
昨日、議場にて一般質問に立ちました。傍聴にお越下さった皆さん、有難うございました。内容につき下記の通り貼り付けましたので、ご覧ください。
知事の答弁は総じて前向きなもので、下記質問の介護情報公表制度の神奈川県版に関する質問について、全国初の都道府県版を来年度中にスタートされることを表明されるとともに、高校生など若年層への介護情報の普及啓発のためのリーフレット作成も表明されました。
一方、病院事業庁長に対し、がんセンター整備にPFIを導入することを疑問視した質問については、今後引き続き常任委員会で問い質していきます。
終了後、港北公会堂ホールで行われた党の会合に参加。県市制報告の後、質問会を行いました。選挙に関することから、生活に密着した内容まで、多様なご質問やご要望を頂き、一つ一つお答えしていきました。生活者の声を大事にしながら前進して参ります。
議長のお許しをいただきましたので、私は公明党県議団の一員として、通告に従い順次質問いたします。
知事、病院事業庁長、並びに警察本部長におかれましては、明快なご答弁をお願いいたします。また、先輩並びに同僚議員におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願い申し上げます。
質問の第一として、行政改革の視点から、何点か質問させていただきます。
まずはじめに、行政改革についてお伺いします。
このたびの衆議院選挙でも、各党がマニフェストに「地方分権」を掲げており、知事の言われてきた「道州制の実現」も、もはや夢物語ではなく、間近に迫っているのだということを強く実感いたしました。「地方分権」を進めよ! という意見の根底には、施策・事業の計画や実行に際しては、なるべく地域に密着した自治体に任せたほうが、ムダが省けるはずだ、という発想があります。
本県においては、このたび提案されている労働センターの改変や、地域県政総合センターのあり方など、改革の余地を残しているところもありますが、一方で、景気に左右されやすい法人二税を歳入の主力としているが故に、景気が落ち込むたびに必死の行革努力を行い、全国に先駆けて、行政のスリム化に取り組んでまいりました。県の裁量がきく経費のうち、投資的経費の推移を見ると、平成元年度当初予算では一般会計歳出の17.2%であったのに対し、平成11年度には14.8%、平成21年度では10%まで落ち込んでいます。
全国都道府県と比較可能な19年度普通会計ベースで比べてみても、本県の投資的経費はわずか8.7%で、福井県の27.5%、島根県の25.3%をはじめとして、他県が軒並み20%を超えているのに比べ、裁量の余地のある経費が極端に少ないことがよくわかります。また、職員一人当たりの人口を、本県と同様、政令市の人口が50%を超える京都府と比べてみても、京都府は217人なのに対し、本県は655人と3倍以上で、職員数の削減もよく進んでいることがわかります。人口一人当たりの県税と交付税をあわせた一般財源ベースでみても、本県は全国最低レベルであります。
これまで進めてきた行革の中身を見てみても、「維新プログラム」と銘打った大阪府の改革を、10年先取りした取組みを行っています。たとえば財政再建団体転落の危機に陥った平成11年度予算編成に当たっては、県単独事業、私学経常費補助金の物件費、民間社会福祉施設振興費などの30%カット、計画事業の見直しなどで、大阪府の改革目標、400億円をはるかに超える600億円以上の削減を行いました。また、人件費も、知事の期末手当、退職手当カット、議員報酬のカットなど、手当のカットや職員の削減により、250億円を超える削減を行っています。歳入の確保にしても、リースバックを含む財産売却、長期貸付金の回収などに取組み、700億円を確保と、当局と議会が一丸となって行政システム改革を行っています。その後も、市町村への貸付債権の流動化にも自治体としてはじめて取り組んでおります。知事部局の職員は、ピーク時に比べ約25%の削減、県主導第三セクターもピーク時の45から20と激減しています。本県は、文字通り、自治体の行革のトップランナー、フロンティアであるのです。
しかし、よくいえば「行革先進県」である本県は、裏を返せば自由に使えるお金も少ない「全国一の貧乏県」ともいえます。
また、懸命に行革を進めている本県でありますが、歳出規模はほとんど変わっておりません。その大きな要因は、介護・措置・医療関係費が伸びているからであります。介護・措置・医療関係費は、少子高齢化の進展に伴い、今後も増加することが見込まれます。赤字債がいいとは思いませんが、国は財源が足りないとなれば、赤字国債を発行することができます。しかし、地方は自由に赤字債を発行する権限はありません。税収の増が見込めない昨今の経済情勢の中では、スクラップもなしに新規施策を行うことなど到底できませんし、さらに、身を切る覚悟で行革を進めなければ立ち行かないことは明らかであります。
「地域の目からみた、徹底的なムダの削減」を全国に先駆けて行っていると前向きにとらえ、近い将来の道州制を視野に入れながら、徹底した行政改革を進めていただきたいと考えております。
そこで知事にお伺いします。
本県は、これまでも、全国でトップクラスの行政改革の取組みを進めてきたと感じております。しかし、これからの介護・措置・医療関係費の伸びなどを考えると、行政改革の手綱を緩めることも許されません。これから新たな行政システム改革基本方針を策定されるものと承知しておりますが、今まで、相当の行政改革に取り組んできた本県において、また、知事が提案説明の中で述べられた「未知の領域で進行している、極めて深刻な財政危機」下において、今まで以上の行政改革を、どのような視点と手法で進められるおつもりか、知事のご所見をお伺いします。
次に、仕事の進め方と人事評価についてお伺いします。
本県では、「総労働時間の短縮に関する指針」及び管理調整会議の申合せ等に基づき、ノー残業デーの定時退庁など総労働時間の短縮に取り組んでおります。また、厳しい財政状況の中、昨年9月に「時間外勤務の縮減及び旅費の節減について」、さらに本年2月には「『足元からの経費節減等に向けた取組』について」通知を発し、時間外勤務の縮減を進めているとのことであります。しかし、職員の意識改革や業務改善などによる時間外勤務の縮減には限界があり、現実的には縮減がなかなか進んでいない状況と思います。
やはり、「時間外勤務の縮減」という掛け声だけでは、職員の仕事は減りません。私は、職員のみなさんが不要な仕事で残業しているとは思いません。むしろ、先ほど申し上げたような、身を切るような行革努力による人員削減の中、必要であるからこそ、やむを得ず残業されている、というのが実態であると考えています。
時間外勤務の縮減のためには、個々の職員の能力アップも重要でありますが、それだけで時間外勤務の縮減を図るのは現実的ではありません。根本的には、「仕事の量」を減らすか、「仕事の質」を落とすしかないのです。1990年代にコスト削減を迫られた民間企業がまさしくそうでありました。
「仕事の量」の削減は、先ほどもお話した行革の中で、施策・事業を見直し、廃止していくことにより図られます。仕事を削減し、それによって浮いた人員を他の仕事に回すことにより、人員削減の中にあっても、残業時間の削減が進むのです。また、仕事の質も当然落ちることを容認しなければなりません。内部的な資料の質が落ちるのは当然と考えて、いかにも手間のかかっていそうな資料が出てきたら、トップである知事ご自身が「こんなものに手間隙かける余裕などないはずだ」と叱責するぐらいでなくてはいけません。
最悪なのは、「時間外勤務の縮減」というスローガンだけが先走り、「時間外勤務縮減への取組み」の名目自体に人、時間、お金が投じられ、それ自体が残業を増やすことです。根本的には、仕事がなくならなければ、それにかかる時間は減らないのです。「残業はするな」「サービスは落とすな」「あれもやれ、これもやれ」では、いくらやり方を工夫しても仕事時間はさほど減りません。時間外勤務縮減の取組みを行っている民間企業も、仕事の中身を見直したところもあれば、仕事を持ち帰るか、サービス残業をしているところもあるようです。仕事を減らさずして、時間外勤務縮減だけを追い求めると、家に持ち帰ろうとした書類を帰宅途中で紛失したり、サービス残業の連続で職員がやる気をなくし、かえってサービスの水準がおちたりと、悪循環にもなりかねません。このような愚はぜひとも避けていただきたいと思います。結局、やっている仕事をやめなければ、根本的な解決にはならないのです。
この「仕事を減らす」というのは人事評価にもかかわる問題であります。いくら時間外勤務縮減を唱えても、「あの仕事を新しく立ち上げた」ということが評価されるのでは、「仕事の量」は減りません。新しい仕事を始めるより、いままでやっていた仕事をやめるほうが何十倍も大変です。新しい仕事には「やってほしい」という応援団がいますが、いままでやっていた仕事には関係者がいて、「やめないでほしい」といわれるのが普通であるからです。ここから考えても「仕事を廃止した」人こそが評価されるべきであると考えます。そして、仕事を廃止した人が評価されたことがわかるように、結果の総括をきちんと行っていくべきであります。
そこで知事にお伺いします。
残業時間を減らすためには、1990年代に成功した民間企業が行ったように、「コスト意識を持ち、仕事を廃止した人を評価する」といったことが求められるのではないかと考えます。精神論では限界がきます。「時間外勤務縮減」を後押しするため、特に仕事をマネジメントする能力を問われる管理職においては、人事評価で「仕事を廃止した人を評価する」ことを、より重視すべきではないかと考えますが、知事のご所見をお伺いします。
次に、行革の一手法として上げられる民間活力の活用、PFI手法によるがんセンターの整備についてお伺いします。
PFI手法は、民間の資金と経営能力、技術力を活用し、公共施設の整備、維持管理及び運営等を包括的に民間に委ね、低廉で良質な公共サービスの提供を実現しようとするものであり、現在、がんセンターでは、PFIによる整備のための入札手続きが進められているものと承知しております。
PFIによる病院整備の例としては、近江八幡市などの先行事例があります。近江八幡市では、PFIによるコスト削減メリットを強調し、PFIによる病院建設を決定。06年10月には新病院が開業いたしました。なぜ民間に任せると節約ができるのか、市が直接発注する方式とはどう違うのかなどの中身が検証されることがないまま、民間のノウハウが期待された新病院はスタートを切ったのであります。
しかし、思ったような収益はあがらず、開業直後から赤字となりました。収支を圧迫する最大の問題は、5%を超える金利の支払いであります。基準金利は1.8%ですが、それに上乗せされるスプレッドは3.5%で、この3.5%の銀行と特定目的会社、いわゆるSPCの取り分は、病院の収益が悪化しても、変更されることはありません。
また、医療行為の周辺業務の委託料の10%もSPCの取り分であります。それに対して、提供された経営ノウハウは皆無に等しかったとも聞いております。物品管理を例に取れば、医師や看護師は物品を手元に多く抱えたがりますが、処理期限を過ぎるとたちまち不良在庫に変わってしまいます。民間の適正在庫管理に期待したところ、「決められたものをそろえるのがわれわれの仕事だ」と反論されたそうであります。民間がノウハウを提供してくれると思っていたものが、その期待は裏切られ、何かを改善しようとしても民間の存在が足かせになる、単なる30年間の随意契約を結んだに過ぎない実態が明らかになってきたのであります。結局、近江八幡市は20億円もの手切れ金を支払い、契約を解除することとなりました。
また、今、関係者の注目を集めているのが高知医療センターです。05年3月に開業しましたが、4年を経過した今も赤字体質から脱却できず、民間との間で運営体制の見直しを協議していますが、難航すれば自治体側が施設を買い取る可能性もあるとのことであります。
単純にいえば、民間の資金調達金利より県の調達金利のほうがはるかに低く、同じ建物を作るのであれば県が起債したほうが明らかに安上がりです。がんセンターにおける、直接事業を実施した場合と、PFIで実施した場合のコストの比較、バリュー・フォー・マネーの算出でも、県債を50%充当した方が安上がりという結果が出ているのは、まさしく県が直接資金調達したほうが安上がりという証左に他なりません。イギリスで、PFIを導入した結果、刑務所を十字型にし、看守を減らすことによって運営費を安くできたという話も聞きますが、そのような創意工夫を期待するのなら、プロポーザルを実施すればいいのです。公共工事で行う仕様発注が高いというのであれば、性能発注を導入すればいいのではないでしょうか。運営についても、民間に任せられるところは民間に委託するということで十分でしょう。ところがPFIでは、それぞれに、SPCという第三者を介在させ、手数料を取られる。もともとの調達金利も民間の高い金利で建設するのです。事業実施のために介在する民間企業が多ければ多いほど、それぞれが取り分をとるのですから、公共が直接同じものをつくり、民間委託を活用しながら同じサービスを行うより高くつくのは当たり前です。関係者が少なく、仕組みが単純であるほどコストは安くつくのが当然ではないでしょうか。
そこで病院事業庁長にお伺いします。
がんセンターの整備・運営をPFI手法で行うに当たり、県が直接、事業を実施するよりもPFIで実施したほうが安い、すなわちバリュー・フォー・マネーに優れているという結果はどのようにして算出されたのか、病院事業庁長にお伺いします。
また、先行事例で失敗が相次ぐ病院事業であえてPFI手法を選択されるに当たり、先行事例の失敗を繰り返さないために、どのような方策を講じられているのか、あわせてお伺いいたします。
質問の第二は、介護保険制度についてであります。
介護保険制度は、「利用者本位」「高齢者の自立支援」「利用者による選択」を基本理念に、平成12年からスタートしました。
介護保険スタート後、訪問介護やグループホームなどへの新規参入が進んだ結果、事業者間でサービスの質に大きな差が生まれました。介護保険制度は利用者が介護サービス事業者と直接契約を結んでサービスを利用する仕組み上、利用者が介護サービス事業者を選ぶための環境整備が大きな課題でありました。
こうした経緯から、厚生労働省は情報公表制度を導入し、要介護者や家族が介護サービス事業者を選ぶために必要と考えられる情報を定めて、その公表をサービス事業者に義務づけたのであります。これにより、利用者がインターネットを通じ、公表データに基づいて介護サービス事業所を比較検討した上で、自分に合った適切なサービスを選択できるようになることが大いに期待されて、この「介護サービス情報の公表」制度はスタートしたのであります。
この制度については、調査される側の介護施設にとって「調査手数料が高すぎる」「調査機関によって評価にぶれがある」等々、様々な問題点が指摘されてきました。
例えば、調査機関、調査員が違うと、同じ内容でも結果が違うといったことも起こっているようですし、調査員の態度が高圧的で、改善指導まで行っているという話も全国にはあります。
しかしながら、これらの点については、調査手数料が順次引き下げられるなど、改善が図られているとのことです。
今まで申し上げた以外で、私が特に問題であると思っているのは、「インターネットは利用しづらい」「項目が多すぎてどこを見たらよいかわからない」という声があるという点、すなわち、インターネットという公表方法も含め、情報公表制度が実際にどれだけ県民に活用されているのか疑問である、ということであります。これらの声にはしっかりと答えていかねばなりません。
たしかに介護サービス情報の公表は、項目数が膨大で、一覧性に欠けるため、インターネットの画面上で見たとしても、どこを参考にしてサービスを選択したらよいのかわかりません。
このような問題点を解決するためにも、項目を、例えば特別養護老人ホーム、いわゆる特養では、「職員の離職率」「年間、月間、週間のプログラムや行事」「食事の献立表実例」「利用時にかかる費用の例」「待機者数」など、「サービス選択」に資するものに絞るよう国に働きかけるほか、地方が独自の運用で取り組みうることとして、サービスを選択する場合に着目すべき項目を集めた画面を編集する、全国に先駆けて県独自のデータベースを作成するなど、県民にとって使いやすいものに変えていく工夫がぜひ必要ではないかと考えます。国のデータはもともとあるのですから、これらを実行するために、さほど費用はかからないはずです。
介護の基本理念の実現に向けて、介護の市民性を高めるために創設された情報公表制度ですが、県民の皆さんが知らない、使わない、事業者の負担が大きいということでは、本来の目的はまったく果たされません。
そこで知事にお伺いします。
情報公表制度は、インターネットを活用して、いつでも、誰でも、どこにいても介護サービスの情報を入手できるというメリットがある一方で、項目数が膨大であり、どこを参考にサービスを選択したらよいのかわかりにくいのが現状です。そこで、項目をサービス選択に資するものに絞るよう国に働きかけるとともに、サービスを選択する場合に着目すべき項目を集めた画面を編集するなど、県民にとって使いやすいものに変えていく工夫が必要と考えますが、これらの点について、知事のご所見をお伺いします。
次に、介護サービスに関する啓発についてお伺いいたします。
現代の若者たちにとっては、インターネットを用いて介護サービス情報公表制度を活用することなど何の苦にもならないでしょう。ぜひ、身近な高齢者のために、有用な情報を入手してほしいと思います
しかし、そのためには介護サービスや介護サービスの情報公開制度がどのようなものなのかを知る必要があります。介護保険制度は日本の社会基盤を支える、負担も少なくない制度です。いずれは親の世代、そして自分自身も介護サービスを利用することになるのですから、今のうちからサービスや制度を、基礎知識としてある程度身につけておくことは、将来、公共サービスを支え、そして享受する上で大変有益なことではないかと考えます。
また、若年層に介護保険制度の普及啓発を行うことで、介護サービス情報公表制度の利用が広まり、その家族にとって適切なサービスが選択されるようになれば、選ばれる側、すなわち事業者側のサービスの質の向上につながります。社会全体が、よりよい介護サービスを受けられるようになる、という大きなメリットが生まれるのです。
高校のカリキュラムに介護関連教育を入れることは時間的に難しいかもしれませんが、資料を配ることだけでも効果はあると考えます。
そこで知事にお伺いします。
本県では、高齢社会の進展が、全国でもトップクラスのスピードで進んでいます。若いうちから介護サービスについての知識を持ち、どのように介護サービスを選択したらよいか、という手段を知ることで、適正なサービスを受けられるようになり、自身や家族を守ることができるようになります。そして、サービスの選択がなされることにより、全体のサービスの質の向上、公平なサービスの提供にもつながっていくものと考えております。ぜひ、高校生など若年層に対して、介護サービスに関する啓発に取り組んでいただきたいと考えますが、この点につきまして、知事のご所見をお伺いします。
質問の第三は、警察力の強化についてであります。
県警察では、県民が安心して暮らすことのできる安全な地域社会の実現に向けて、不断の努力をされていることに、感謝の意を表したいと思います。一方で、一部の心無い警察官による不祥事もありました。県警察には再発防止とともに、一人一人の警察官が、安全・安心を守る最後の砦であるとの認識のもと、そのミッションを果たして頂きたいと願っております。
さて、平成14年に刑法犯認知件数が、戦後最多の19万件を超え、刑法犯検挙率も20%を割り込むなど、神奈川県の治安情勢は大変厳しい状況になりました。しかしながら、県警察が一丸となって、犯罪の抑止・検挙活動に力を注いだ結果、年々改善が図られてきていると承知しています。
そこで、治安の最前線で日夜奮闘している警察業務のあり方などについてお伺いします。
まずはじめに、警察が担うべき業務の範囲についてお伺いいたします。
警察業務にあっては、限られた職員を最大限活用して、実に幅広い分野にわたって対応していただいていると感じておりますが、経済不況の影響もあってか、平成20年には強盗や恐喝などの荒っぽい手口の犯罪が増加しており、最近ではひったくりの増加が顕著になっているようです。また、犯罪自体も複雑・高度化してきているのではと思っております。
そのような中、我々県民が警察に期待することは、県民がより「安全・安心」を体感できる社会の実現に全精力を注いでいただきたいということであります。
昨年の12月定例会でも、凶悪犯罪の捜査などに力を入れられるようにするため、万引き防止対策を強化すべきであるとの観点から、防犯カメラの適正な稼動など、事業者の責務のガイドライン化や、巡回指導など、事業者指導の強化について質問をさせていただきました。その後、関係者のご協力により、この提案が実現し、徹底的な対策が行われた結果、今年上半期の県内刑法犯認知件数の「万引き」項目がマイナス39.2ポイントと大幅減少しているとのことであり、非常に喜ばしいことであります。
このように、地域の治安力を維持・向上させていくためにも、警察力を凶悪犯罪の捜査などに集中させられるように、警察に任せる分野は警察、それ以外の分野はそれぞれの主体でと、役割分担を明確にすることが重要であります。しかし、現状では、本来であれば、行政が対応すべき分野や、県民が自分たちで解決すべきことまで、警察が背負わされているのではないか、という感じがいたします。
具体的には、「動物の保護」や「路上放置物の撤去」、「騒音苦情」「警察とは本来関係のない内容の窓口相談」などが挙げられます。これらは本来、県や市町村など、「行政が扱う分野」であったり、県民が自分自身で解決すべき問題であったりと、「治安を守る分野」を担う警察にかかわらせるのは、警察力の低下、ひいては治安の悪化を招きかねない、非常に由々しき問題ではないかと考えられます。
そこで、警察本部長にお伺いします。
県民がより安心して暮らせる社会にするためには、警察は本来の業務である「憎き犯罪を検挙する、犯罪者を社会から排除すること」に専念すべきではないか」と考えておりますが、こうした警察の本来業務を実際に阻害していると思われる要因をどのようにとらえているのか。また、その要因を踏まえて今後どのように警察業務を推進していくのか、警察本部長のご所見をお聞かせいただきたいと思います。
次に、警察のマンパワー確保についてお伺いします。
警察が本来の仕事を行い、効果的に犯罪に対応していくためには、優秀な人材を確保することが必要であると感じております。
最近の新聞記事によれば、警察庁では全国で2万人の増員計画を完了し、警察官一人当たりの「負担人口」は557人から509人に減少したとのことでありますが、神奈川県の場合は、いまだ576人であり、全国平均よりも67人も多いとのことであります。
このように「県民の安全・安心な社会」を実現するために必要不可欠な人員が不足している現状にあっては、解決策として、第一に、警察官の更なる増員、第二に、一度リタイアした方を再任用するという人的教育コストを圧縮した形での増員、第三に、一般警察職員を増員して、警察官の行政事務の負担を軽減し、その余力を第一線にシフトする相対的な警察官の増員などが考えられます。
また、先ほど申し述べたとおり、警察が本来業務に専従できるようにするために、行政もやれることはやるべきだと思います。人員削減の折り、行政が夜間にも万全の体制を敷くということは無理でしょう。ただ、窓口はここだ、という広報は可能であるはずです。保健所では、24時間連絡体制を敷いているという話を聞いたことがあります。飲食店における夜間騒音についても、「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」により、騒音の防止について、知事が措置を行えることになっております。警察の本来業務を阻害している相談等について、本来の行政機関が「窓口はここです」、という広報を十分に行うべきです。そして、警察活動を本来業務に純化できるように、権限と責任ある行政機関がしっかりとその責務を果たすべきであり、そうすることが県民の安全・安心につながることになるのです。このことを知事に強くご提言申し上げておきたいと思います。
しかし、実際には、行政がバックアップしたとしても、警察への通報や相談が思ったようには減らないことも事実であります。「いざというとき頼りになるのは警察だ」「警察であれば、相手もいうことを聞くのではないか」という感覚が県民の中にはあると感じられるからであります。行政がバックアップをするのはもちろんのこととして、それでも警察に寄せられる、所管外の相談により、警察業務が阻害されないような、何らかの仕組みが必要であると考えます。
そこで警察本部長にお伺いします。
犯罪が増加し、より高度化した現況下にあって、警察の所管外の相談などにより、本来の警察活動が阻害されないよう、警察力を確保するための施策が必要であると考えます。具体的には電話対応業務を集約したり、再任用職員の活用を図るなど、警察のマンパワーの強化が考えられるのではないかと思います。そこで、警察力を確保するための施策についてどのように考えられているのか、警察本部長のご所見をお伺いいたします。
以上で、私の第1回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
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