神奈川の「いのち」の大切さアンケートについて 479
本題の前に、昨日の公務員制度改革法案のブログで、今回の内容は天下りに触れていないことを指摘しました。天下りはなくせば良いわけですが、それを「一掃することによって政府の巨額の負担がなくなる」とする夜の有名キャスターの言葉には大きく欠けたものがあります。スッキリした言葉でありますし、わかりやすいこともあり、聞いた人は「その通り」と感じるわけですが、実はそれは既得権を維持したいと考えるタイプの官僚の思うツボです。木を見て森を見ない「後期高齢者医療制度」の議論と同じです。官僚がそのままいつづけることでかかるコストこそ巨額です。今の仕組みでは「年次=給与」のため事務次官一人を除いて同期は外に出て行く。今の仕組みのままで外に出ないとなると、そのまま省庁に残ることになるわけです。その前提として公務員の立場は法律解釈で守られていることを忘れてはなりません。
耳障りのいいこんな話ばかりが出てくると、そうしたマスコミはパフォーマンスが目的で、実は興味を引くだけで、根本から改革するつもりなどないのではないか。記者クラブなどを通じて情報をくれる=仕事をさせてくれる官僚を大事にしないといけないとしているのではないかと想像してしまいます。
やはり、民間と同じく、少なくともあるレベルを超えたところで給与もポストにも差がつく「実力主義」が採用される仕組みをつくる必要があるのではないでしょうか。本日のテーマからははずれましたが。
神奈川県教育委員会が県内の公立学校の児童・生徒らを対象に行った「いのち」についてのアンケート結果が公表されました。高学年になるほど自分と他人の命に対して肯定感が薄れている傾向を重く受け止めた県教委は、学年に応じて生きる意義を考えたり、人生への関心を芽生えさせることを目的とした教師向けの指導資料を作成し、県内の公立小・中学校へ配布したとのこと。
しかし、こうした対策がどこまで効果があるのか。学校や教育委員会だけで解決できる問題ではありませんが、教育委員会として資料配布するだけで「自分たちの責任は果たした」などとするようなことなことはないと思います。本気で改善するつもりがあるのか、これからに期待したいところです。
神奈川新聞にも掲載されましたが、調査は昨年三月、県内全域から抽出した公立小学校一、三、五年生と中学二年生の各約六百人や保護者らを対象に実施。鎌倉女子大学の協力で集計・分析。「自分の『いのち』は大切ですか」との設問に、「とても大切」と答えた小一は91・7%、小三88・3%、小五76・8%、中二は51・4%と年齢を追うごとに肯定感が減少。「あまり大切でない」「大切でない」の両項目合わせると小一の2・3%に対し、中二は10・6%を占めたとのこと。中学二年生の約一割が「自分のいのち」について否定的な受け止め方をしているということです。大変な問題です。簡単に命を絶つことになる傾向とも捉えることができます。
一方、「他の人の『いのち』は大切ですか」との設問では、「とても大切」は小一で89・1%、中二で64・0%。「あまり大切でない」「大切でない」の合計は小三で0・9%、中二では3・2%。中二になると100人に3人が他人のいのちをどうでもいいと考えているということです。
様々な原因があると思います。私はそのひとつに、保護者と関わる時間の少なさが原因ではないかと感じています。便利な世の中ではありますが、その反面家族とも疎遠になりがちな社会が、他人の命とともに、自分の命さえも軽んじるようにさせているようでなりません。子供たちに愛情を注ぐということは、木に水を注ぐのと同じで、成長し生きていくうえでなくてはならない要素であると考えます。
一昨日、教育長は会見で「いじめも残念ながら減っていかないという表現がふさわしい状況の中で、命の問題に加え、いじめ問題や心が荒れる背景などにも光を当て、さまざまな側面から対応していきたい」と話をされたそうです。行政をチェックする議会人の立場として、保護者との連携も含め、期待を込めて「行動」を注視していきたいと思います。
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