくりを演出した。だが同氏の年俸は約20万ユーロ(約2600万円)と過去の3倍近く。メディアなどの批判を受けてラッジ氏は報酬引き下げを約束したが、ライネリ氏は職を辞した。筆頭理事に近い財政担当理事も辞め、市の予算編成は大きく遅れた。透明な市政という「看板」は出足から色あせた。
既成政党はラッジ批判を強める。中道左派・民主党の書記長(党首)、レンツィ前首相(42)は「問題解決能力がない」と激しく批判する。ローマ・ラ・サピエンツァ大学のステファノ・シモンチーニ研究員(48)は「深い信条が無く、人気取りのための誇張が目立つ」と手厳しい。政治経験の乏しさを弁舌でごまかそうとし、それが事態を悪化させる悪循環だ。
■世論すら読み違え
世論の動きに敏感なはずのポピュリストだが、市民の声も読み違えた。「建設業者を潤すだけ」。ラッジ氏は昨年9月、同市への2024年夏季五輪の誘致をやめると発表した。選挙戦で「犯罪的」とまで批判した誘致を中止に追い込み、自信満々で発表したが世論調査では85%の市民が「招致すべきだった」と回答。五輪商戦を期待していた企業の反発も招いた。
市民の声は割れる。23歳の女子大生は「これまでの負の遺産を正すには時間が要る」と同情的だ。だがIT(情報技術)企業に勤めるパオロ・アンジェリーニさん(49)は「あまりにも不勉強だし、何の具体策もない」。
ラッジ市長を生んだのは汚職などをまん延させた既存政党への不満だ。だが就任から1年が過ぎ混乱は逆に深まったようにみえる。「誰が市長になっても変わらない」。50歳のタクシー運転手男性はつぶやく。「改革」の言葉と裏腹にゴミとあきらめだけが積み上がる。」
引き続き、各種公約の実現へ。林市政、3期目の出発です。