決算特別委員会 建築局審査について 2885
昨日は決算特別委員会局別審査。建築局、環境創造局関連の質疑が行われ、私から建築局に関して質問しました。前向きな答弁を頂きましたが詳細は別途。質問内容のみをご報告します。
1 がけ地の防災対策
はじめに、がけ地の防災対策について伺います。先日の一般質問でも災害対策について取り上げましたが、今日は掘り下げて伺います。
8月20日、広島で発生した大規模な土砂災害では74名もの尊い命が失われました。この災害は、最大時間雨量が120mmに達するような局地的豪雨が数時間降り続いたことによるものでした。
近年、100mmを超えるような豪雨は各地で発生しており、青葉区は大丈夫か、横浜の崖は大丈夫かと市民の皆様から不安の声も聞いています。そこで、
(1)どの程度の豪雨で崖崩れが発生する傾向にあるのか伺います。《局長 答弁》
建築局では過去の時間雨量に対する崖崩れの発生状況を調査したとのことですが、豪雨による崖崩れが起こる場所をピンポイントで予測するのは難しいため、雨量の状況や過去の発生頻度など様々な情報を、市民の避難や災害対策を統括する区役所と共有し、的確な災害時の対応を進めてほしいと考えています。
また、自助・共助の視点では、崖地の周辺住民が危険を予測し、避難の準備や情報の入手など事前の対策を取ることが大切です。
事前に得られる情報には、大雨警報や土砂災害警戒情報などがありますが、高さ5mを超える崖地を表示した土砂災害ハザードマップが各区で配布されているので、これを活用することが有効だと考えています。そこで、改めて、
(2)ハザードマップが目指す効果は何か伺います。《局長 答弁》
ハザードマップを作成・配布することは、災害から身を守るためにも重要であることはわかります。
広島で発生した土砂災害では、警戒区域や特別警戒区域に指定されていない箇所もあったことが、住民の避難を遅らせた原因の一つになったと聞いています。
本市のハザードマップには、土砂災害警戒区域の掲載はありますが、著しい災害が予測される特別警戒区域は、まだ県が指定していないため掲載されていません。しかし、市民の命を確保するためには、この特別警戒区域を早急に指定する必要があると考えます。
指定にあたっては、事前に住民への説明が行われるなど、指定されるまでの過程でも住民の危機意識の向上などに役立つものと考えます。一方で、特別警戒区域の指定には様々な問題があると聞いています。そこで、
(3)土砂災害特別警戒区域の指定に伴う課題について伺います。《局長 答弁》
指定に伴う様々な課題の解決には、土地所有者などの地権者や周辺住民など、それぞれの立場に立って、取り組むことが必要だと考えます。
そのためには、土地所有者や周辺住民に対して崖の危険性や特別警戒区域の指定の必要性について丁寧な説明を行い、理解を得ていかなければならないと思います。そこで、
(4)今後の特別警戒区域の指定に向けた具体的な取組について伺います。《局長 答弁》
市民の皆様が本当に安全・安心な生活を送れるようなまちづくりを達成するため、一日も早く、区域の指定や崖地の防災対策を実行するよう要望します。
2 都市計画に係る権限移譲と線引き見直し
次に、都市計画に係る権限移譲と線引き見直しについて伺います。
1年前、線引きの都市計画決定権限が神奈川県から本市に移譲されたことを受けて、線引き見直しの基本的な考え方について都市計画審議会に諮問し、小委員会における検討が始まっています。
本年6月には都市計画法が改正され、本市の都市計画の根幹となる「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」いわゆる整開保についても、権限が移譲されることとなり、来年6月に施行されると聞いています。
また、これを受けて小委員会においては、線引きに加えて整開保等の見直しの基本的考え方についても検討が行われ、「とりまとめ案」の段階に至っています。
今後、この「とりまとめ案」をもとに答申案が作成され、都市計画審議会で審議されることになると思われます。そこで、まず確認のため
(1)都市計画審議会小委員会での検討状況を建築局長に伺います。《局長 答弁》
本市においては市域の4分の1が市街化調整区域でありますが、土地利用をみると多種多様な状況にあります。
「とりまとめ案」の概要については建築局の常任委員会での報告を聞いていますが、鉄道駅やインターチェンジ周辺などの市街化区域編入の考え方だけでなく、逆に大規模な緑地などについて市街化区域から市街化調整区域への編入の考え方が示されているなど、様々な地区を想定した多様な施策が用意されているという印象でした。
地区計画は地元の合意形成のもとで地区ごとのルールを定めることができる制度で、本市の市街化区域では、これまで100地区以上定められていますが、市街化調整区域においては1地区の指定にとどまっています。
都市計画審議会小委員会における今回の「とりまとめ案」においては、市街化調整区域における新たな施策のひとつとして地区計画の運用が盛り込まれており、是非積極的に進めていただきたいところですが、そこで、
(2)市街化調整区域における地区計画の活用についてどのように考えているか、副市長に伺います。《副市長長 答弁》
今回の整開保及び線引き見直しについては、神奈川県から本市への権限移譲を最大限に活かした見直しになるのではないかと、大いに期待しています。
昨年一月の市長から都市計画審議会への諮問以来、検討が進められ、答申も間近という状況になっているわけですが、そこで、
(3)都市計画審議会への諮問の意図や答申への期待について、副市長のお考えを伺います。 《副市長長 答弁》
よろしくお願いします。市街化調整区域といっても土地利用はさまざまであり、一つ間違えると無秩序な土地利用となってしまうことが懸念されます。
権限移譲後初めてとなる線引き見直しについては、2年後の、平成28年度に告示の予定と聞いており、様々な段階を経て決定していくことになりますが、整開保と連動しつつ、きめ細かく対応できるようにしていただくことをお願いします。
3 子育て世帯に対するすまいの支援について
次に、定住化を促す取組について、いくつか質問します。未来に向けて解決すべき課題として、少子高齢化、生産年齢人口の減少があります。この課題を解決するためには、市民の皆様が住みやすい街と感じて、横浜に定住してもらうために、様々な施策を講じていく必要があります。
その一つとして、子育て世帯にやさしい施策は極めて重要です。先週、国でも空き家を活用した子育て家庭への住宅支援についての記事がありました。
このような中で、本市も、住まいの支援として、若い子育て世帯に向けて、居住の安定の確保のため、子育て世帯向け地域優良賃貸住宅事業を行っており、大切な役割を担っていると伺っております。そこで、決算ですので確認ですが、
(1)子育て世帯向け地域優良賃貸住宅事業の実績について伺います。《住宅地再生担当部長 答弁》
25年より供給開始とのことで、まだ事業の実施から日が浅い状況ではありますが、事業の立ち上げにあたっては、様々な課題もあったと思います。
また、忙しい子育て世帯は、住宅についてもクリアしなければならない条件が非常に多いと思いますので、そういった意味で供給面での課題もあるのではないかと思います。そこで、
(2)事業を進めていく上での課題について伺います。《局長 答弁》
既存の民間住宅の認定により進めている事業であるということは、民間活力を活用することができ、財政的な負担も軽減されていると思います。セーフティネットとしての意味合いが高く、今後も供給を進めて行くべきと考えますが、そこで、
(3)今後の事業の進め方について伺います。《局長 答弁》
課題に対応しつつ、引き続き工夫を進めながら、事業を推進していただくことを要望します。
4 高齢者等に対するすまいの支援について
さて、子育て世帯のすまいについて伺いましたが、本格的な高齢化社会を迎え、高齢者に対する住まいの支援は今後さらに必要とされる状況にあります。
高齢者に対する住まいの支援は、既に様々な取組を実施されていますが、その中で高齢者向け優良賃貸住宅事業は、高齢者の居住の安定確保のため、高齢者が住みやすい環境・仕様の民間賃貸住宅を、家賃補助つきで新規に整備・供給を進めており、ニーズが高いものがあります。そこで、
(1)高齢者向け優良賃貸住宅事業の実績について伺います。《住宅地再生担当部長 答弁》
新規の整備・供給が中心のため、事業の推進には、社会状況の影響等も大きいと思いますが、そこで、
(2)事業を進めていく上での課題について伺います。《局長 答弁》
整備費補助については、コストもかかりますが、バリアフリー仕様の賃貸住宅の普及のために必要ですし、やはり住宅セーフティネットとしての意味合いが高く、今後も供給を進めていくべき事業であると考えます。そこで、
(3)今後の事業の進め方について伺います。《局長 答弁》
こちらにつきましても、社会基盤の安定につながる大変重要な施策ですので、しっかりと推進していただくことを要望します。
5 住まいの相談推進事業について
次に、住まいの相談推進事業について伺います。
地域に住む高齢者夫婦の中には、長年住んできた民間賃貸住宅の契約更新を断られたり、持ち家であっても、子ども達が独立し、ファミリー向け住宅のままでは広すぎて、何かと不便に感じている、あるいは、身体の自由が利かなくなり、高齢者向けのサービスが付いた住宅などに転居したいという希望を持つ方がいらっしゃいます。
そのような、住まいについて気になることや悩みがある場合に、気軽に相談できる場所がどこにあるのかという声を聞きます。
本市には、住宅関係の団体等と連携・協力しながら、住まいの相談窓口が開設されており、先月には、その連携窓口が増えたと伺っております。そこで、あらためて
(1)住まいに関する相談窓口の設置状況と、25年度の相談実績が何件か伺います。《住宅部長 答弁》
市民の住まいに関する相談のニーズがあり、次第に窓口の拡充が図られていることが分かりますので、引き続き、住まいに関する多様な相談を受けとめる体制整備をお願いします。
横浜市の市域は非常に広く、新たに連携先が増えていくことは、市民にとって、相談窓口が身近になり、メリットが大きいと思います。そこで、
(2)現在の相談窓口の拡充にどう取り組んでいくのか伺います。《局長 答弁》
相談窓口の一層の拡充をお願いします。
さて、あらためて案内パンフレットを読みますと、住まいに関する相談窓口が、幅広く紹介されていることに気付きます。
住宅の新築やリフォームに関する件、マンション管理組合の運営に関する件、高齢者の住替えや民間賃貸住宅に住む際の保証人に関する件、耐震診断に関する件の相談窓口などがあります。
しかし、特に生活の活動範囲が狭くなりつつある高齢者は、パンフレットを手にする機会も少なくなり、さらに、パンフレットの中の他の案内に隠れて、高齢者向けの相談窓口があることに気付かないこともあると思います。
昨年度から、一部の地域ケアプラザで、高齢者向けに、建築士事務所協会などの協力を得て一級建築士が、悪質リフォーム詐欺への注意・対策について、楽しく落語を交えて説明してくれる講座などを出前形式で開催し、あわせてパンフレットを置いていると聞いています。地域コミュニティの中心であるケアプラザの活用は極めて重要です。
こうした取組とあわせて、より使いやすいパンフレットとしていく取組も必要と考えます。そこで、
(3)パンフレットによる周知をどのように進めていくのか伺います。《局長 答弁》
今後、本市においても、高齢者の方が大変多くなってきます。より豊かな生活を営んでいくためにも、こうしたニーズがますます高まってくると考えます。それにしっかり応えていくことが重要です。そうした意味でもこの取組を一層進めていくようお願します。
6 持続可能な住宅地モデルプロジェクト(たまプラーザ駅北側地区)
次に、私の地元青葉区でも進められている、持続可能な住宅地モデルプロジェクトについて伺います。超高齢化、人口減少社会を迎えて様々な課題を抱えている郊外住宅地の再生に向け、4つのモデル地区を指定して取組を進めておりますが、そのモデル地区の1つであるたまプラーザ駅北側地区では、平成24年4月に東急電鉄と包括協定を締結して取組を進めています。今年度は、5年間の協定期間のうち3年目にあたります。そこで、
(1)これまでの取組において、どのような成果が上がってきているかについて伺います。《局長 答弁》
これまで、様々な取組を行ってきており、一部の取組では一定の成果が出てきています。様々な取組が進む中で、モデル地区の中に目をやると、古くなった社宅が建替えられてマンションになるような事例をよく見かけるようになりました。
建築局では、このような社宅の建替えに対応するための取組として、「コミュニティ・リビング」モデルプロジェクトを今年度のモデル地区における主要な取組の一つとして位置づけておりますが、そこで、
(2)「コミュニティ・リビング」モデルプロジェクトの狙いについて伺います。《局長 答弁》
郊外住宅地において、必要な機能を誘導することは大変意義があると考えています。一方で、郊外住宅地に必要な機能には様々なものが考えられます。そこで、
(3)郊外住宅地に求められる具体的な機能として、どのようなものを考えているか伺います。≪局長 答弁≫
郊外住宅地の再生に向けて、住宅地に必要な機能には多種多様なものがあります。民有地の場合、これらの機能を事業者に導入してもらえるよう誘導するのは大変なことで、これを実現するためには、規制の強化という方法もあるかと思いますが、一定のルールのもとに規制を緩和することも必要であると考えます。そこで、
(4)地域に必要な機能を誘導するため、どのような方策を考えているか、局長の見解を伺います。《局長 答弁》
この取組は大変注目しておりますので、郊外住宅地再生に向けて引き続き積極的に取組を推進していただくと共に、取組の成果を他の地域にも展開していただき、魅力ある横浜のまちづくりを行っていただくよう、お願いして質問を終わります。