2つの報道問題について 661
昨日、近くの会社員の方とお話していますと前日の報道が話題に。「どの情報なら信用できるのでしょうか」とのこと。様々な情報が発信される中、正確な情報供給への要求が強まることは自然のことかと思います。これからは従来の受動的に既存メディアの情報を受け入る時代から、インターネットなどを使って自主的に情報選択し判断する時代になると考えます。
前日の報道とは下記の2件。皆さんはどのように読まれるでしょうか。
(1)「テレビ朝日の番組で違法なマンション建設計画であるかのように報じられたとして、荒川建設工業(東京都)がテレ朝に2000万円の賠償を求めた訴訟で、横浜地裁は28日、330万円の支払いを命じた。原敏雄裁判長は「建築士らの真実に反するコメントを紹介し、社会的評価を低下させた」と述べた。判決によると、問題の番組は03〜04年に5回放映された「スーパーモーニング」など。「安全性についてチェックもしていない」などのコメントを報じた。」(毎日新聞)
(2)「週刊現代などで八百長を告発した元若ノ鵬(20)が28日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、「八百長の証言はうそだった」とした上で、取材を仲介した日本人男性から現金250万円を受け取っていたことを明らかにした。
元若ノ鵬は八百長したと記事で名指しした力士らの名前を挙げ、「すいませんでした」と涙ぐみながら謝罪。「大変なことを起こした。相撲界に八百長はない。はっきり言えます」と話した。
虚偽の証言をした理由について、「男性から『八百長を告発して相撲協会をきれいにすれば、一週間で力士に戻れる』と言われた」と説明。「少なくとも3、4人いないと駄目だ」と具体的な力士名を告げられ、証言を捏造(ねつぞう)したという。 同誌の取材後に男性から現金250万円を受け取ったとしたが、男性の名前は身の危険を理由に最後まで伏せた。 元若ノ鵬は9月に開いた会見で、現役中に八百長したと発言。週刊現代の記事では、大関琴欧洲ら4人との取り組みでわざと負けたと証言していた。
週刊現代編集部の話 記者会見の主張は支離滅裂という印象を受けた。到底事実とは考えられない。」(時事通信)
問題はこうした事件をここで終わらせないことだと思います。
この2件、今後裁判が続き、また開始されると想定されます。双方の主張を見極め、判決結果を見届けたいところですが、最終結果が出るその時点で報道されるかどうかはわかりません。もし報道側が敗訴した場合、世間に対し広くウソをばら撒いたことになります。社会の「信用」「信頼」の基盤を揺るがすこの罪は、極めて重いと考えます。
判決に謝罪文掲載が盛り込まれても、確かめてみるとそれはごく小さく、忘れ去られた時期に掲載される現実。報道関係者の社会的影響力の大きさと責務を考えると、厳格なケジメのつけ方を明確にルール化する必要があるのではないかと思います。
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