医師と患者について 270
一昨日、市内のホテルで開かれました、横浜市医師会創立100周年記念式典に参加しました。日本医師会の唐沢祥人会長、会員となっている県内の国会、県会、市会議員、中田宏横浜市長ら関係者約370人が参加し、盛大に行われました。
同医師会は1907年12月に創立。(戦後認可されたのが1947年とのことで、社団法人としても60周年の佳節です) 現在会員は約3500人。今井市医師会会長は「100周年を貴重な通過点と考え、過去の先輩諸氏が築いてきた医道の精神を尊び、200百周年に向かっていきたい」とあいさつ。医師の連携とともに、一人を大切にする心の連携も願っております。
そんな折、昨日の読売新聞は「モラルを問う」という特集の中で、病院における医師や看護婦と患者の信頼関係が崩れている内容が掲載されていました。日本医師会が昨秋から自戒を込めたテレビCMを放送するなど、医師と患者の間の信頼回復が大きな課題となっている昨今、その関係は益々悪化しているようです。
ある男性が転倒してひじを脱臼し、初めて手術を受けることになった時のこと。「機材の素材は?」「どの程度腕を切るのか?」など不安で種々質問すると、医師は面白くなさそうな態度で返答し、看護師の女性はクスクスと笑ったとのこと。男性の抗議で意思は謝り、看護師も笑いを止めたとのことです。
この話、病院側の傲慢な意識が表面に出たと思われますが、そうなった理由はどこにあるのでしょうか?医師や看護師の個人の資質が大きいと思いますが、一方で患者による医師や看護師への暴力や暴言が一般的に増えいてるという問題もあります。そのうように申しますと、病院側の説明不足や無神経な態度にも問題ある、という堂々巡りが始まります。
もちろんルールは必要です。しかし、個人的な意見ですが、この問題を乗り越えるためには、患者の態度改善を待つより先に、まず医者や看護師が現実を見据え、誠意をもってあたることが肝要だと思います。社会的地位と共に人間性の高さも要求されるものと考えるからです。患者の反応は千差万別でしょう。どうしようもない場合があることも理解できます。しかし、我慢の人が増えるにつれ、低モラルが続く人の比率は下がるものと考えます。(我慢の限界というのも理解できますが、、、。)
「なぜ医者が先なんだ?」となりますが、どの社会でも組織でも、地位が高いほど、その責任が重くなるのは已む無しではないでしょうか。だからこそ医師の収入はそれなりに高く、高くなくてはならないと私は考えます。「そんなのやってられねーよ」という方には不適合な仕事なのかも知れません。地位が高くても責任が問われない社会や組織は、衰退するだけであることは歴史の証明です。また、「同じ人間だから同じでいいんだ」というエセ平等主義がはびこりますと、本能優先の弱肉強食社会へと進んでいくことになります。
人間は理性の生き物。「話し合い」こそ大切。「心こそ大切」なのではないかと思います。
※その他のブログ、プロフィール等はhttp://www.gyota.com/へ