NHKスペシャル「戦場の軍法会議」について 2094
本日は終戦の日。13時より横浜駅西口高島屋前で街頭演説会を開催します。
昨夜のNHKスペシャル「戦場の軍法会議 処刑された日本兵」。見ていて怒りがこみ上げてきました。
人が人の命を奪う権利はありません。一国の平和でなく、世界の平和を考えて行動すべきだと思います。日本軍は本当に酷かった。自らの欲望のままに罪もない外国の人々を殺戮し、日本の民衆を不幸のどん底に叩き落とした軍、そして政治、マスコミ。これは自虐も何でもありません。人を不幸にしたという事実です。人が鬼畜となる戦争。何の罪もない民衆が犠牲となる戦争。決して美化できるものではありません。二度と起こしてはならない。一番悲惨な経験をした国だからこそ平和国家・日本として進んでいかねばなりません。
私の祖父。ひとりはビルマ(ミャンマー)へ、ひとりはロシアへ出兵。二人とも生還しましたが、日本軍の酷さを語っていました。
日本軍だけで230万人が犠牲となった太平洋戦争。終戦の日、旧陸軍省では軍法会議の資料の焼却が行われ、空は煙で真っ黒になったとのこと。わずかに残った資料が昨日の番組に。
中立の立場にある法務官(裁判官)。しかし、太平洋戦争開戦あたりから軍権力の台頭でその立場は軍の配下に置かれることに。
67年前の太平洋戦争末期、フィリピンやニューギニアなどの南方戦線。補給が断たれた日本軍。飢えに苦しみ、食糧を求めてジャングルをさまよった日本兵。一人の兵士が食料を探して15日間不在となった後に見つかった。戦場からの逃亡であれば死刑には至らない。しかし、現地での日本人が日本人を裁く軍法会議。「奔敵逃走(敵に捕まりに行くこ)」と判決。現地で死刑。終戦後、遺族が遺族年金を申請すると「敵前逃亡」とのこと。記録と違う。敵前逃亡罪には年金はないだけでなく、世間に恥を感じることに。今も判断は変わらない。
また、16人の逃亡兵。全員を特攻で使い処刑替わりにしたとの記録。そして、法務官(裁判官)は緊急時には軍法会議にかけないで兵士を射殺することを認めることに。
番組に示された資料によると、太平洋戦争開戦から軍法会議による処刑者数は急増し、昭和19年に処刑された日本人の数は5000人を超えていたとのこと。
今回、NHKは法務官であった当事者(故人)が残していた文書を入手。戦場で開かれた特設の「軍法会議」で兵士たちを実際に裁いた軍の元法務官が密かに残した内部文書とインタビュー・テープ。兵士たちは、なぜ処刑されたのか。そこで語られていた元法務官の証言。今後どのように扱われるかはわかりませんが、戦争の悲惨さを伝える内容でした。
番組HPには、軍紀を守るために厳罰を科し“見せしめ”を求めた軍上層部の意向で、本来なら死刑にならない罪でも兵士を処刑した。「法の番人」であるはずだった法務官たちは、なぜ、軍の上層部に抵抗し続けることができなかったのか。戦場で行われた軍法会議の実態を、ひとりの法務官の軌跡を追うことで明らかにし、戦争の罪を見つめる、とありました。
平和のための戦争などありえない。お互いの国が繁栄するための侵略などもありえません。エゴでなく、民衆が人間が幸せになるためにどうするかを考え行動するのが政治。二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、こうした追求を続け、問題を明らかにしていくべきだと思います。