委員会視察 ホーチミン市近郊の工業団地視察について 3280
昨日はベトナム最終日。終日経済局関連の視察へ。下記はメモです。
ホーチミン市近郊のロンアン省及び省内工業団地へ。横浜市内企業の海外展開支援の促進に向けて、ベトナム南部のロンアン省人民委員会を訪問し、同省副主席をはじめ同工業団地の日本人アドバイザーの方などから工業団地への投資促進施策に関するヒアリング。その後、省内のロンハウ工業団地を視察。本市からの進出企業との意見交換も行いました。また、公益財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC)が協力関係の覚書を締結したレンタル工場を視察しました。
まず向かったのが、ホーチミン市内から車で約1.5時間のロンアン省人民委員会。ベトナム最大の商業都市ホーチミン市の西南西の隣接し、メコンデルタ(メコン川下流の三角州)の要衝に位置しています。高速道路の開通などを契機にここ数年の経済成長は著しく、工業団地の整備も進み、外国企業進出(日系114社)の増加に伴い、その受け入れ状況も急ピッチで整備中。駐在されている日本人アドバイザーからは、投資環境の改善を続けるため、同省、工業団地、進出企業の日頃の交流を促進し、課題解決に向けて取組みを進めているとのこと。
いくつか質問させて頂きましたが、インフラの安定性については、電気・上下水、港までの大型道路など整備中。5年計画で完成させる予定。5年前は電力不足であったが、国の政策的電気供給を受けている。毎年電力供給力を15〜16%増強しており、停電については瞬時停電がないように管理しているが、現実には問題も発生している。洪水水害については、ロンアン省の農業地域には水が入るが、工業団地はそもそも水害のない地域に整備している。
人材育成の準備に関しては、同省内に大学、職業訓練センターなどを整備し、企業へ人材を送り込むようにしているとのことでした。
同省副主席からは、ベトナムと日本国との関係が重視されるが、横浜市として海外企業を受け入れる準備はあるか等について質問がありました。
次に、約1時間移動し、同省内にあるKIZUNA JV 株式会社が運営する工業団地へ。横浜のIDECも開発にかかわっています。サドル分水栓(配水管から水を分岐する際に使用するバルブ)をつくるTABUCHI VIETNAMを訪問。海外からの投資が拡大している一方、改善されていくと思いますが、電力事情の課題もあるようです。
終了後、約1時間半移動し、最後の目的地である同省内のロンハウ工業団地へ。2006年5月に設立。2015年3月現在、入居企業142社、うち42社が日系企業。現在、所有する工場向け土地の7割以上の入居が完了していますが、今後、3年間でレンタル工場スペースを100,000㎡拡大し、2019年までには第2フェーズ(130ha)のロンハウⅡ工業団地を完成させる予定とのこと。
各団地とも、中小企業の進出希望に応えられるよう、500㎡~2,000㎡規模のレンタルスペースを整え、日本語ができる人材を確保するなど、少しでも日本で活動しているような感覚と近い環境を提供できるよう努めているとのことでした。まずはレンタルスペースで「お試し」で進出して頂き、しっかりサポートしていくので、将来的に大きくなり工場を買い取っていただければ、との話もありました。日本国内の多くの自治体が、以前は中国進出の後押しをしていましたが、現在はベトナム進出を支援する自治体が増えています。今月は神奈川県の黒岩知事もベトナムを訪れ、神奈川県内企業のベトナム進出のための後押しを表明していました。
ロンハウ工業団地では、横浜市神奈川区から同地へ進出しているKATSURA VIETNAM Co.,Ltd.(桂精機製作所、昭和39年の東京オリンピック聖火大バーナー、長野冬季オリンピック聖火リレートーチなども手掛けた企業)のお話も伺いました。2013年3月、ベトナム及びASEAN諸国で普及していく一般家庭及び業務用のLPガス需要をターゲットとして、調整器の製造販売を開始するため、ロンハウ工業団地にて、KATSURA VIETNAM Co., Ltdを開業し、インドネシア市場での拡大も含め活動されていました。
横浜市など行政に期待するところについて質問。社長からは、業界の話になるが、塗装業者、表面処理業者などが足りない。保税区内にあっても取引が難しい。ベトナム国内向けにビジネスをしようとするのも難しいことがある。そうした業界を見渡したサプライヤー進出の後押しをして頂くと有難いなどの話がありました。
また、ベトナムに進出して良かった点は、顧客もワーカーも人々が素直でオープン。良くないなと感じるところは「報連相」が苦手、とのことでした。
発展を続けるベトナム。若い人々が活躍するベトナム。多くのことを学ばせて頂きました。両国、両地域の更なる発展に少しでも寄与できればと思います。
全員、健康・無事故で全日程を終えました。これから夜行便で帰国します。