
昨日、ある経営者の方にお話を伺っていますと「定額給付金」が話題に。「やるなら一人10万円くらいはやらないと」とのご意見。現状を考えれば説得力がありますし、経営者の方からよくお伺いするご意見でもあります。そもそも物価高騰のあおりを受ける家計の生活支援と、冷え込んだ個人消費を喚起する「景気刺激」が目的。政策立案当時(昨年8月)より更に厳しい現状を考えると、個人的には元々税金である「埋蔵金」全体を詳らかにした上で、その使途を明確にする中で、大きな部分を国民にお戻しすることがあっていいのではないかと思います。
しかし、偏重した報道が目につきます。良かれと思って報道しているのでしょうが、客観情報であるかどうかの検証のない社会が、健全な民主主義社会であるとは思えません。欧州にあるような「報道評議会」や「プレスオンブズマン」の存在の必要性を改めて感じます。
ところで、官報速報によりますと、総額2兆円の定額給付金を盛り込んだ国の2008年度第2次補正予算の成立を前に、市町村や商工会議所などが、地元だけで使えるプレミアム付き商品券の発行を計画する動きが広がり始めていることが発信されました。このブログでも何度か掲載していますが、そうした動きへの認知度が上がってきたのかもしれません。
この商品券は、給付金の支給時期に合わせ、販売額の一定割合の金額を上乗せした商品券を発行することで、給付金が貯金や地域外での買い物に回るのをとどめ、地元消費を拡大しようというのが狙いです。全国展開する企業やネットショップが給付金の支給額に合わせた商品販売を検討する動きも出始めており、支給が正式に決まれば、給付金をめぐる争奪戦が激しくなる可能性もあるとしています。
住民向けにプレミアム付き商品券の発行を計画しているのは、北海道から九州まで全国各地に広がっています。本県では横須賀市が発表しています。上乗せ額は1割とするところが多いですが、塩尻市は市民にアピールしようと2割を検討しています。発行経費やプレミアム分は、自治体が全額負担するケースや、商工会議所と折半するケースなどさまざま。給付金の支給総額に対する商品券発行総額の割合も、地域によって異なっています。
網走市は、1000円券11枚、計1万1000円の商品券を1万円で販売。給付金総額約6億円に対し、2億円分の発行を予定。プレミア分(2000万円)を含め2500万円程度と見込まれる経費は市が負担しますが、国の第2次補正予算案に盛り込まれた臨時交付金の活用を検討。商工会議所に参加する企業などには商品券での買い物を割り引くといった協賛セールを呼び掛ける方針で、「給付金を何とか地域で消費してもらいたい」としています。
埼玉県上尾市では商工会議所が発行し、市が補助金を出す。プレミアは1割とし、その分(3000万円)を含めた経費4000万円は市がすべて負担。臨時交付金の活用を見込んでいるとのこと。福井県では越前市や坂井市が発行を検討中。越前市は用紙に特産の越前和紙を使う予定で、「偽造防止になり、産業振興にもつながる」と意気込む。給付金支給の申請書類を郵送する際、パンフレットを同封するなどPR策も工夫するそうです。
高知県梼原町は、約4000人の町民全員分の商品券を発行したい考え。「病院を含め、できるだけ町内のすべての物やサービスに使えるよう工夫したい」。「高齢者が多いが、高齢者は(お金を)いっぺんには使わない傾向がある」とし、商品券の有効期限は09年度末までの1年間とすることを検討しています。
このほか、給付金の寄付を住民に呼び掛ける自治体もあります。橋下徹大阪府知事は、小中学校にパソコンやカメラを配備する構想を披露。「子どもの給付金のうち5000円をみんなが持ち寄ればよい」と府民に協力を求めています。東京都足立区は、給付金を受け取らない人から、ふるさと納税制度を使って新設する基金に寄付してもらい、民間非営利団体(NPO)の活動支援に充てる方針。
一方、企業では、表立った動きはまだ目立たちませんが、給付金支給額の1万2000円や2万円に値段設定を合わせた「カニセット」を販売するネットショップも登場。
また10年前、子どもや高齢者らを対象に2万円の地域振興券が発行された際、家族向けに2万円や4万円の宿泊プランを発売し好評だったJTBは、今回も「給付金の支給が決まれば考えたい。国内旅行市場の活性化につなげたい」としています。支給が正式に決まれば、さまざまな業界から一定額を割り増しした商品券や記念商品などの販売が相次ぐこともありそうだ、として締めくくっています。
様々なご意見があるのは当然のことです。反対は反対で結構です。とにかく早く手を打つことです。先進各国が打つ対策のスピードとの違いが明らかです。全てが一致して政治が進んでいる民主主義国はありません。今は2次補正、本予算を成立させ、切れ目のない、しっかりとした生活支援、経済対策を打ち続けることが大事です。
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