食用牛 放射線基準超について 1595
放射能について、大気も食品も検査され、客観的な数値が公表され、問題ないことが確認されることで安心につながり、食卓に上る。当然のことですが、検査に抜けがあるなどということは想定していません。
昨日、各報道機関が伝えていますが、8日に福島県南相馬市から東京の食肉処理場に搬入された食用の牛11頭のうち、1頭の肉から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された問題で、東京都は、ほかの10頭からも暫定基準値を上回る放射性セシウムが検出されたと発表しました。
食用の牛11頭のうち、1頭の肉から国の暫定基準値の1キログラム当たり500ベクレルを上回る2300ベクレルの放射性セシウムが検出されたもの。東京都では9日、ほかの10頭についても検査を進めた結果、10頭すべてから暫定基準値を上回る1530ベクレルから3200ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表。東京都は、これら合わせて11頭の牛の肉について、食肉処理場の施設内に保管して流通しない措置をとったとのこと。
一方、東京都によりますと、同じ生産者からは5月に2頭、先月に3頭の、合わせて5頭の牛がこの食肉処理場に搬入されましたが、今回のような放射性物質の検査を受けなかったということで、すでに市場に流通した可能性が高いとのこと。この5頭の肉に基準を超える放射性セシウムが含まれているかどうかは分かっていませんが、東京都では販売先などについて追跡調査をするとしていましたが、昨夜東京、栃木に流通していることが報道されました。
これは大きな問題です。どのような理由があるにせよ、検査項目の詳細がはっきりしませんが、「やっている」とされてきたはずの検査がやられていなかったとなれば、何を信用すればいいのかということになります。検査体制の徹底した強化が求められます。
読売新聞によりますと、福島県の調査では、4月下旬以後、同区域からは2924頭の肉用牛が出荷されたことが判明。県はすでに同市に肉用牛の出荷自粛を要請したものの、さらに同区域全域で飼育されている肉用牛について畜産農家に出荷自粛要請を行うかどうか、検討に入ったとのこと。
同県などによると、南相馬市や田村市の一部が入る同区域では、原発事故前、精肉になる肉用牛約5700頭が飼育されていましたが、農林水産省は4月下旬、この区域から出荷される肉用牛全頭を対象に、県が体の表面を検査などすれば出荷を認めると指導。事故後に見合わせていた出荷が再開されていたとしています。
詳細わからないところですが、牛は全数検査の対象であり、すべて基準をクリアしたものが出荷されている、という意味です。抜取りではないはずの検査体制はどうなっていたのか?放射能そのもの以外にも検証すべき問題がでてきたことになります。
元々、こうした肉や野菜などの検査は、各都道府県で行われ流通の可否判断が行われていますが、これだけでは不安がある。横浜の食卓は横浜が守る。やはりこれを基本に置かねばなりません。実際、5月の議会で議論し、そうしたことを想定して横浜市独自の放射能検査機器の導入及び市内産農産物等並びに市場の流通食品の放射能濃度測定が決定しています。納品時期の関係からこのタイミングになっています。
・市内産農産物等7月上旬開始(現時点では、神奈川県にて検査実施中)
・流通食品8月上旬開始
【農産物】市内の生産状況や代表的生産地を踏まえ出荷前の畑から採取
【流通食品】本場及び南部市場の流通食品から選定
横浜市としても、今回の一件で一日も早い各検査の開始が求められます。また、選定についてはより厳しい対応が必要になると考えます。