安全・安心の横浜へ 「何を言ったかでなく、何をやったか!」

公明党 横浜市会議員(青葉区) 行田朝仁 (ぎょうた ともひと)

「食品の被曝」基準の検討開始報道について 1608

未分類 / 2011年7月23日

昨日、宮城県に実家のある方からご相談を頂きました。「牛の問題をはじめ被災地に関することについて、マスコミの報道が不安に不安を重ねることになり、経済的にも大変なことになっています」「ダメなものはダメですが、そうでないものまでダメにされるのは本当につらい」等、被災地の声。私も本当につらいです。一方、青葉区内でも放射線に関する不安の声も。「放射能を浴びたものを子どもに食べさせないでほしい」。当然のお気持ちだと思いますし、信用ならないという声の多い政府発表を含め様々な情報がありますからそうした不安も広がります。

一般的な話として、個人においても、組織においても、ものの良否は「基準」や目安によって判断されるわけですが、それなしに語ることは、雲をつかもうとするようなこととなり、時に不安を増長することになります。

昨日、首相が仮設住宅全員入居について、これまで8月中旬に達成するとしていたことの断念を表明。更に、マニフェストについて「政権公約の見通し甘かった」「国民におわび」と陳謝。民主党政権の欺瞞性を露呈する1日となりました。

この場合の基準は「約束」ということになります。様々な理由から難しいことがあるにしても、ここまでひどいと問題です。

放射線問題。震災前と今、放射線による影響の目安等を示しつつ、政治・行政が客観性の高い説明可能な「基準」を設け、広く周知することが必要と主張してきました。世の中には様々な考え方があり、設けた「基準」に様々な意見がでることは当然かと思います。只、そうした基準なしに政府が「心配ない」とすること自体、問題ではないかと感じます。

しかし、ようやく動き出しました。昨日の産経新聞によりますと、放射性物質が健康に与える影響について厚労省から諮問を受け検討を進めてきた内閣府の食品安全委員会のワーキンググループ(WG)は、被曝の影響は大人より子供の方が大きい可能性が高いことを考慮し、食品による被曝線量の基準を設定すべきだとする見解を大筋でまとめたとのことです。当然ながら必要な措置です。
食品安全委員会 : http://www.fsc.go.jp/

現在の食品の暫定基準値は、放射性セシウムなら食品による年間被曝線量が5ミリシーベルト以下になることを前提としており、一部を除き大人と子供が同じ数値。

また、成人1人当たりの被曝線量の基準は、一生の間で浴びたとしても健康上、悪影響がないとされる自然界から受ける放射線被曝以外の内部被曝と外部被曝をあわせた生涯の累積の放射線量を定め、基準値として示すことでほぼ合意。厚労省は、安全委員会から答申を受けたうえで食品ごとの新たな規制値を設定していくことになります。

食品に含まれる放射性物質については、これまで国の基準がなかったため、厚生労働省は福島第一原発の事故直後、ICRP=国連放射線防護委員会が勧告した基準をもとに規制値を定めて暫定的に運用しています。

「生涯の累積線量」となると、何をするとどれだけの被爆となるのか、またどれだけの被爆どのような影響がでるのか、などの目安も出せるのかどうか。

体に蓄積されたものも時間をかけて出ていくとする量や時間はどうなのか等の説明も必要になってくると思います。政治の世界に入るまで、私や家族は仕事のために飛行機を利用する機会が多かったのですが、「生涯の蓄積線量」となるとこうした目安も必要になるのかどうか。これも基準なしに数字を見ただけでは反応しそうですが、今のところ健康上何もありません。

事実と説明可能な客観情報に基づく「基準」設定に期待したいところです。