がんの罹患リスクについて 3739
昨日は午前中市役所での打合せ等の後、午後から公明党横浜市会議員団として、栄区にある上郷・森の家へ。同施設は、宿泊ができる市民利用施設。横浜自然観察の森や金沢市民の森、金沢動物園に隣接し、四季を通じて自然とふれあいことができる、市民の健康づくりを考えて作られたもので、年間約3万人の方が宿泊しています。約半数が市内小学校の体験学習での利用。オープンから24年が経過。設備の老朽化、赤字を市費で埋めるという状況の中、市はPFI/ROという公民連携スキームを活用してリニューアルする方針。現状確認のため視察した次第です。
ところで、日経新聞「がん社会を診る」東京大学病院の中川恵一准教授が「若々しくても罹患リスク」と題して記載されていました。
「日本の2015年の就労者数は6376万人と3年連続の増加ですが、15歳から64歳までの生産年齢人口は前年より24万人も減っています。逆に、65歳以上の就労者数は730万人と前年より49万人も増え、就労者全体に占める割合は1割を超えて伸び続けています。この比率はフランスでは約1%、ドイツでも2%程度で、欧米では移民などによって保っている働き手の数を、日本では高齢者が補っていることが分かります。そして、この流れを加速しそうな動きがありました。
日本老年学会は5日に会見を開き、現在は65歳以上とされている「高齢者」の定義を75歳以上に引き上げるべきだとする提言を行いました。さらに、前期高齢者の65~74歳は「准高齢者」として、社会の支え手と捉え直し、75~89歳を「高齢者」、90歳以上を「超高齢者」と呼ぶよう提案しています。
同学会は、15年6月、医療機関への受診率や死亡率、要介護認定率、身体能力、歯の数、知的能力などの分析から、現在の高齢者は「10~20年前に比べて5~10歳若返っている」との声明を発表しています。
高度成長期以降、バランスのよい食事や十分な身体活動、国民皆保険制度による医療への良好なアクセスなどによって、日本人は心身ともに若くなったのだと思います。たとえば、サザエさんのお父さんの波平さんは60年以上も前からずっと54歳の会社員ですが、大腸がんの経験者で都知事選挙にも出馬した鳥越俊太郎氏は76歳。二人の「若さ」の差は歴然としています。
老年学会は今回の提言を年金の支給年齢の引き上げなどに直接結びつけてはいません。塩崎厚労大臣も「慎重に議論しないといけない」としていますが、社会保障や雇用制度をめぐる議論に影響を与える可能性は否定できません。
がんは「遺伝子の経年劣化」といってよい病気ですから、どんなに肉体的に若々しくても、発がんリスクは年齢で決まります。65歳までにがんになる確率は男女とも15%程度ですが、仮に全員が74歳まで働くとすると、男性社員の3人に1人が、女性でも4人に1人程度が罹患することになります。がんが働く人に多発する「がん社会」がまさに到来しつつあります。」
元気で長生き、健康寿命の長い横浜市民となるよう取り組みます。