昨日、本会議が開かれ、議案の採決、意見書の提出を議決し、第2回定例会が閉会しました。公明党からは副団長の斉藤伸一議員(保土ヶ谷区)が登壇し、横浜の未来を見据えながら新市庁舎建設に関する議案の賛成討論を行いました。ブログの最後にご紹介させて頂きます。
今回の議会のおいても住みやすい街、選ばれる街を目指して議論を重ねたわけですが、先日、英国情報誌モノクル(MONOCLE)が2014年版「世界でもっとも住みやすい25都市ランキング」について発表したとZUU Online が発信していました。ベストテンには日本の3都市が選ばれているとのことで、世界の都市に対する評価の視点を知ることができるとしているわけですが、残念ながら、横浜はランクインしていませんでした。何事も評価の視点は多様にあるわけですが、下記の基準を見ると”選ばれて欲しかったな”と感じるところです。
「このランキングは犯罪率、医療制度、学校、景気、公共交通網に加え、緑地スペース、文化への取り組み、日照時間、電気自動車の充電スポット数、スタートアップビジネスの容易さなど、実に多角的な視点から評価されランクされている。さっそくその上位10都市を紹介することにしよう。
■10位 福岡(日本)
福岡は2013年から2つ順位を上げている。東京からは距離があるものの、職住接近の街で自転車通勤が多く、しっかりとした文化を持っており、しかも海も陸も食材にあふれた魅力的な街であることがしっかりと評価されている。国内小都市として独自路線を歩み、新しいビジネスで活性化されている点も評価が上がった要因であろう。
■9位 京都(日本)
京都も2013年からランクを3位上げている。街の佇まい、空気感といったものからして、国内のどのエリアにもない独特雰囲気を持っている一方、新しいものを比較的容易に受け入れる街という部分も大きく評価されていることがわかる。観光客を年間5,000万人迎え入れても150万の人が暮らし働くという、歴史と現代生活のバランスが評価されていることがわかる。
■8位ミュンヘン(ドイツ)
ミュンヘンは2013年と変わらず8位にランクインされている。中世から変わらない町並みを残しながらも、EUの中で最も成長著しいドイツを牽引していく新たなテクノロジーやサービスを取り入れる街としても注目されていることが理解できる。
■7位チューリッヒ(スイス)
チューリッヒはスイス最大の都市で、国のほぼ中央に位置する。ジュネーブはフランスに隣接し文化的にもフランスに近いものがあるが、チューリッヒはスイスらしさをもっとも訴求した街であり、古き良き欧州を感じることのできる街でもある。物価は高いが、他の欧州の都市と比べて安全で安心に暮らせる街としての評価を感じる。
■6位ウィーン(オーストリア)
ウィーンは昔ながらの欧州の街というイメージが強いが、実際に訪れてみると、若者のためのホットスポットが多く、スポーツイベントも多数開催される場となっている。快適な川辺の砂浜も独特で、緑の保養ゾーンが多い点も評価されている。文化面ではゲイコミュニティが存在したりユダヤ文化の伝統が残されていたりと、他のエリアにはないユニークな面が多いところもこの街を特徴づけている。
■5位 ヘルシンキ(フィンランド)
欧州の中でもバルト海に面するヘルシンキは独特の存在だ。自然との共生を実現した首都は透明感があり、穏やかな佇まいが好感される。歴史的な公園や広場も多く、随所に帝政ロシア時代の建物が残されているのが独特な雰囲気となっている。一方、町並みにはモダンなデザインも多く取り入れられており、単なる歴史的都市には留まらない魅力がある。伝統とモダンのバランスを意識した点が評価されている。
■4位 ストックホルム(スウェーデン)
北欧のベネチアと称せられるストックホルムは自然豊かな街というだけではなく、随所にデザインが意識されていることがわかる。見た目だけのデザインではなく、仕組みとしてセンスのあるものが多いのがこの街の特徴で、観光客がストックホルムに対する新たな気づきや発見ができるように様々な工夫がされている点が大きく評価されているものと思われる。
■3位 メルボルン(オーストラリア)
メルボルンはたびたび英国のエコノミスト誌でも世界で最も住みやすい都市として高評価を得ているが、街としての安定性、医療、文化と環境、境域、都市基盤といった点では、のんびりして住みやすい点が評価されていることがわかる。市内各所にはイギリス風の建造物も多く、西欧人がシンパシーを感じやすい街であることもプラスに働いている。一方、シドニーと違ってきらびやかな夜の世界も展開されており、伝統と近代的なセンスが融合している点が評判につながっている。
■2位 東京(日本)
東京は2013年から2つ順位を上げている。モノクルによれば、東京は巨大都市として経済面と文化面で双方の恩恵がありながら、街の荒廃がない。また食文化、ショッピング、アートといった側面はこれまで以上に魅力的になっており、大都市であるにもかかわらず人々に親切心がある点が評価されている。
■1位 コペンハーゲン(デンマーク)
コペンハーゲンは前年に引き続き1位を獲得。スカンジナビアの中でも特にコペンハーゲンは人々の生活のためにデザインされた街であることが大きく評価されており、それを随所で味わうことができる点で評価が高い。地下鉄や市バス、水上バスなども完備されており、街でのアクセスが良い点、近代的なものと自然との調和がはかられている点でも評価が高くなっている。
このように、世界の住みやすい街からの視点で見たときに、日本の街が思いのほか住みやすいと評価されている点が注目される。日本の街も改めて観察してみると意外な評価ポイントが浮かび上がることになるかもしれない。」
最後に昨日の討論をご紹介します。
「私は、ただいま議題となっております市第41号議案、平成27年度横浜市一般会計補正予算第1号につきまして、公明党横浜市会議員団を代表し、原案に賛成する立場から意見を申し述べます。
振り返りますと、平成7年の「横浜市市庁舎整備審議会」から新市庁舎整備の必要性についての答申が示されて以降、新市庁舎の建設に向けた予算が議会に提出されるまでに、実に20年間もの期間を要したということは、新市庁舎の整備というものが本市の数多くある事業の中でも、特に慎重な判断を要する事業であったという証であります。
平成24年5月、市会に「新市庁舎に関する調査特別委員会」が設置されて以降、新市庁舎整備に関する検討が進む中で、わが党は、市会においてこれまで20年間に亘り、関内関外地区活性化の取組みも見据え積み重ねてきた議論を尊重しつつ、常に市民の視点を踏まえ、是々非々の立場でこの議論に臨んでまいりました。
その過程では、単にスケジュールを優先するのでなく、収支シミュレーションをはじめとする、クオリティー・コスト・デリバリーの、いわゆる「Q・C・D」をしっかり達成することの必要性や、災害発生時の業務継続性の担保、技術革新が著しい中においても将来を見据えた高い環境性能の確保などについて、様々な視点から意見を述べてきました。
これらの意見が概ね反映されたものとして、平成26年3月に取りまとめられた新市庁舎整備基本計画に賛成した経過があります。
新市庁舎整備の事業費は、市債も含め市民の皆様からお預かりする、貴い市税によって賄われるものであり、一切の無駄を排して適切に執行されなければなりません。
コストの問題は、市民の皆様の関心も高く、しっかりと議論を行うために、先日の本会議においても我が党の福島直子議員から確認させていただいたところであります。
まず、基本計画の時点から事業費が上昇している点についてですが、当初懸念されていたような「オリンピック需要の高まりによる資材・人件費の高騰」の他に、新市庁舎に本来必要とされる「市民の利便性の向上」や「危機管理機能の強化」に加え、「社会保険加入の徹底などの社会的要請」という構造的な問題も考慮されたものであり、必要な機能・施設の見直しがされ、建設労働者の待遇改善につながるものであると理解しております。
将来的な財政負担についても、市債発行額を中期4か年計画で示されている計画期間内の6,000億円の範囲内で活用することと、横浜方式のプライマリーバランスを概ね均衡させる方針を変えずに、財政の健全性を維持するためにしっかり対応する旨、先日の本会議において市長から答弁がありました。
収支シミュレーションでは、基本計画時は、「民間ビル賃借料等の30年間分である680億円の範囲で市債の償還が賄える」という説明でありましたが、今回の試算では約1億円上回り、また、現市庁舎を使い続けた場合との費用の累計額の逆転時期も、48年の見込みが51年と、3年遅れることになりました。
これについては、新市庁舎が最先端の環境技術やライフサイクルコストを考慮した建物及び設備を導入し、さらには100年という長期間の使用にも耐えうる旨の市長の答弁があり、今後、徹底した行政改革に取り組むことを前提として、許容できる範囲にあると考えます。
また、行政部分の面積について、基本計画より約3,000㎡減らす対策が、その後の見直しでも維持されております。これは、会議室や打ち合わせスペースの不足といった課題や、将来の変化に対応できるのかという懸念がありますが、執務スペースの可変性や倉庫と事務室の互換性を高めることなどで柔軟に対応できるとのことであり、コスト抑制の観点から評価したいと思います。
仮に、現市庁舎を使い続けた場合、建物躯体のコンクリートが維持されたとしても、設備や外装など、建物の性能を一定の水準に維持するためには、修繕などで相当の費用(シミュレーションでは、今後、50年間で約90億円)が必要となるものと見込まれます。
しかも、新しいビルとは異なり、いくら費用を掛けたとしても、自由度の高い執務スペースや、先進的なICT環境を整えることは難しく、業務効率性を高めるには自ずと限界があります。
賃借中の民間ビルについても、今後、多数のビルが老朽化により建替えせざるを得ない時期が到来することは明らかであります。その際の移転費や、新しいビルへの移転による賃料負担の増加なども考えると、現状をそのまま放置しておくことが、コスト面から妥当とは言えない状況であると考えます。
現市庁舎は、著名な設計家である村野藤吾(むらの とうご)氏によってデザインされており、市民にも愛着のある建物でありますが、施設の老朽化や狭隘化、そして分散化の問題は、いつまでも放置できる状況ではありません。
特に、分散化については、市会定例会の開会中に、事業説明などで多くの職員が各ビルから議会棟まで頻繁に行き来しますが、移動などのために費やされる時間は相当なものがあり、人件費の観点からも損失が大きいと実感しています。
また、民間ビルについては、行政に求められる災害発生時の業務継続や情報伝達に深刻な影響が出ることも明らかであります。実際に、災害が発生しても、各区役所があるから大丈夫だ、という意見も聞かれますが、発災直後ならともかく、その後、すぐに国や各自治体と連携し生活支援や復興に向けた施策を推進する本部機能が必要になることが、これまでの震災からも明らかであります。
地震のほかにも、台風や暴風雨などの風水害も頻発し、危機管理機能の強化が強く求められる中で、災害復興に必要な部署が分散化された現状を放置していることはできないと考えます。
昨年度には、市民意見募集が行われましたが、大岡川沿いの親水空間を活用して欲しいといったご意見が寄せられておりましたが、こうしたご意見に対しては、大岡川沿いの水辺の憩い空間とアトリウムをつなぎ、人々が回遊する空間を設ける計画とするなどの配慮がなされています。
また、市民や来街者が集い、憩えるアトリウムなどの市民利用スペースについても、エレベーターの追加設置などによる動線の強化が図られており、どなたにも優しい市庁舎となることが期待されます。
また、市内経済活性化の観点から、これほどの大規模な事業なので、WTO案件となることはやむを得ないとしても、出来る限り市内企業にも参画の機会を提供するよう、要望してきました。
今回、WTOに抵触せず、新市庁舎整備のスケジュールに影響することなく工事が出来るとして、低層部の内装などの工事が確保されたことは評価します。今後も、市内企業の参画について、機会を捉えて、出来る限り間口を広げて取り組むよう、この点については強く要請します。
以上、これまでの長年にわたる議論の全てをこの場において表現はできませんが、議論を尽くし、様々な課題に前向きに対応しながら取り組んできた今回の計画であります。
今後も市民の皆様にその必要性を理解していただけるよう、引き続き丁寧な説明に努めるとともに、将来、私たちの次の世代、さらにその次の世代が、あの時の判断は正しかったと、長きに渡り市民に愛され、喜ばれる市庁舎となるよう、着実に事業を進めていただくことを要望し、公明党横浜市会議員団を代表しての討論を終わります。」