横浜市の新防災戦略について 450
もうすでにGWが始まっている方もおられるのではないでしょうか。これからという方も、どうぞ安全第一で、無事故第一で楽しいGWにしてください。
一昨日の28日、横浜市が大規模地震や新型インフルエンザなど非常時に備えて重点対策を体系化した「危機管理戦略」を発表しました。複数の区局にまたがる危機管理施策を体系的に整理し、一元的に計画推進することで効率化を図ることを狙いとしています。国の消費者庁構想と同様に、地方自治体で縦割り行政を部局横断・連携強化で行政の効率化が進められています。期間は2008年度から15年度までの8年間とのことです。
危機管理戦略は、(1)大規模地震への対策(2)新型インフルエンザへの対応(3)危機発生時における行政対応力の強化を戦略の主な重点項目として挙げています。
大規模地震対策では家具の転倒防止や耐震補強などを推進するとともに、新潟県中越沖地震など過去の災害ではトイレが不足したといった問題点を参考に、水や食料とともにトイレパックの備蓄強化も含まれています。これは重要です。昨年、中越沖地震あとを視察したとき、あるグラウンドで未使用の仮設トイレの行列を目にしました。疑問に思い伺ってみると、「仮設トイレは各地から運ばれてくるが、それに合うだけのバキュームカーがなく使えない。」とのことでした。缶詰を渡しても缶切りがなくて空けられないのと同じようなものです。そうした意味から今回の措置は有効だと思います。
また、新型インフルエンザでは「パンデミック」(世界的大流行)発生により大量の犠牲者が予想されることから、ワクチンの備蓄や感染防護服の準備推進を計画。更に危機対処能力の向上も重要視し、市民や事業所との合同訓練や「帰宅困難時行動マニュアル」の作成、職員による24時間即応体制の強化などに取り組むとのことです。
市安全管理局は「市民の危機意識向上こそが防災には重要」として、設備面での充実のほか、市民への啓発活動を積極的に行うとしています。ここが最も重要なポイントです。例えば、防災訓練参加率は地域差があるものの、地域人口比10分の1以下が当たり前の状況にある中で、いかに実効性あるものにしていくか。私は日頃からこの問題について行政職員と議論したり、自治会・地域の代表の方々と話し合っていますが、精神論に行き着かないよう気をつけながら、具体的な議論を進めています。
地域社会との関係が薄い人の多い横浜のような都会にあっては、特に「まとまりましょう」とする言葉だけでは柳に風との悩ましさがあります。また発信するだけで「あとは地域の問題」とすることでこと足れりとはいきません。人が人と関わることの大事さを重要視した施策づくりと、具体的な行動を地道に進めることが真の防災に繋がるものと考えますし、これまでも横浜市はこうした人とのつながりを重視することは掲げています。あとは実感の伴う結果と継続。結局は「1対1の対話」に行き着くのではないかと思います。
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